アンパンマンとハローキティの”出逢い” どう描かれるか楽しみ 

アンパンマンとハローキティの”出逢い” どう描かれるか楽しみ 

アンパンマンの生みの親やなせたかし氏の妻・小松暢が主人公のNHKの朝ドラ「あんぱん」は、脇役も揃っていて毎朝楽しみに観ています。その脇役のひとりがハローキティで有名なサンリオの創業者だということをご存知ですか?(2025.7.22) 

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八木上等兵=辻信太郎

「あんぱん」については、先の展開を知りたくてやなせたかし氏の評伝(梯久美子氏「やなせたかしの生涯」文春文庫)を読んでしまい、サンリオ創業者の辻信太郎氏(1927- )がやなせたかし氏の「アンパンマン」創作に深く関係することは知っていました。 

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しかし、「あんぱん」の戦中篇でひときわ魅力的な登場人物、妻夫木聡さん演じる八木上等兵が辻信太郎氏のモデルとはまったく想像していませんでした。 

「八木上等兵=辻信太郎」に触れているのは「「弾けるような笑顔」『あんぱん』再登場の妻夫木聡・八木の“モデル”は凄い人 国民的キャラに込めた反戦への想い」という記事です。 

八木は、やなせさんが戦前と戦後に知り合った2人の人物がモデルだと言われている。 

まず、“戦時中の八木”は、やなせ氏の自著『アンパンマンの遺書』(岩波書店)で書かれている“新屋敷上等兵”という人物がモデルだとされる。同著には《鬼屋敷と呼ばれて恐れられていたが、なかなかの快男子》《上等兵殿が風よけになって、いくらかリンチの嵐は防げた》という記述もあり、人物像が『あんぱん』の八木と一致している。 

そして、 これから描かれる“戦後の八木”は、国民的キャラクター・ハローキティで知られる「株式会社サンリオ」の創業者で同社代表取締役会長の、辻信太郎さん(97)がモデルではないかと言われている。 

「辻さんはやなせさんより9歳年下で、出会ったのは1960年代。ここは『あんぱん』とは違います。 

一方で、辻さんは『あんぱん』で八木が読んでいたゴーリキーの『どん底』を“感銘を受けた本”として自著『これがサンリオの秘密です。』(扶桑社)に挙げていて、名前も“信之介”と“信太郎”で、似せている感じ。 

ピンズバNEWS – 「弾けるような笑顔」『あんぱん』再登場の妻夫木聡・八木の“モデル”は凄い人 国民的キャラに込めた反戦への想い 

なるほど! 戦中の八木上等兵は別のモデルがいたのか… 

山梨シルクセンター

辻信太郎氏のことは、梯久美子氏の「やなせたかしの生涯」(文春文庫)にも当然出てきます。辻氏がやなせたかし氏と初めて知り合った当時の会社名が「山梨シルクセンター」というのも含めて、とても驚いたエピソードだったからです。 

梯久美子「やなせたかしの生涯」(文春文庫)

その場面を「やなせたかしの生涯」から引用しましょう。 

昭和40年(1965年)のこと、やなせ氏は手作りの茶碗や湯呑みに絵つけするのに夢中になり、銀座松屋のギャラリーで創作陶器展をひらいたところ、「なかば冗談でコップに詩を書いたものを出してみたら、これがよく売れた」 

その後も何度か陶器展をひらいていると、そこに「小さな会社を経営しているという男性がやってきた」 

名刺には「(株)山梨シルクセンター 代表取締役社長 辻信太郎」とある。 

嵩は辻から、お菓子のパッケージデザインを依頼される。例によってやったことのない仕事だったが、不二家に納入するキャンディの容器を考えてほしいと言われ、麦わら帽子の形をした陶器をデザインした。 

そのときの嵩には、山梨シルクセンターがどんな会社なのか、いまひとつわかっていなかった。シルクセンターというから絹織物の問屋か何かかと思ったが、どうもそうではないらしく、食器やハンカチ、財布、サンダルなど、さまざまな小物雑貨を作って卸していた。辻によれば、数年前に作ったいちごの模様をつけたコップがヒット商品になったという。 

山梨シルクセンターは、やがてサンリオと名を変えて、ハローキティをはじめとする世界的なキャラクターを生み出すことになる。辻は日本におけるキャラクタービジネスを確立した立志伝中の人物だが、このころはまだ三十代後半で、社員は数人しかいなかった。 

同書によれば、辻氏は戦後、山梨県庁に就職。県の外郭団体だった山梨シルクセンターを株式会社に変えて社長に就任したのだそうです。

サンリオ出版部誕生

この出逢いから、ふたりとも詩が好きだったことから、やなせ氏が自費出版で計画していた詩集の原稿を見せたところ、辻氏が「これは自費出版ではなく、ちゃんと書店で売ったほうがいい。うちで出版しましょう」と提案したのだそうです。 

「ちょっと待ってください。詩集って、採算がとれるほど売れるものじゃないですよ。まして、ぼくみたいな無名の人間の詩集なんか。それに、辻さんの会社に出版部はあるんですか」 

「ありません。でもこの詩集を出したいんです。出版部はこれから作ります」 

これが、のちにサンリオSF文庫などユニークな出版活動で有名になるサンリオ出版部誕生の瞬間です。驚きですね。 

しかし、この辻信太郎氏の決断と変わらぬサポートにより、やなせ氏の初の詩集出版(1966年)から7年後の1973年、やなせ氏はサンリオ出版部で雑誌『詩とメルヘン』を創刊、同誌で「熱血メルヘン 怪傑アンパンマン」を連載するわけですから、「アンパンマン」の誕生に直接関係する出逢いであったのは間違いありません。 

妻夫木聡さんの好演が光る

朝ドラ「あんぱん」では、妻夫木さん演じる八木上等兵は、観る者を惹きつけてやまない好人物として描かれています。こんな記事も出ています。 

今回八木が、終戦が描かれた第60話(6月20日放送)以来、4週ぶりに再登場。視聴者からは「八木上等兵再登場きたー!」「生きてた」「月曜日から嬉しい」「八木さん子ども好きだったんだ」「無表情だった八木上等兵が笑ってる」「別人みたい」「笑顔が輝いてる」「嵩が声をかけた瞬間に、顔つきが変わった」などと反響が集まった。 

モデルプレス – 朝ドラ「あんぱん」4週ぶりに再登場した人物に注目集まる「別人みたい」「顔つきが変わった」の声 

わたしも妻夫木さん演じる八木上等兵の再登場はとても嬉しくなりました。 しかも、八木上等兵がサンリオ創業者の辻信太郎氏のモデルなのだとしたら!これは大興奮しかありません。 

妻夫木さん演じる八木が「アンパンマン」誕生に深く関係していく場面はまだまだ先でしょうが、いつか必ず描かれると思うと、今からとても楽しみです。 

(しみずのぼる) 

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