からだによかれと思ったのに…スポーツドリンクの落とし穴

からだによかれと思ったのに…スポーツドリンクの落とし穴

からだによかれと思ってしている習慣が、実はからだに悪いこと…というケースがあります。たとえばスポーツドリンク。常用していると血糖値スパイクを惹き起こしかねません(2024.4.23) 

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熱中症予防に毎日2本

実は、このテーマは以前にも書いているのですが、最近読んだ配信記事(体を労わってしたことが「糖尿病」の原因に!?…「肝臓脂肪」と「糖尿病」の切っても切り離せない関係とは【専門医が解説】)でも取り上げていたので、その記事をまず紹介しましょう。 

糖尿病を防ぐには、脂肪を落とすことが重要です。糖尿病の予備軍である境界型糖尿病に加え、脂肪肝と診断された広人さん(仮名)との会話を通して食習慣を見直しながら、落とすべき脂肪について見ていきましょう。尾形哲氏の著書『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術 予約の取れないスマート外来のメソッド』(KADOKAWA)より、実際のエピソードとともに糖尿病を発症しやすくする習慣について解説します。

体を労わってしたことが「糖尿病」の原因に!?…「肝臓脂肪」と「糖尿病」の切っても切り離せない関係とは【専門医が解説】

この記事に、患者の「広人さん」と尾形医師のやりとりが出てきます。少し長くなりますが引用します。

「ところで、毎日暑いですねぇ。さすがに、冷房なしでは寝られないですよね」
「はい。外回りが多いので、熱中症も心配で……」
「それは大変ですね。水分補給に何を飲んでいます?」
「かなり汗っかきなので、スポーツドリンクを毎日飲んでいます。塩分も含まれていて熱中症予防になると聞いています」
「ちなみにスポーツドリンクはどれくらい飲みますか?」
「500mlのペットボトルで2本は飲んでいますかね……」
「なるほど。広人さんは、コーヒーにシュガースティックを20本入れる人ですね」
「20本!? そんなに入れませんよ。コーヒーはブラックでも大丈夫です」

尾形医師はこう続けます。

「血糖値を上げるのは糖質を摂取したときですが、要は砂糖です。スポーツドリンク500mlには、糖質が30g以上含まれているものがあります。シュガースティックに換算すると10本分になります。だから、広人さんの場合は、1日で20本分です」

「しかも、飲料だと一気飲みをすることも多いし、血糖値にダイレクトに反映されやすい。血糖値スパイクの温床と言えます。きちんと食事がとれていれば、麦茶で十分なんですよ」

スポーツドリンクがからだによいものと思って常用すると、血糖値スパイクを惹き起こす一因になります。 

気をつけたい血糖値スパイク

血糖値スパイクは「食後高血糖」とも呼ばれ、ふだんの血糖値は正常でも、食事をした後に血糖値が急上昇してしまう現象です。EPARKくすりの窓口の「【医師解説】血糖値スパイクって?改善方法やおすすめ商品も紹介」という記事から引用します。

通常食後に血糖値が上がると、すい臓からインスリンが分泌されてゆるやかに血糖値が下がります。しかし血糖値スパイクで血糖値が急上昇した場合、血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌されます。

大量のインスリンにより血糖値が急降下した結果、下がりすぎて低血糖になってしまうことがあります。低血糖が起こると、脳のエネルギー源である糖分が足りなくなってしまい、眠気やだるさを感じるというしくみです。

血糖値スパイクは、食事などにより吸収されたブドウ糖が処理しきれないことで起こります。以下にあげるような習慣により、ブドウ糖を処理しきれない状態が引き起こされます。

  • 空腹時に大量の糖質を短時間で摂取する
  • 食べ過ぎ、飲み過ぎ、早食いの習慣がある
  • 過度なストレスや睡眠不足
  • 肥満
  • すい臓の機能低下
【医師解説】血糖値スパイクって?改善方法やおすすめ商品も紹介

運動などで汗をかいてスポーツドリンクをガブガブ…は、上記の「空腹時に大量の糖質を短時間で摂取する」に該当します。からだにいいどころか、血糖値スパイクを惹き起こし、糖尿病への道をまっしぐらです。 

清涼飲料水は角砂糖14個

以前の記事(水分補給はまさか清涼飲料水ですか? )で、清涼飲料水に角砂糖に換算して最大14個もの糖分が含まれることを書きました。該当部分を再掲しましょう。 

自動販売機で売っているロング缶(500ml)に角砂糖がどれだけ入っているでしょうか。ファンタ・オレンジが14.3個、コカ・コーラが14.1個、カルピスウォーターが13.7個…..。

コーヒーや紅茶を飲む時、角砂糖をいくつ入れますか? 多くてもせいぜい2個どまりではありませんか? それが14個も入れたらと思えば、どれほどの糖分を体内に入れることになるか、恐ろしくなりませんか。

表をよくみてください。いわゆる健康飲料も含まれています。 「野菜生活」など、いかにも健康に良さそうな飲み物に角砂糖3個以上の糖分が入っていると思うと、ぞっとしませんか。

牧田善二「医者が教える食事術」(ダイヤモンド社)より
水分補給はまさか清涼飲料水ですか?

酸味料と香料を混ぜると

その激甘な状態を感じさせない秘密も書いています。安部司氏の「食品の裏側」(東洋経済新報社)の引用部分を再掲します。 

「この色水は甘みをつけています。こう言ったジュースには少し前までは、砂糖で甘みをつけていたんですが、砂糖の甘味は重いから、子どもたちは嫌うんです。だからいまは『ブドウ糖果糖液糖』というのを使うようになってきています。これはさわやかな甘みだから子どもたちの好みなんです。でも、これを見てください。これだけの量を入れるんですよ」

そう言って先につくった緑水のコップの1割以上に、「ブドウ糖果糖液糖」を注ぐと、「えっ、そんなに?」という声が上がります。

これをひとりのお母さんに飲んでもらうと、「甘くてとても飲めない」という。

しかし、このシロップ液に、「酸味料」を3種類ほどと「レモン香料」を投入、再び同じお母さんに飲んでもらうと、「あっ、これなら飲めます。おいしい」と驚きの声。

ただのシロップ水のときには飲めないぐらいに糖分が入っているのに、「酸味料」と「香料」でごまかされると、おいしく飲めてしまうのです。

水分補給はまさか清涼飲料水ですか?

これから徐々に暑くなり、運動にもぴったりな快晴の日も増えてきそうです。 

でも、くれぐれもスポーツドリンクには気をつけて! 

水分補給は水かお茶(麦茶等)にしておきましょう。 

(さかきかずひこ) 

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