妻にふたたび恋をする:韓国ドラマ「知ってるワイフ」

妻にふたたび恋をする:韓国ドラマ「知ってるワイフ」

韓国OSTアルバムの前回記事で紹介した韓国ドラマ「知ってるワイフ」(2018年製作、全22話)を見終えました。基本的にラブコメながら、挿入歌の歌詞のとおり、せつない場面が中盤に何度も出てきて、そのたびに涙してしまいました(2023.12.13)

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あのときに戻れるなら

DVDのパッケージにはこう書かれています。

チソン&ハン・ジミン主演! 
もしもあのときに戻れるならー 
私の人生たった一度の“if” 
  
既婚男女の共感間違いなし! 同時間帯ドラマ視聴率TOPに君臨! 
「結婚生活、こんなはずじゃなかった!?」 
だれもが抱える結婚生活の不満と後悔、そして、あの日に帰りたいという悲痛な願いがコミカルに描かれ、
有料ケーブル放送でありながら同時間帯ドラマのトップの座に君臨した。 

そう。結婚していると、「もしもあのときに戻れるなら」と思う場面も、「結婚生活、こんなはずじゃなかった!?」と思う場面も、確かにあるかもしれません。 

恋心が真っ盛りの時には想像がつかなかった苦労はあります。特に子供が小さい時の苦労。不満と後悔が蓄積していけば「あの日に帰りたい」と……。既婚者なら誰しも一度は思う気持ちをくすぐるドラマでした。 

YouTube ポニーキャニオン WE LOVE Kより 『 知ってるワイフ』予告編

心えぐられるせつなさ

ラブコメですが、最初のうち、子育ての苦労が絶えない時期に家庭を顧みない夫に不満を募らせ、ついに「鬼嫁」と化したウジン(ハン・ジミン)の怖い形相は、ちょっと見ていてつらかったです。 

でも、それだけに中盤のせつなさが際立つわけで、何とも心をえぐられました。 

主人公のジュヒョク(チソン)は、”if”がかなって学生時代に知り合った優雅で金持ちの別の女性と結婚。「鬼嫁」のウジンとは結ばれずに済んだはずですが、キャリアウーマン然としたウジンが職場の同僚として現れます。そして、ウジンと接するうちに自分が知らなかった真実を知っていきます。 

例えば、第6話。ジュヒョクがウジンの家を外から眺めていると、ウジンの母から「やっと大切な婿が来てくれた」と声をかけられます。この世界では、二人は結婚していないのに……!? そして、ウジンから、母が認知症を患っていることを明かされます。 

その症状が現れた時期を聞くジュヒョク。なぜなら、記憶の中で、「鬼嫁」時代のウジンが、赤子を抱きながら、「すこし心配なことがあるの。母が迷子になったと連絡があって」と不安げに話しかけてきたことがあったためです。でも、そのとき、自分は仕事を理由に話をろくに聞かず外に出ていってしまったのです。 

あの頃からかーー。 

忘れたのは俺だろうか

つづく第7話。認知症の母親にふたたび家に招かれ、食卓を共にしながらジュヒョク「お義母さん」と呼びかけます。認知症で大変だろうと気づかうと、ウジンは「母に癒されているのは私のほうです」と笑顔で返します。 

今のウジンが笑っている 
以前の彼女はこの道を嫌っていた 
”一方通行”という言葉が気に入らないと話しては 
”私たちは一方通行にならないようにしよう”と 
今のような笑顔で言った 
夫婦になり日々の生活を共にしてから 
あの約束を忘れたのは俺だろうか 
君だろうか それとも 俺たちだろうか

悲恋の映画で泣く真実

そして第9話。ラブコメの話題になります。 

ラブコメは苦手です 現実味がないので
泣きたいけど 口実がない時だけ 
悲しいラブストーリーを見るんです

こう話すウジンに、ジュヒョクはかつて義父の法事をすっぽかし、その夜にウジンが悲恋の映画を観て、ひとり泣いていたことを思い出します……。 ワインに酔って寝てしまったウジンの髪をやさしくなでながら、ジュヒョクは心でわびます。 

泣きたかったのか 慰めてほしかったんだな 
あの時 君は ものすごく寂しかったのか

仕事に疲れて 自分だけがつらいと思ってた 
俺に頼るな 自分で何とかしろと ないがしろにしてた

俺のせいだった 俺が君を怪物にした 
すまない ウジン

この場面にかぶせるように流れるのが、以前の記事で紹介したロイ・キムの「No Longer Mine(どうして分からなかったんだろう)」です。 

僕の胸に抱かれている君を見ていたのに
どうして分からなかったんだろう 

時間の中に薄れていく君を
元に戻すことはできないだろうか 

君はもう、僕のものじゃないんだね

日本語訳詩は「WE LOVE 韓ドラ OST HITS COLLCTION」から 

惹かれても好きと言えない

ウジンもまた、既婚者のジュヒョクにふしぎな気持ちを抱き、徐々に惹かれ、気持ちを抑えるのがつらくなっていきます。 

第11話で、認知症のウジンの母が行方不明になり、夜を徹してウジンと一緒に探すジュヒョク。ようやく見つけて、家で寝かせたあと、ふたりで道を歩くシーンが出てきます。 

いなくなってから…… 俺のもとを去ってから 
大切さに気づいた もっと優しくすればよかった 
とても後悔してるし 残念だし 恋しい 
本当にごめん そう言いたかった その人に 
手遅れだけど もう会うことはできない 
心で祈るよ 幸せになれと

「その人」がウジンということを隠しながら、告白するジュヒョク。自分の思いが負担になっているのかもしれないと思ったウジンは、こんな言葉を返します。 

私は 心の中で祈るのが苦手です 
好きか嫌いかハッキリ言わないと 
気が済まないんです でも努力します 
今回は 心の中で幸せを祈ります 

どちらも好きなのに好きと言えない……。そんなジュヒョクとウジン。なんとせつないのでしょう。

このあたりから、「No Longer Mine(どうして分からなかったんだろう)」が流れる場面が格段に増えてきますが、紹介はこのあたりでやめておきましょう。 

ラブコメですから最後は当然ハッピーエンドです。でも、この中盤のせつない展開があるから、ラストがいっそう嬉しくなるのでしょう。 

OSTから韓ドラを観たいと想う~「知ってるワイフ」ほか

最後に「WE LOVE 韓ドラ OST HITS COLLCTION」に入っている「知ってるワイフ」の主題歌ーー「Love Me Again」(歌っているのはSF9)も紹介しておきましょう。 

僕の知っていた君は誰だろう 
悲しい目をしているのも君だったろうか 

今ならわかる気がする 
僕にもう1度チャンスをくれないか

離れ離れになってやっとわかったよ 
僕はまだ君を愛していると

日本語訳詩は「WE LOVE 韓ドラ OST HITS COLLCTION」から 

すこし生活に疲れて最近は倦怠期かも…と思っている方なら、きっと気に入るでしょう。忘れていた恋心を思い出させてくれるかもしれませんよ。

(しみずのぼる)

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