新NISAは「損切り」のチャンス

新NISAは「損切り」のチャンス

きのうの記事(損益通算の仕組みを賢く使おう)で損益通算の仕組みを紹介するとともに、わたし個人の資産運用の方法として「24年1月からスタートする新NISAに合わせて、計画的に『損切り』しようと思っている」と書きました。きょうはその理由を説明します(2023.11.3)  

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NISAの特徴を生かす

まず、新NISAのポイントのおさらいです。

新NISAは、つみたて投資枠が年間120万円を上限に積立投資信託を行える。成長投資枠が年間240万円を上限に国内株や投資信託、ETF、J-REAT等の買い付けができる。NISA口座内の金融商品の売却益(譲渡所得)や配当金(配当所得)はすべて非課税となる 

新NISAの生涯上限は1800万円。したがって毎年360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)ずつ金融商品を購入して5年で上限を使い切り、そのまま長期保有すれば配当所得は課税されずに全額所得となる 

すでに特定口座で国内株やETF、J-REAT等を保有している人は、配当金や分配金はつねに課税分(20,315%)を源泉徴収されています。ですので、特定口座で保有する1800万円分の金融商品をNISA口座に移せば、それだけで利益は20%も増えることになります。 

ということは、配当利回りの高い銘柄から順番に、今後5年間、毎年1~3月中(3月末が権利確定の銘柄が多いため)に特定口座からNISA口座に移すことがベストの選択ーーと、わたしは考えているわけです。 

”移管”対象の高配当株

ただし、特定口座からNISA口座に商品を移管する仕組みが用意されているわけではありません。いちいち特定口座で売却し、NISA口座で買い付けるーーという”私的移管”とも呼べる作業をする必要があるのです。

そのため、特定口座で評価益が出ている銘柄だと、売却益が発生することになります。 

わたしは配当利回りの高い大型株から「特定口座で売却~NISA口座で購入」をしていくつもりです。

具体的な銘柄(数字は証券コード)と予想配当利回り(11月2日現在)、株価(11月2日終値)を記すと、配当利回り順に、 

  1. JT(2914) 5.14% 3660円 
  2. ソフトバンク(9434) 5.06% 1701円  
  3. SOMPOホールディングス(8630) 4.55% 6597円 
  4. 武田薬品工業(4502) 4.53% 4150円 
  5. MS&AD(8725) 4.25% 5653円 

あたりが対象となってきます。

同じ作業は妻名義でも行います。妻名義だと、 

  1. ソフトバンク(9434) 5.06% 1701円 
  2. 日本製鉄(5401) 4.68% 3202円 
  3. SOMPOホールディングス(8630) 4.55% 6597円 
  4. コマツ(6301) 4.06% 3549円 
  5. 積水ハウス(1928) 3.98% 2963円 

あたりが対象です。

あるいは、配当太郎さんの推奨15銘柄を対象にするなら、 

  1. JT(1914) 5.14% 3660円 
  2. ソフトバンク(9434) 5.06% 1701円 
  3. 積水ハウス(1928) 3.98% 2963円 
  4. ENEOSホールディングス(5020) 3.89% 566円 
  5. キヤノン(7751) 3.85% 3638円 

にするかもしれません(わたしか妻名義で15銘柄すべて保有しています) 

もっとも株価は動きますから、これはあくまで11月3日時点の話です。

年明け1月時点の配当利回りで上から順番に「特定口座で売却~NISA口座で購入」していくつもりなので、実際の”移管”銘柄は多少入れ替わることはご承知おきください。 

損切りで売却益と相殺

ところが、これにより結構な金額の評価益が出てしまうのです。

というのも、上記の銘柄はすべて昨年以前、つまり株価が2万7000円前後でウロウロしていた時に購入したものばかりのためです。たんに自分のNISA口座に移管するだけなのに…。 

しかも、その評価益の総額が馬鹿になりません。 

配当太郎さんの推奨15銘柄で言えば、銀行株や商社株は軒並み上昇。しかも優良銘柄ばかりなので、NTTは6000株、三菱UFJとENEOSは妻名義を含めて2000株という具合に保有株数も多いため、15銘柄で合計すると300万円近い評価益となっています。 

贅沢な悩みと言うかもしれませんが、さすがに、ここから2割(300万円なら60万円)も税金に持って行かれるのはあまりに痛い! 

そのように考えて、それならNISA口座で買い付けを行う資金捻出の方法として、配当利回りの低い順に「損切り」を行って、利回りの高い銘柄の売却で生じる評価益と相殺してしまおう! 

と考えたというわけです。 

24年と25年は評価損の状態にして、26年で評価益を多めにすることもよいでしょうし、毎年きっちりと評価益と評価損を相殺するのでもかまいません(証券口座が1つだけで、毎年評価益を少し残す形なら、確定申告も不要です)

来年1月までに方針を決めて、1月早々から着手しようと思って、現在は自分と妻の保有している銘柄から、利回りの低い銘柄(株主優待目当ての銘柄は除く)のあぶり出しをしているところです。 

みなさんも新NISAのスタートで「あれを買いたいな」「これを積み立てたいな」と思案をはじめているところでしょう。

スタートまで2か月を切り、さらに検討を重ねていくところでしょうから、わたしの方法も参考にして頂けたら幸いです。 

(いしばしわたる) 

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