コロナがなければ生まれなかったBTSのDynamite

「BTS？ K-ポップもボーイズバンドも興味ないからいいや」と思ってませんか？その気持ち、よ〜く分かります。なぜならわたしも少し前まではそう思ってましたから。きょうは、誰もが知っているようで案外知らないBTSのお話です。まだ興味湧きませんか？まぁそう言わずに、音楽好きならまずは読んでみてください（2024.3.19）

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ニュースで学ぶ、生きた英語。「The Japan Times Alpha」

24時間で最も再生されたYouTube動画
コロナのロックダウン中にリリース
音楽とダンスで自由と幸せを探そう

24時間で最も再生されたYouTube動画

「Dynamite」（ダイナマイト）は、2020年8月21日にデジタル・シングルとして全世界同時にリリースされました。BTSとして初めての全編英語で書かれた曲です。

HYBE LABELS – BTS (방탄소년단) ‘Dynamite’ Official MV

8月21日にYouTubeにてミュージックビデオが公開されると、24時間内の再生回数は１億１１０万回に達し、「24時間で最も再生されたYouTube動画｜としてギネス世界記録にも登録されました（この記録を塗り替えたのは、2021年5月21日に発売されたBTSの「Butter」の１億８２０万回）

発売以来、数々の記録を更新し続けている「Dynamite」は、BTSの４００を超える楽曲の中でも世界中で最も知られている有名な曲と言って間違いないでしょう。

「Dynamite」はBTSにとって初の米ビルボード・ソング・チャートHot 100のNo. 1になった曲です。アジア圏では坂本九の「Sukiyaki」（上を向いて歩こう）以来２度目となる５７年ぶりの快挙でした。そんな大ヒット曲「Dynamite」ですが、メンバーは、新型コロナウイルスのパンデミックがなければ制作していなかったと語っています。

コロナのロックダウン中にリリース

「Dynamite」がリリースされた同年２０２０年２月２１日にリリースされた「MAP OF THE SOUL : 7」（マップ・オブ・ザ・ソウル：セブン）は、BTSの４枚目のアルバムで、その年のアメリカで最も売れたCDアルバムです。

「MAP OF THE SOUL : 7」は試練や痛み、恐れなど自分たちの率直な物語を表現したアルバムで、明るくて軽快なダンサブルな曲調の「Dynamite」や「Butter」しか知らない人は、世界観の違いに驚かされることでしょう。

アルバム発売後、ワールドツアー「MAP OF THE SOUL TOUR」が４月１１日から予定されていましたが、新型コロナウイルスのパンデミックによりワールドツアーがキャンセルとなったのです。メンバーとファンの喪失感や無力感は測り知れないものでした。

そんな「コロナ禍で大変な時間を過ごしている世界中のファンに活力を届けたい」という心を込めて完成したのが「Dynamite」です。

リーダーのRMは、「新型コロナがなければ、ダイナマイトは存在していなかっただろうね。この曲に関しては、イージーに、シンプルに、ポジティブに行きたかったんだ。深いヴァイブスとか影とかじゃなく。とにかく気楽な感じで行きたかった」と語っています。

RMと共にBTSの多くの楽曲を手掛けるSUGAは「明るくて軽快なDISCO POPの曲。「幸せ」と「自信」というふたつのメッセージを込めました。まるで走りながら転んでしまったような気分になるこの頃ですよね。そういう人々に捧げる曲です」と語り、メンバー最年長のJINは「“Light it up”という歌詞があるのですが、この歌詞を聞いて元気を出して欲しいです。BTSが皆さんに聴いていただきたい歌です」と話しました。

音楽とダンスで自由と幸せを探そう

コロナ禍が引き起こした喪失感と無力感の「突破口」として、BTSは世界中のファンに届けるためにと、はじめての全編英語で歌うという挑戦にも挑みました。

自分たちで作詞作曲、プロデュースも手掛けるBTSの楽曲はメッセージ性が強いことでも知られています。自分たちが語る音楽で世界中の老若男女から共感を巻き起こすBTSが、音楽とダンスで自由と幸せを探そうという思いで完成した曲（作詞作曲はBTSメンバーではありませんが）。それが「Dynamite」から、「Butter」、「Permission to Dance」と続く英語トリロジー３部作のメッセージなのだと思います。