もうひとつの大学生必携の書「業界地図」

もうひとつの大学生必携の書「業界地図」

大学生はもうすぐ秋学期が始まります。1年生ならサークルの夏合宿も終えて、大学生活にもなじんだところでしょうか。2年生はキャンパスライフを謳歌している真っ最中でしょう。でも、3年の夏には就活を兼ねたインターンシップも始まるところが多いので、やはり早いうちから就活は意識しておいて損はありません。そんな1・2年生に必携の書が、以前紹介した「就職四季報」(東洋経済新報社)と、きょう紹介する「業界地図」(東洋経済新報社)です(2023.9.4)

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ニュースで学ぶ、生きた英語。「The Japan Times Alpha」

最新版が発売されたばかり 

「業界地図」は毎年8月下旬に最新版が発行されます。 

ちょうど発売されたばかりの2024年版をひらくと、「これだけは押さえておこう『業界地図』のキーワード」という恒例の見開きページがあります(ここはとても大事です。各段階利益のことなどが書いてありますが、経済学や経営学専攻の大学生以外は、営業利益と経常利益の違いも答えられないはず) 

2024年版「業界地図」
2024年版「業界地図」

「沈む業界」は避けたい 

その次は、毎年趣向を凝らす巻頭特集のページで、24年版は「ニッポンの縮図」というタイトル。見出しは 、

市場縮小と担い手不足のダブルパンチ 

人口減少で浮かぶ業界、沈む業界 

就活生にとって、自分の進む進路が「沈む業界」というのは一般的には避けたいところ。「それでも自分はこういう業界で働きたい!」という気持ちも大事なので、あくまで「一般的には」と付けましたが、自分が進む進路選びの第一歩は業界選びであることは間違いありません。 

注目業界筆頭はAI 

巻頭特集に続いて「注目業界」にページを割いています。24年版は、 

  1. AI 
  2. Web3 
  3. 万博・統合型リゾート(IR) 
  4. GAFAM 
  5. コンサルティング 
  6. DX 
  7. リスキリング 

など20項目が並び、続いて「自動車」以下、160以上の業界動向が個別企業名入りで掲載されています。 

「業界」抜きに就活は語れない 

以前の記事でも紹介した「『就職四季報』パーフェクト活用術」(東洋経済新報社)は、「「業界」抜きに就活は語れない」という見出しをつけて、このように書いています。

就職四季報の読者が会社を選ぶにあたって、もっとも重視しているのが「業界」だ。 

先輩たちの話を聞いても、「自分は金融よりもメーカー向きだ」とか「生保中心に回った」など、業界なくして就活は語れないことがわかる。 

(略) 

ざっくりいえば、同じような商売をしている会社の集まりが業界だ。 

たとえば、「メガバンク」や「鉄道」といった業界なら、どんな会社があるかぐらいはわかるだろう。 

一方で特に新しいビジネスでは、これから伸びそうな「テーマ」をめがけ、いろんな会社がいろんなビジネスモデルをかかげて集まってくる。 

この「テーマ」ごとに深掘りしたのが、24年版は20項目が並ぶ「注目業界」というわけです。 

続いて「業界地図」の具体的な見方が説明してあり、最後にこう結んでいます。 

それまで知らなかった会社をみつけたり、新たな会社の側面を発見したり、会社をしぼりこんだりする、それが業界地図の活用法だ。 

「業界地図」を手掛かりに、そこに出てきた企業を「就職四季報」(東洋経済新報社)で確認するーーというふうに、この2冊を辞書のように使い倒すといいでしょう。 

「内定採れた」先輩の助言 

なお、「パーフェクト活用術」には、「『就職四季報で内定採れた!!』先輩が教えるバッチリ活用法」という座談会が載っています。

大貫さん 四季報使って一番よかったことはなんだろう。自分はやっぱり業界研究が幅広く深くできたってことだね。 

亮太さん そうだね。業界地図はいろんな業界の概要をつかめるけど、載ってる企業は上から3社とか、多くて10社ぐらいじゃん。それが就職四季報なら1業種で何十社と載ってる。 

(略) 

一樹さん 学生はどうしてもテレビでみた会社とかしか知らない。だからそこは競争率がむちゃくちゃ高くなる。安易にそんな会社ばかり受けるのは就活自体の失敗につながる。 

巻末に「『就職四季報』先輩が教える使い方十箇条」というのが載っていて、その1箇条目が 

まずはザッピングに使え 

というものです。「業界地図」と「就職四季報」を手掛かりに、まずはザッピングしてみてください。 

(いしばしわたる) 

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