ニーズウェル(3992)を買い増し!NotebookLMで「AIの嘘」を排除する分析術

ニーズウェル(3992)を買い増し!NotebookLMで「AIの嘘」を排除する分析術

生成AIを投資に使う際の最大の懸念は「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」です。本記事では、GoogleのNotebookLMを活用し、参照ソースを限定することで情報の正確性を担保する2ステップの分析法を公開。”優待改悪”銘柄のニーズウェル(3992)をなぜあえて買い増したのか。その思考プロセスを共有します。(2026.3.26)

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優待改悪のニーズウェル(3992)をあえて買い増した理由

きょう(3月26日)買い増したニーズウェルの基本情報を紹介します。

ニーズウェル(3992)
企業情報:金融システム開発に強み。ソリューション事業強化。エンドユーザーと直接五取引は売上高の6割
配当利回り:2.31%
株主優待:1000株以上⇒QUOカード1万5000円(※)
権利確定:3月27日

ヤフーファイナンスより

 ※印をつけた株主優待はちょっと説明が必要です。 

ニーズウェルの株主優待は、もともとは3月末と9月末の年2回、つまり1年に3万円分のQUOカードでした。ところが今年2月に優待内容の変更を発表。優待のタイミングが年1回に減り、1年以上の継続保有という条件が新たに加わりました。いわゆる「高額QUOカード優待」の改悪銘柄というわけです。 

わが家は妻名義で昨年暮れに1000株購入したものの、この改悪で株価も下がり、いったん「損出し」して引き続き1000株保有していますが、きょうはわたし名義で1000株購入しました(約定単価は524円) 

そんな”優待改悪”銘柄をなぜ買い増したのか…

その説明をする前に、ハルシネーションのことや「NotebookLM」での検討方法を説明します。 

そちらが今日の記事の眼目ですので、少々お付き合いください。 

投資判断の敵「ハルシネーション(AIの嘘)」の実例と怖さ

生成AIを銘柄選びに利用する場合、もっとも気をつけなければいけないのがハルシネーションが混ざることです。 

ハルシネーション(Hallucination=幻覚)とは、生成AIが事実とは異なる情報や存在しない情報をもっともらしく生成する「AIの嘘」のこと。 

例えば、どんな嘘かというと、先日の記事で紹介した株式分割でGoogleの生成AI・Geminiに「分割前と後で株主優待の内容は変わる銘柄はどこか」を訊ねた際も、七十七銀行(8341)の優待について、こう言われました。 

銘柄名現在の保有数分割後の保有数狙い目のランク(買い増し目安)
七十七銀行 (8341)300株900株あと100株追加して1,000株へ1,000株以上で3,000円相当のカタログギフト対象になります。3分割後の100株追加は比較的少額で済みます
Geminiが吐き出したスプレッドシート。もっともらしい内容ですが、ゴシック部分はハルシネーションです

「え!ほんと?それはいいかも!」と思って七十七銀行の適時開示情報をみたら、これがなんと大間違いでした(正しくは分割前の1000株以上で3000円相当が、分割後は2000株以上になるため、買い増すなら1100株必要) 

このようにふつうに生成AIを使うと、どうしてもハルシネーションが混ざってしまうため、結局は自分で株式分割の対象8銘柄はすべてIR情報のページにアクセスして、適時開示情報を確認しました。 

わたしが最近NotebookLMを使うようになったのも、ハルシネーションを極力避けることを最重視しているためで、NotebookLMが自分でソースを取捨選択できる点に魅力を感じたからです。 

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「気になる銘柄」分析では直近の決算短信1つで済ませたが…

NotebookLMを使ってマネー系雑誌で気になった銘柄をまとめて分析するやり方は、以前の記事で詳細に説明しました。やり方を要約すると次のようになります。 

  • 雑誌で気になった銘柄の最新の決算短信をノートブックにソース登録する 
  • 決算短信を登録した複数の銘柄について、CF(キャッシュ・フロー)生成力などの決算指標を分析・解説するリポートを作成させる 
  • ダイヤモンドZAiの「理論株価」もソース登録して、登録した銘柄の割安度を調べる 

横断して分析できるため、どの銘柄がキャッシュを生む力が強いか、どの銘柄が株主還元に意欲的かなどがわかりますし、理論株価との乖離率で割安かどうかもわかります。 

その分析結果をもとに、AIが推奨した銘柄を人生初めて購入したことも記事にしました。 

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【STEP1】銘柄ごとに2年分の「決算短信」で経営指標のリポート作成

今回、わたしが買い増しを検討している銘柄は、わたしか妻ですでに保有している以下の7銘柄です(証券コード順) 

  • デジタルプラス(3691) 
  • セグエグループ(3968) 
  • ニーズウェル(3992) 
  • ウィルズ(4482) 
  • GMOフィナンシャルグループ(7177) 
  • マネックスグループ(8698) 
  • スパークス・グループ(8739) 

せっかく保有している銘柄だから決算短信を掘り下げて分析したいし、何よりハルシネーションは絶対に避けたいところです。 

そこで、次のようなやり方を採用しました。 

 【STEP1】=個別分析

  1. 買い増しの検討対象の銘柄ごとにノートブックを作成し、過去2年分(決算期が12月企業は3年分)の決算短信と「理論株価」の最新版をソース登録する
  2. 以下の共通プロンプトで「レポート」をそれぞれ作成させる

《プロンプト》複数の決算資料と理論株価から、以下のフォーマットでリポートを作成してください。
1.タイトル・表題:日付(YYYYMMDD)銘柄名(証券コード)レポート
2.キャッシュフロー(CF)の生成力の評価
3.株式資本配当率(DOE、配当額÷株主資本)の評価
4.投下資本利益率(ROIC)の評価
5.決算資料に基づく企業の成長性、収益性に対する評価
6.決算資料に基づく企業が抱えるリスク面に対する評価
7.最新の理論株価の乖離率からみた割安度の判定
8.投資対象としてみた場合の総合評価

このやり方なら、AIが参照するソースはその企業の決算短信(と理論株価)のみです。ほかの情報が混ざりようがありません。 

【STEP2】Googleドキュメント経由で「保有銘柄」を横断評価する

この【STEP1】のリポートも簡潔によくまとまっています。これを読めば、その企業の経営指標は一目瞭然という出来栄えでしたが、ここで終わらずに【STEP2】に進みます。やり方はこうです。 

 【STEP2】 =横断分析

  1. それぞれのノートブックで作成させた「レポート」はGoogle ドキュメントにエクスポートする 
  2. 次に新規に「保有銘柄横断分析」というタイトルのノートブックを作成する 
  3. 横断分析のノートブックにGoogle ドキュメントに保存した各「レポート」をインポートする 
  4. 以下のプロンプトで「統合分析レポート」を作成させる 

《プロンプト》読み込んだソースは、
キャッシュフロー(CF)の生成力の評価
株式資本配当率(DOE、配当額÷株主資本)の評価
投下資本利益率(ROIC)の評価
決算資料に基づく企業の成長性、収益性に対する評価
決算資料に基づく企業が抱えるリスク面に対する評価
最新の理論株価の乖離率からみた割安度の判定
投資対象としてみた場合の総合評価
の構成で整えています。
それぞれの項目について、横断で評価(ランキング形式)を行ってください。
そのうえで、横断評価に基づく総合評価を理由を含めて最後に解説してください。

このやり方なら、買い増し対象の決算短信(と理論株価)を間接的に読み込んでいるだけなので、ハルシネーションが混ざる余地はありません。 

買い増しはどこにしようか迷いながら、「ヤフーファーナンス」アプリで株価のチャートをみるついでに掲示板を覗いたり…みたいなやり方よりも、よほど精緻な検討作業だと個人的には思っています。 

AIが導き出した「統合リポート」:ニーズウェル総合1位の根拠

さて、それではNotebookLMはどんな「統合リポート」が完成したでしょうか。 

レポートは多岐にわたるので、各項目の1位と最終的に買い増したニーズウェルの記述を抜き出して紹介します。 

  1. キャッシュフロー(CF)の生成力の評価
    本業で現金を稼ぐ力とその安定性を基準に評価します。
    1位:GMOフィナンシャルホールディングス:営業CFが118.9億円と巨額であり、現金及び現金同等物も1,388億円と圧倒的な流動性を誇ります。
    5位:ニーズウェル:営業CF(7.9億円)が配当支払額を大きく上回り、フリーCFも10億円を超えるなど、非常に健全な構成です。
  2. 株式資本配当率(DOE)の評価
    株主資本に対する還元の積極性をDOEの数値で比較します。
    1位:GMOフィナンシャルホールディングス(13.5%):2026年12月期より「DOE 10%」を下限とする方針を導入。
    4位:ニーズウェル(10.1%):10%超の水準は日本企業平均を大幅に上回ります。
  3. 投下資本利益率(ROIC/ROE)の評価
    資本をいかに効率よく利益に変えているかをROE(または推定ROIC)で評価します。
    1位:セグエグループ(ROE 33.6%):前期から飛躍的に向上し、驚異的な効率を実現。
    4位:ニーズウェル(ROE 19.8%):無借金に近い経営ながら、ITサービス業トップクラスの効率 。
  4. 成長性、収益性に対する評価
    売上・利益の伸びと将来のポテンシャルから判定します。
    S評価:セグエグループ(純利益134.6%増。官公庁向け大型案件で爆発的成長)
    C評価:ニーズウェル(売上100億円を突破し、着実に拡大基調)
  5. リスク面に対する評価
    CF、外部環境、事業構造からみた懸念点を考慮します。
    低リスク:ニーズウェル:財務健全性が高く、営業CFの範囲内で成長投資と還元を完結できています。
  6. 最新の理論株価の乖離率からみた割安度の判定
    ダイヤモンド・ザイ理論株価等に基づく乖離率のランキングです。
    ニーズウェル:57%割安

このようにニーズウェルの評価は、経営指標よりもリスク面や割安度に重きが置かれています。経営指標の順位は4~5位ですし、成長性・収益性はC判定でした。 

それでも、レポートの最後に書かれた「総合評価」では、ニーズウェルが1位となっていました。 

総合評価
ソースに基づいた横断的な分析の結果、最も投資妙味が強いと評価されるのは 株式会社ニーズウェル です。
ニーズウェルを総合1位とした理由
圧倒的な割安度:理論株価に対して57%割安という判定は全社中最大であり、下値不安が極めて少ない一方で、大きな上昇余地(キャピタルゲイン)が期待できます。
三拍子揃った優等生:DOE 10.1% という積極還元、ROE 19.8% という高い資本効率、そしてそれらを自前の 営業CF(7.9億円) で完全に賄えている財務の健全性は、他の成長株にはない安定感を提供します。
次点として、高い収益性と最強のDOE(13.5%)を誇る GMOフィナンシャルホールディングス 、および爆発的な成長性とROE(33.6%)を持つ セグエグループ が挙げられます。

まとめ:「SaaSの死」に抗うAIエージェント時代の新・銘柄分析術

NotebookLMで分析していなければ、ニーズウェルを買い増しするという判断はしなかったでしょう。

いわゆる「SaaSの死」(*)が騒がれている中で、SaaS関連の銘柄に手を出さなくてもいいでしょうし、2月の優待改悪もとても印象が悪かったですから。 

(*)SaaSの死:生成AIの急速な進化により、人間がソフトウェア・ツール(SaaS=Software as a Service 発音は「サース」)を操作して業務をこなす従来のビジネスモデルを凌駕し、生成AIが業務そのものを代替する時代にシフトすることを表した表現。アンソロピック社が2026年1月にAIエージェント「Claude Cowork」をリリースしたのを契機に、マイクロソフト、オラクルなどSaaS関連企業の株価が急落するなどしている。 

しかし、こうやってNotebookLMが吐き出した精緻なリポートを読めば納得感がありますし、もうひとつ、3月27日までは旧優待(1万5000円分が年2回)が適用される…という要素も背中を押しました。 

ハルシネーションのことをちゃんと理解し、それを避けるためのNotebookLMの銘柄分析への活用ーー。このスタイルは、わたしは今後も維持するつもりです。 

【STEP1】と【STEP2】のプロンプトを含めて、参考にしていただければ幸いです。 

(いしばしわたる) 

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