クレカ5大ニュースに見る「経済圏」の展望

クレカ5大ニュースに見る「経済圏」の展望

2023年も残り1日。ここ1週間ほどは23年を回顧する記事を多く目にしました。そんなひとつ「23年クレカ5大ニュース」から、いわゆる経済圏の展望を予測してみました(2023.12.31)

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23年話題のトピックス

その記事は価格.コム・マガジンが配信した「三井住友カード首位快走、Visaタッチ1億枚! 2023年クレカ5大ニュース」です(筆者は渡辺裕希子さん) 

100枚以上のクレジットカードを保有し、ポイント・カードのポータルサイト「ポイ探」を運営する菊地崇仁さんの解説とともに、2023年に話題になったクレジットカード関連のトピックスを振り返っていきます

この記事で選ばれた最初のトピックスが記事の見出しでもある、 

・〈1〉三井住友カードの止まらぬ快進撃 

です。「価格.com クレジットカード人気ランキング」で、一般カード、ゴールドカードとも首位の座をキープしたそうです。 

両カードはもともと、セブン‐イレブンやローソン、マクドナルドなどの対象店舗で使うと5%のポイント還元を受けられるのを大きな特徴にしていましたが、2023年7月から対象店舗の還元率を7%にアップさせました。 

(略) 

三井住友カードは対象店舗を、コンビニ大手3社とマクドナルドでスタートさせましたが(2022年12月からファミリーマートは対象外に)、対象店舗を飲食チェーンにも広げていき、現在は約20チェーンにまで拡大させています。 

やはり、わたしも以前の記事で紹介したとおり、還元率7%の対象店舗の拡大は大きなポイントとなっているようです。 

ただ、実際のユーザーとしての個人的意見を述べれば、ポイント還元の「見える化」はぜひ改善してほしい点です。 

貯めやすさと使いやすさ

5大ニュースの2番目は、

・〈2〉改悪の流れが続く楽天カード、それでも総発行枚数は3000万枚を突破 

でした。菊地崇仁さんのコメントは次のようなものです。 

楽天プレミアムカードの楽天市場での還元率ダウン(5%→3%)の影響は大きく、11,000円の年会費を負担してこのカードを保有するメリットは大幅に減ったと言えそうです。2021年ごろからたびたび行われてきた、楽天カード・楽天ポイントの制度改正の背景には、苦境が伝えられる楽天モバイルに経営資源を集中させたい、あるいはモバイルユーザーを増やしたい事情があると見られています。 

わたしも楽天プレミアムカードは解約したので、この指摘はまったく同感です。 

そのうえで記事は、 

ただいっぽうで、楽天カードの底力を感じさせる出来事もありました。それが、年の瀬も迫った12月中旬に飛び込んできた、楽天カードの発行枚数が3000万枚を突破したというニュース。2500万枚を突破したのが2021年12月なので、約2年間で500万枚を上乗せした形になり、発行枚数3300万枚(提携カード含む)の三井住友カードにも迫りつつあります。 

と紹介して、菊地さんがこうコメントしています。 

近年、改悪の要素が強い制度変更をたびたび行ってきたにもかかわらず、楽天カードが発行枚数3000万枚の大台に乗せることができたのは、ほかのポイント経済圏と比べてポイントの貯めやすさと使いやすさの面で、いまだ優位性を保っているからだと考えています。SNSではほかの経済圏への引っ越しを示唆する声を見かけますが、それが大きなトレンドになっているようには見えません。 

菊地さんは、改悪の影響が出てくるのは「これからかも」と留保もつけていますが、それでもコメントの通り、「貯めやすさ」と「使いやすさ」の優位性が楽天経済圏の魅力であるのは間違いありません。この点は、よその経済圏(特にVポイント経済圏)はぜひ見習ってほしいと思います。 

「楽天」「Vポイント」が優位か

以下、残り3つのトピックスは、 

  • 〈3〉タッチ決済の普及が加速、Visaは1億枚を突破 
  • 〈4〉新NISA開始に向けてクレカ積立サービスが話題に 
  • 〈5〉深刻化するクレジットカードの不正利用 

でした。〈3〉もVポイント経済圏の関連、〈4〉もSBI証券と楽天証券が「2強」ですから、Vポイント経済圏と楽天経済圏の優位性に関係するトピックスです。 

SBI証券の「全方位」姿勢

もっとも、SBI証券のほうは楽天以外の経済圏は「全方位」姿勢のようで、PayPayポイントとも連携したりしています。 

当社は、複数のポイントからお好きなポイントを選んで新規口座開設や各種取引等でポイントがたまる・つかえるマルチポイントサービスを提供しており、大変ご好評をいただいています。このたび、すでに提供している「Tポイント」「Vポイント」「Pontaポイント」「dポイント」「JALのマイル」に加えて、6,000万人以上の会員数を有する共通ポイントサービスである「PayPayポイント」をメインポイントに追加しました。メインポイント設定画面で「PayPayポイント」を選択することで、取引実績等に応じて「PayPayポイント」をためることが可能となります。 

SBI証券のポイントサービス 「PayPayポイント」追加のお知らせ 

三井住友フィナンシャルグループの「Olive」がSBI証券との連携を前面に打ち出しているのとは対照的に、SBI証券側の「全方位」姿勢が浮かび上がるプレスリリースですが、それでも「経済圏」争いに証券会社が果たす役割が重要なポイントとなってきているのは間違いないようです。 

24年1月スタートの新NISAでますます「2強」状態が鮮明になってきている以上、楽天経済圏の優位性は変わらず、SBI証券と「Olive」を通じて連携するVポイント経済圏がこれを追う展開は変わらないように予想します。 

競争こそサービス向上の源泉ーー。わたしは強くそう信じているので、24年も、他の経済圏を含めてサービス競争にいっそう精を出してほしいと思います。 

(いしばしわたる) 

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