歯のケアはほんとうに大事です。以前の記事で歯周病菌のことを書きましたが、先日観たNHKの番組はとてもためになりました。なんと心理学のアフォーダンス理論や行動経済学のナッジ理論にまで言及していたのはびっくり。みなさんにも「オトナ歯みがき」を心掛けてもらえたら、と思って番組のあらすじを共有します(2023.9.18)
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NHKのトリセツショー
わたしが観た番組は、NHK総合の「あしたが変わるトリセツショー」です。
毎週木曜19:57放送で、9月14日放送の「オトナ仕様の歯みがき術★歯周病&虫歯シャットアウト!」です。
この番組は親切なことに過去放送分のエッセンスを「取扱説明書」(トリセツ)としてpdfファイルで公開していて、ダウンロードもできます。
さっそくダウンロードしてみてください。以下の内容は、ここに記載している内容に放送内容を補って書きます。
音を立てないで磨く
この番組は、童謡の「はみがきじょうずかな」の歌詞で、大人は変えないといけない部分があると指摘して、そのひとつが
グリグリ シャカシャカ
です。音をたてる磨き方は強すぎるため、毛先がつぶれて細かな場所に届かず、磨き残しが菌を増殖させてしまうそうです。
その菌の名前は「ポルフィロモナス・ジンバリス菌」(略称=P.g.菌)で、この菌が歯周病を発症させるため、P.g.菌を除去するには、音を立てずに静かに磨くことが大事、ということです。
習慣の壁を乗り越える
ただ、この番組は、静かに磨くことが継続しない原因として「習慣の壁」に着目します。
正しいと分かっていても
変えられないのが
習慣の壁
MCの市村正親さんはこのように強調します。そこで習慣の壁を乗り越える方法として取り上げたのが、以下の2つの方法です。
- 歯ブラシにテープを貼る
- 貼り紙をみながら歯みがき
前者はアフォーダンス理論という心理効果を応用して、テープを目印にして「端っこ持ち」ができるようになる、というもの。
番組では、歯科医が推奨する「ペングリップ持ち」もしくは「端っこ持ち」が、時間が経つと10人中3人しか継続しなかったのが、テープを貼るだけで10人中9人が継続したと報告していました。
後者は、「ほぼ無音」という文字と目玉のイラストの貼り紙を洗面所に貼っておくと、自然と静かな磨き方をするようになる、というもの。こちらも10人中6人が継続したそうです。
番組では何の理論であるか言及していませんでしたが、後者はナッジ理論ですね。
プロケアを受ける
番組ではほかにも、「はみがきじょうずかな」の歌詞で、
うえのは したのは
まえば おくば
だけでなく「歯と歯ぐきの間」も磨くこと、
しあげは おかあさん
ではなく、仕上げは歯科医でプロケア(プロフェッショナル・ケア)を受けること、「仕上げは歯医者さん」が大人の場合は正しい、と言っていました。
わたしも歯科検診は4か月に1度受けているので、この番組のとおり!と思いました。
番組をみて、わたしも無意識に磨き方が強くなっているなと反省しました。番組に出演していたタレントの大久保佳代子さんが、
いまの年齢で
見ておいてよかったよね
と感想を述べていました。 同感です。
いまからでも遅くありません。番組の取扱説明書をダウンロードして、きょうからオトナはみがきを心掛けてください。
(さかきかずひこ)