AERA Moneyで「かぶミニ」「かぶツミ」を学ぶ

AERA Moneyで「かぶミニ」「かぶツミ」を学ぶ

楽天マガジンでマネー系ムックが新たに配信されました。さっそくチェックしてみて参考になったのが「AERA Money 2023年秋冬号」。さすが朝日新聞社さんのマネー系雑誌なので、サービスのマイナス面もきちんと取材して原稿にしています(2023.12.5)  

〈PR〉

21万名の作家さんによる260万点の作品が集まる国内最大級のハンドメイドマーケット≪minne(ミンネ)≫

ステマに厳しい新聞社系雑誌

記事の内容に入る前に、ちょっとだけ「ステマ」について触れておきます。 

ステルスマーケティングーー略してステマとは「宣伝であることを隠して商品を勧めたり、口コミを発信する行為」で、23年10月から景品表示法で禁止されている「不当表示」に指定されました。 

消費者庁が禁止行為に指定したことは、裏を返せば、それだけステマが横行しているわけで、ネットやSNSはステマの温床と化しています。 

ステマに厳しいのは新聞で、記事風の広告を見かけることはありますが、必ず「広告」と明示されています。雑誌は新聞と比べて緩いと言われますが、新聞社系の雑誌は別だと言われています。週刊誌でステマをやれば必ず親会社の新聞社に批判が飛び火するからです。 

何が言いたいかというと、「AERA Money」は朝日新聞出版が発行母体ですが、親会社が朝日新聞社ですからステマ記事にうるさいはずで、書いてある内容は信用度が相対的に増すとみていいーーということを言いたいわけです。 

「かぶミニ」「かぶツミ」を取材

さて、そこできょう(12月5日)楽天マガジンで配信された「AERA Money 2023年秋冬号」です。わたしがいちばん興味深く読んだのは、「かぶミニ・かぶツミ解剖」です。AERA Money編集部が楽天証券に取材してまとめた記事です。 

こういう場合、雑誌によっては「これは〇〇証券がスポンサーの記事だな」と疑ってかかる必要があります。ステマを疑って、すこし割り引いて読まないと…という警戒心がわきます。 

でも、朝日新聞や朝日新聞出版の場合、楽天証券からお金を受け取っていたら、必ず「広告」と明示しなければなりません(そうでないと露見した場合のリスクが大きすぎるので、いくら経営が苦しくても、この一線は新聞社や新聞社系出版社は越えられないでしょう) 

ということで、記事を読んでみましょう。

上場企業の株を1株単位で買えるのが、証券会社の単元未満株取引サービスだ。主要ネット証券はSBI証券が「S株」、マネックス証券が「ワン株」、auカブコム証券が「プチ株」という名称。そこに、かぶミニが満を持して参戦したわけだ。かぶミニは、業界初のリアルタイム取引ができる点もウリだという。 

 手数料無料のSBI証券「S株」

でも、楽天証券の「かぶミニ」とSBI証券の「S株」を比べると、手数料では「S株」に軍配が上がります。 

わたしは単元株で買うようにしているので「かぶミニ」も「S株」も、今のところ視野の外にあります。でも、もし本格的にやろうと考えると、「かぶミニ」の手数料が気になるのは間違いありません。 

AERA Money編集部も当然そこを取材するわけで、記事はスプレッドと手数料にかなりの紙幅を割いています。 仕組みの部分は飛ばして、いくらぐらいの手数料になるか、肝の部分を引用します。 

仮に東証の前場寄り付きでの購入の場合、株価(前場寄り付きの始値)が1000円なら「1000円+(1000円×0.22%)=1003円」で購入することになる(1年未満は購入時が切り上げ、売却時は切り捨て)。この場合3円分がスプレッドであり、実質的なコストということになる。 

かぶミニの往復コストを具体的に計算すると、3000円の場合で14円、5000円で22円。この手数料を高いと感じるか、良心的と感じるか? 

うーん、AERA Moneyの記者さんは「良心的」なんて配慮する表現を使っているけど、自分ならいやだなあ。手数料は楽天証券ももうひとがんばりしないと……。 

【追記】楽天証券は12月12日に「かぶミニ」の寄付・引け取引の手数料を・スプレッドを無料にしましたので、別記事を書きました(2023.12.18)

「かぶツミ」は楽天証券のみ

記事は「かぶツミ」もくわしく書いています。こちらも手数料が載っていて、三菱UFJFGをかぶツミで毎月10株ずつ積み立てた場合、毎月25~31円のコストがかかる表が載っています。うーん。 

これだけマイナス情報も書いてあるなら「とてもステマとは思えない」と改めて思えた記事ですが、わたしなら、SBI証券には「かぶツミ」に相当するサービスがないことを指摘しただろうと思います。 

わたしが以前の記事で書いたとおり、「ここは配当もいいし成長も期待できる。でも、株価が高くて100株単位では手が出ない」といった銘柄をいくつかピックアップして毎週1株ずつ積立投資信託のように買い増していくーーといった「ほったらかし投資」スタイルができるのが「かぶツミ」の最大のメリットでしょう。資金にゆとりがない人や投資をはじめてすぐのビギナーにやさしいサービスと言えます。 

リアルタイム取引も便利

また、AERA Moneyの記事はさらりとしか触れていませんが、「かぶミニ」はリアルタイム取引ができますが、SBI証券の「S株」は現状ではできません。これもユーザー目線に立てば重要なポイントです。 

上記は連載「18歳の君へ」で使用したNTT株の買付注文する画面ですが、通常注文(「買い注文」「売り注文」)の右脇に「単元未満買い」「単元未満売り」のボタンがあります。

例えば、以前から欲しいと思っていた銘柄の株価が急落して、いま欲しいと思って「買い注文」を入れようと思った時、100株単位で買うだけの手元資金がなくても「単元未満買い」ができるUI(ユーザーインターフェイス)は大変便利だと思います。

こうやって比較してみると、 手数料ではSBI証券に軍配が上がりますが、使い勝手では楽天証券に軍配が上がるのではないでしょうか。 

AERA Moneyの記事は「かぶミニ」「かぶツミ」「S株」のメリット・デメリットを改めて理解でき、とても頭の整理につながりました。 

(いしばしわたる) 

〈PR〉

【AIRYST】温熱+EMSまるで空気な着け心地【エアリスト】