NISAの成長投資枠で悩んだら…株高のなかの「選択肢」を考える

NISAの成長投資枠で悩んだら…株高のなかの「選択肢」を考える

新NISAがスタートして4か月目に入っています。ところが、成長投資枠を何で埋めたらよいか、いまだ悩んで身動きが取れない人もいるようです。背景にあるのが株高です。国内銘柄をNISA口座で買ったら高値掴みになってしまうのでは…という逡巡から、どうしても踏み切れないようです(2024.4.17) 

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年代で最適解は違うもの

わたしと年が近い知人から「ヒントの森の記事を読んだ」と連絡が来て、こう書いてありました。 

「この記事に書いてあるやり方で、NISAの成長投資枠を買えばいいわけ?」

その記事は「20歳代の娘に「かぶツミ」を勧めて設定しました」でした。 わたしが娘の成長投資枠で「かぶツミ」を設定したいきさつを記した記事で、「かぶツミ」で設定した銘柄は下記のとおりです。 

【成長投資枠】=3万9944円

伊藤忠商事(8001) 1株
三菱商事(8058) 2株
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) 3株
三井住友フィナンシャルグループ(8316) 1株
東京海上ホールディングス(8766) 1株

20歳代の娘に「かぶツミ」を勧めて設定しました

いやいや、ちょっと待って。これは娘がまだ24歳の若さだから勧めただけで、アラカンの人にあてはまるとは限らないよ… 

この5銘柄を欲しいと思う気持ちはよくわかります。わたしがNISAの成長投資枠で買った銘柄ばかり(三菱UFJのみ妻名義)ですから。 でも、それは3か月前の株価であって、どこもかなり値上がりしています。 

知人には、「かぶツミ」は成行注文になるため指値注文よりも高い価格で買うことになることや、娘の場合は20歳代だから高い価格で買っても時間が味方してくれるけれど、60歳前後の人はそうではないので、やはり株価の動向を注視しつつ押し目買い(上昇基調の銘柄が下がったタイミングで買付する方法)するのが基本だと思う旨の返信をしました。 

ただ、これは来年の自分にもあてはまる話です。今年はたまたま初動が良かったために買えましたが、来年も気に入った銘柄を思い通りに買えるかわかりません。 

来年、自分ならどうするだろう… 

お金にも働いてもらう

そんなふうに思案していたところ、たまたま読んだ本は参考になることが書いてありました。 

その本は、アラサーdeリタイア管理人ちーさんの「自由に生きるためにお金にも働いてもらうことにしました」(かんき出版)です。 

本の紹介文に、こう書いてあります。 

生まれながらのお金持ちではないし、ビジネスで成功するのも難しい。「億り人」になるには投資の才能や大きな元手が必要だけど、それもない。

でも、3000万円なら過度な節約なども必要なく、全額非課税でつくれます。お金にも働いてもらう(投資をすることで、増えていく)んです。

3000万円あれば、今よりちょっと自由な未来が手に入ります。毎月数万円の不労所得を得るもよし、3000万円を足掛かりに億り人を目指すのもよし。

「素人投資家」を自称しながらもサイドFIRE生活を送る著者が、インデックス投資の始め方から新NISA・iDeCoの活用法、オススメ商品、資産の戦略出口まで伝授します。

内容はこの通り、メーンはインデックス型投資信託による「ほったらかし投資」に関するもので、至極まっとうなアドバイスとなっています。 

ただ、ちーさんの本でとても新鮮だったのは、NISAのつみたて投資枠と成長投資枠について「自分や夫はこうする」ということが具体的に書いてあった点です。 

証券会社別のおすすめ投信

その部分を記す前に、証券会社別におすすめのインデックス型投資信託のくだりを先に引用しましょう。 

私が選ぶべきだと思っているのは第2章で書いた通り、「多くの国や業種に分散投資できるインデックス型の円建て投資信託」です。
(略)
eMaxis Slimシリーズは手数料の低い投資信託として一番歴史が古く、常に最安値を更新してくれたため、私だったら歴史が長い分純資産も大きい「三菱UFJ eMaxis Slim全世界株式(オール・カントリー)」を選びますね!

ただし、ここで証券会社ごとの投資信託の保有ポイントの観点からも見ると、「三菱UFJ eMaxis Slim全世界株式(オール・カントリー)」の場合、SBI証券とマネックス証券が年率0.0175%なのに対し、楽天証券は0%です。

しかし、楽天証券は2023年10月に新しく「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」を発表し、こちらもMSCI社の指標をベンチマークとしつつ、信託報酬料も投資信託の保有ポイントもeMaxis Slimと同額。

ということは、投資信託の保有ポイントも加味すると最適解は、

【SBI証券】三菱UFJ eMaxis Slim全世界株式(オール・カントリー)
【楽天証券】楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド
【マネックス証券】三菱UFJ eMaxis Slim全世界株式(オール・カントリー)

となるのです。

楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」は、わたしが楽天証券(NISAつみたて投資枠)で設定している投資信託のひとつ、「三菱UFJ eMaxis Slim全世界株式(オール・カントリー)」は、SBI証券(特定口座)で設定している投資信託のひとつです。きわめて妥当な内容だとわたしも思います。 

みんな考えることは同じ

とまあ、ふつうはここまでで十分なのですが、ちーさんは前述のとおり、実際のNISA口座の中身まで書いています。 以下、引用します。

つみたて枠
【使用する証券口座】楽天証券
【使用するクレジットカード】楽天ノーマルカード 【金額】月10万円
【内訳】全世界:S&P500:FTSE新興国=5万円:3万円:2万円
【ポイント】楽天カード決済月5万円と楽天キャッシュ決済月5万円の両方を使う予定のため、毎月毎月500ポイント獲得予定

成長枠
【金額】1200万円
【内訳】1年目 全世界240万円 2年目 全世界240万円
 3年目 全世界240万円 4年目日本株240万円
 5年目 日本株240万円

私の場合は、年間で成長枠240万円、つみたて枠120万円のマックス360万円を最短の5年で埋める予定です。

そして、私は現在資産形成期ではなくすでに活用期に入っているので、成長枠のほうでは4年目と5年目にちょっと実験的に配当金の出る日本株を入れてみようかなと思っています(ただ、まだ先のことなのでわかりません。結局面倒くさくなって全部全世界株式で埋めるかも……)

つみたて投資枠は、わたしは「FTSE新興国」(FTSE・エマージング・インデックス連動の投資信託)以外はまったく同じですし、本書が書かれた23年12月以降、クレカ積立の枠が拡大して楽天キャッシュ分と合わせて月15万円までポイントが付与されるようになったので、成長投資枠のほうでもポイント獲得に励んでいるんだろうな…と想像します。 

成長投資枠の方は、ちーさんが4年目と5年目で行おうと考えている日本株でわたしは今年分の240万円を埋めましたが、ちーさんのように全世界株式連動のインデックス型投資信託(楽天証券なら「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」)で埋めてしまうというのもありだなあ…と思って読みました。 

紙幅の都合で省略しますが、このあとちーさんの夫のNISA設定も紹介していて、夫さんはSBI証券でVポイント狙いの設定をしているところまで公開しています。自分もSBI証券で同じことをしているので、 

な~んだ、みんな考えることは同じだなあ 

と思いながら読みました。 

頼藤さんも設定を公開

ちなみに、マネーコンサルタントの頼藤太希さんも、珍しく自分のNISAの設定内容を公開しているひとりです。一度記事(新NISA スタート1か月の評価はいかがですか)にしましたが、該当部分を再掲します。

筆者は元々楽天証券で旧NISAのつみたてNISAを利用していました。そのうえ、楽天カードを利用していてポイント還元も受けています。そして、楽天銀行とのマネーブリッジによる金利アップの恩恵も大きく受けています。マネーブリッジでは、楽天銀行の預金残高300万以下の部分には0.1%、300万円を超えた部分には 0.04%の金利がもらえます。
(略)
また、投信保有ポイントについても以前はSBI証券に分があると言われてきましたが、楽天証券でも「楽天プラス」シリーズの6商品(2024年1月31日時点)に限り毎月の保有残高に応じて楽天ポイントを付与する「投信残高ポイントプログラム」ができましたので、両社のサービスはますます遜色がない状態になっています。したがって、筆者は楽天証券で投資を続けようと思っています。

https://fpcafe.jp/mocha/4145

悩める知人にアドバイス

冒頭の悩める知人の話に戻しましょう。 

個別株はどうしても株価が上下するもの。高値掴みが怖ければ、高配当銘柄は特定口座で引き続き買い時を探って、NISAの成長投資枠は、ちーさんや頼藤さんのように投資信託やETF(上場投資信託)を積み立ててもよいのでは? 

そんなふうにアドバイスしたいと思いますし、わたし自身も来年以降はそれも選択肢と考えています。 

最後に、ちーさんや頼藤さんのNISAを公開したのだから、わたしも自分のNISAを銘柄を含めて公開しますね(といっても、これまでにも記事で何度か言及していますが) 

我ながら好スタートだったと思います。でも、来年はこんなにうまくいくかわかりません。不安なら、わたしも投資信託やETFで成長枠を埋めようと思います。 

(いしばしわたる) 

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