どちらに軍配? マネー系雑誌で「楽天」VS「SBI」を比較する

どちらに軍配? マネー系雑誌で「楽天」VS「SBI」を比較する

きょう(12月5日)は楽天マガジンでマネー系ムックが相次ぎ配信されました。先ほど「AERA Money 2023年秋冬号」の記事を取り上げましたが、ほかにも興味深い記事がありました。ネット証券の2強ーー楽天証券SBI証券の比較記事を読み比べてみました(2023.12.5)  

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電卓戦争みたいな2社の競争

楽天証券とSBI証券がネット証券の2強であるのは衆目の一致するところでしょう。 

NISAの新規ユーザー獲得のためサービス競争も両者が牽引していると言ってよく、気づいてみたら他の証券会社は置いてけぼり状態で、楽天証券とSBI証券の2択以外に選択肢はないーーと言っても過言ではない状況です。 

この状況を岡目八目で眺めていると、カシオとシャープの「電卓戦争」が思い起こされます。 

昭和三十九年、シャープの若い技術者たちが生んだ「電卓一号機」に一撃されて、骨までえぐられたカシオは、その後、ようやく「シャープ・ショック」の沼地からはい上がり、今度は逆にシャープを一撃する機会をひそかにうかがっていたのである。電卓史上に名をとどめることになった「答え一発、カシオミニ」のあの強烈な「カシオ・ショック」が、やがて業界の頭上に雨よ嵐……と降ってくる。 

内橋克人「新版 匠の時代1」(講談社文庫)より 

カシオとシャープはお互いに少しでも「軽く」「薄く」「安く」「高性能」と競い合った結果、最後はワイシャツのポケットに入るサイズまでになり、「メイド・イン・ジャパン」恐るべし…と世界に日本の技術力を知らしめる商品となりました。 

カシオもシャープもライバルのことしか見ていなくて、でも気づいたら国内の他社も世界の同業者もはるか後塵にーーという姿と重ね合わせたら、楽天証券とSBI証券を持ち上げすぎでしょうか。 

とはいえ、こうやって両者がしのぎを削り合うのは、ユーザーにとっては大変ありがたいこと。これからも頑張ってほしいものだと思います。 

ムック3誌はどちらに軍配?

マネー系ムックも、当然、新NISAの特集をしているので、楽天証券とSBI証券に触れる記事が掲載されています。 

きょう(12月5日)配信された3冊のムックが楽天証券とSBI証券をどう評価し、どちらに軍配をあげているかーー。それが今回の記事の趣旨です。 

「年間50万円得する最新最強の税金対策」
「会社も役所も教えてくれない老後資金の知識 定年後のお金で損しない方法」
「AERA Money 2023年秋冬号」

1冊目は「年間50万円得する最新最強の税金対策」(晋遊舎刊)です。 

ネット証券と店舗証券、銀行・郵便局を比較して「金融機関選びは迷う必要ナシ! NISAの運用はネット証券一択」と断じています。まあ、当然ですが。 

そして肝心の「楽天」VS「SBI」はというと、 

ネット証券にもさまざまあるが、なかでも取り扱い商品が多い「楽天証券」か「SBI証券」がおすすめ。とくに楽天証券はスクリーニング機能や保有商品の確認画面がわかりやすく、アプリも使いやすい。楽天カードで支払えば楽天ポイントが貯まるほか、貯まったポイントを投資に使える。 

「年間50万円得する最新最強の税金対策」より

と書いてあり、目立つ見出しで「迷ったら楽天証券でOK」とあります。 

2冊目は「会社も役所も教えてくれない老後資金の知識 定年後のお金で損しない方法」(晋遊舎刊)です。 

SBI証券、楽天証券、マネックス証券の比較表を載せて「3大ネット証券は手数料・商品数とも◎」の見出し。そのうえで「選ぶポイントは3つ」という図を載せています。 

「会社も役所も教えてくれない老後資金の知識 定年後のお金で損しない方法」より

こちらはマネックス証券を含めてニュートラルに書こうと努めていることがよくわかります。 

3誌ともUIを重視している

では、3冊目「AERA Money 2023年秋冬号」はどうでしょうか。先ほど「かぶミニ・かぶツミ解剖」の記事の紹介(AERA Moneyで「かぶミニ」「かぶツミ」を学ぶ)でも書いたとおり、ステマにいちばんうるさい分、公平な書きぶりが期待されるので、どちらに軍配をあげているか気になります。 

表紙にも「第3特集」がまさにこのテーマで、「新NISAの金融機関選び SBI証券VS楽天証券+3社」です。 

NISAは、年ごとに金融機関を変更できる。ただ、変更前の金融機関で買い付けたNISAの金融資産は、新しい金融機関に「持っていけない」。老後に取り崩す際に、投資信託や株式がいろいろなところに散らばっていたら不便だし、資産運用は一つの場所で管理したほうがいい。本誌のおすすめは主要ネット証券5社だ。人気のSBI証券、楽天証券をメインにマネックス証券、auカブコム証券、松井証券のサービスを細かく比較してみよう。 

という特集ですが、SBI証券と楽天証券はそれほど違いがなく、他の3社の見劣りが目立つ結果になっています(松井証券のみ新NISA口座の開設は郵送、他社への移管手数料でauカブコム証券が他社より高いetc) 

SBI証券と楽天証券に絞って比較したのは、わかりやすさとつかいやすさでした。 

新NISAとは長い付き合いになる。取引ツールの使いやすさ、情報のわかりやすさは、ある意味コストやポイント率より大事だ。 

(略) 

主要ネット証券5社のサイトで、NISAのコーナーなどを見比べてみよう。自分にとって理解しやすく、操作もしやすかったところが相性のいいネット証券だ。 

(略) 

SBI証券はシンプルで数字が見やすい楽天証券はグラフを多用し、直感的にもわかる仕掛け。あなたのお好みは? 

さすが、朝日新聞社さん。最後まで読んでもニュートラルにこだわっていました。 

でも、3冊のムックに共通するのはUI(ユーザーインターフェイス)のわかりやすさ・使いやすさですね。 

「AERA Money 2023年秋冬号」より

上記が「AERA Money 2023年秋冬号」に掲載されている図です。 

こればかりは好みになってくるので、AERA Money編集部さんの言うとおり、実際にいじってみて選ぶのがイチバンかもしれませんね。 

(いしばしわたる) 

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