大型連休もきょうで最終日。前日から見始めた韓国ドラマ「ヒーローではないけれど」にどっぷりハマってしまいました。隠れた名作と言ってもいいくらいの出来栄えで、とてもお勧めです(2025.5.6)
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超能力を失った家族
「ヒーローではないけれど」は、韓国の衛星放送局JTBCが2024年に制作したドラマで、Netflixで配信中です。

超能力を持つポク一族。過去に戻る力を持っていた長男のギジュ(チャン・ギヨン)はある事故をきっかけに鬱病に悩まされ、能力も喪失してアルコール中毒に。予知夢の能力を持つ母のマヌム(コ・ドゥシム)はその能力で株投資や宝くじを買い、財産を築いてきたが、不眠症で能力を発揮できなくなった。長女でギジュの姉ドンヒ(スヒョン)は飛行能力を持っていたが、過食症で肥満になり飛べない。スマホ依存症の影響で近眼のギジュの娘イナ(パク・ソイ)は、能力が遺伝せず、中学生になっても超能力は使えない(ウィキペディアより)
サイコパスでも登場するのか…と思いきや、第1話から海で溺れそうになったギジュを救う清廉な感じのエステティシャンのト・ダヘ(チョン・ウヒ)が登場。実は、彼女は結婚詐欺師。一家に近づいて、ビルや財産を掠め取ることをもくろんでいるのです。豪邸に住んでいるのに、バラバラな生活を送る一家。その秘密に少しずつ近づいていく…という感じで物語はテンポよく進んでいきます。
誰にも心を開かない娘
娘イナ(パク・ソイ)は線が細くて、誰にも心を開きません。いつもスマホをいじってばかり。人の視線を避けて”透明人間”のようにしています。でも、実は、瞳をのぞき込むことで相手の考えていることを理解してしまうという特殊能力を持っていて、母親を交通事故で亡くしたことも、父親が自分に無関心なことも、すべて自分が生まれたことが悪かったのだと思っているのです。
中学を転校して”透明人間”でいられなくなってしまった自分に腹立ちを覚えたり、いじめに近いことを友達からされたり…。ヒロインであるト・ダヘのことを詐欺師だと見抜くものの、増長気味の祖母をやりこめたいと思って、自分の能力のことも、女詐欺師のことも黙っているというあたり、存在感ゼロのこの少女が物語の鍵を握っていて、ぐいぐいとひきつけられてしまいました。
このドラマ、超能力とか出てくるわりに、クスッと笑わせられたり、グッと泣かせられたり喜怒哀楽の要素がたくさんあって、久しぶりの涙活になったのでした。ぶよぶよと太ってしまって飛べなくなった姉ドンヒも、いい味だしています。
チャン・ギヨンの”変化”に注目
長男のギジュを演じるチャン・ギヨンはモデル出身の俳優さんで、「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」でも、IU演じる薄幸の少女に借金返済を迫るアウトローないじめ役で出ていました。鬼気迫る悪役もできれば、一方で王子様役を務めるなど幅広い俳優さんで、私の”推し”のひとりです。
「ヒーローではないけれど」のチャン・ギヨンは、過去の事故現場に何度も何度も戻っては疲弊していき、アルコール中毒になってしまうという設定。そのため髪はボサボサで、廃人一歩手前のやつれた姿。心を閉ざした娘の父親としても情けない面ばかり見せます。それがト・ダヘの登場で、少しずつ人生が開けていき、娘イナと関係修復を願うシーンは嗚咽を抑えるのが難しかったです。

う~ん、これだけ熱っぽくドラマについて語りたくなったのは「トッケビ」以来かも…
生きるにしても死ぬにしても、家族ってややこしい。でも、家族の笑顔がないと自分もやっていけないことがわかっているーーという、とても説得力のある家族ドラマでした。
全12話。韓国ドラマの中では短いほうです。GWは終わってしまいましたが、週末を利用して是非ハマってみてください。
(ruru)
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