証券口座はネット証券一択:「楽天」「SBI」の2強を選ぶ基準は

証券口座はネット証券一択:「楽天」「SBI」の2強を選ぶ基準は

前回記事(NISAとiDeCoについて知ろう)でNISA口座がいかにメリットが大きいかについて書きました。NISA口座はどこかひとつだけ金融機関を選ぶ必要があります。わたしがおすすめする証券口座は「楽天証券」と「SBI証券」です。きょうはその理由を説明します(2023.7.20)

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営業トークのないネット証券が便利

証券会社はあまたあります。一番有名なのは野村證券、次いで大和証券といったところでしょう。街中にいけば看板も目に入ります。 

でも、「投資商品は利回りと手数料に着目しよう」で書いたとおり、高利回りをうたいながら、手数料もがっぽり頂く、などという金融商品もありますから、初心者の場合、自分で資産運用の入門書をいくつか読んで勉強しつつ、少額で試しながら自分なりの勘所を養っていく、というのが正しいやり方です。だとすれば、営業トークに煩わされないで済むネット証券に口座を開設するべきです。 

NISAのおすすめの金融機関は?

では、ネット証券の中で、どこを選ぶべきでしょう。 

それぞれ特徴がありますが、扱っている金融商品の多さや手数料の安さ、ポイント付与などの特典などを総合評価するなら、楽天証券とSBI証券にほぼ絞られるでしょう。 

頼藤太希氏と高山一恵氏の「1日1分読むだけで身につくお金大全100」(自由国民社)は、「NISAのおすすめの金融機関は?」という一節で、3つのネット証券を挙げています。

こうやって比較してみると、商品数や手数料では大きな差はつきにくく、そのため、それぞれポイントの付与でメリットをうたっていることがわかります。

ポイント経済圏が判断の分かれ目

ここからは、みなさんがふだん利用している「ポイント経済圏」が判断の分かれ目となってきます。 

前掲のネット証券の比較表をみてもわかるとおり、ドコモユーザーならdポイントの付与を選択できるSBI証券が有利になるでしょう。楽天市場でよく買い物をして楽天経済圏でポイ活に励んでいるなら、楽天証券が圧倒的に有利になります。 

SBI証券のホームページ
楽天証券のホームページ

ちなみに、わたしの場合、楽天証券をメーン口座にしつつ、SBI証券にも口座を持っています。NISA口座やiDeCoは楽天証券です。 

「経済圏」は証券会社が決め手か

わたしは、これからの「経済圏」争いは、証券会社の優劣が最重要となるのではないかと考えています。 

政府が推奨する「貯蓄から投資へ」の流れはいっそう推進されるでしょうから、2024年からスタートする新NISA口座のように、今後もますます利便性の改善が図られていくだろうと思います。 

そう考えると、ネット証券の”2トップ”であるSBI証券と楽天証券を軸に据えて、自身の「経済圏」づくりを考えていけばいいと思うのです。 

「楽天経済圏」以外では、ドコモユーザーなら「dポイント経済圏」、auユーザーなら「au経済圏」がポイントが貯まりやすく、キャッシュレス決済でトップを走るPayPayを中心とした「PayPay経済圏」も有力な経済圏を形成していると言えましょう。特にPayPay経済圏は、楽天経済圏への対抗心を燃やして、盛んに高ポイント還元の施策を打っているように見えます。 

PayPay証券 新NISAから

しかし、PayPay証券はNISAに非対応です。系列のPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)でNISAは開設できるとはいえ、SBI証券や楽天証券と比べると、取り扱い商品数などで見劣りします。 

【追記】PayPay証券は、24年1月からの新NISAは対応するべく準備中であるとプレスリリースしています。取り扱い商品数や手数料がSBI証券や楽天証券並みかどうかがポイントになります(2023.8.16)

【追記】PayPay証券は23年8月のプレスリリース通り新NISAに対応し、24年に入って口座数を大きく伸ばしています。伸長具合は別記事にしました(2024.4.5)

むしろ、最近活発に宣伝している「Vポイント経済圏」が、SBI証券との相性が非常によく、経済圏として台頭してくるかもしれません(わたしもVポイント経済圏を楽天経済圏に次ぐポイ活の場として使い始めています) 

ただ、Vポイント経済圏は、個人的に利用を始めての感想で言えば、楽天経済圏にはまだ遠く及ばないように思います。 

経済圏では楽天に軍配

それは、以前の記事(ポイ活するなら楽天経済圏の住人になろう)で紹介したように、楽天の強みは「スーパーポイントアッププログラム」(SPU)にあります。Vポイント経済圏には、SPUに相当する使い勝手のよい仕組みがありません。 

例えば、Vポイント経済圏では、三井住友カードでVポイントを賢く貯める方法として「100万円修行」という言い方がよくされます。 

年会費無料の通常のカードは、ポイント還元率が低く設定されています。これに対しゴールドカードの場合、年会費5500円が100万円のカード利用で翌年の年会費無料となるので、毎年100万円以上使えば永年無料になる、という考え方です(くわしくは三井住友カードのカード活用術の記事をご覧ください)

しかし、楽天カードは、年会費無料の楽天カードでもSPUがあるため十分にポイントが貯まります。また、楽天プレミアムカード(年会費11000円)は、ポイント還元率がさらに高まることから、年間37万円以上の買い物をすると元が取れる計算です(「楽天プレミアムカード」と「損益分岐点」で検索すれば多くの記事がヒットします) 

【追記】楽天プレミアムカードはポイントアッププログラムが改悪されました。わたしも解約して、すでに年会費無料の楽天カードに切り替えています。くわしくはこちらの記事をごらんください(2024.1.18)

しかも、これも以前の記事(ふるさと納税はしていますか)で紹介したとおり、楽天経済圏の場合、楽天市場内の「楽天ふるさと納税」が使えます。37万円の買い物も、ふるさと納税を利用すれば、達成は十分可能です。 

わたしの場合、ふるさと納税のほか、楽天ブックスや楽天koboで書籍をよく購入しますし、離れたところに住む老親に「楽天西友ネットスーパー」で仕送り代わりに食料品を買っているので、年間37万円は軽く突破します。 

Vポイント経済圏のアキレス腱

Vポイント経済圏は、楽天市場に相当するネット通販サイトや、「楽天ふるさと納税」に相当するふるさと納税サイトがないのが、今のところアキレス腱です。 

とはいえ、VポイントはPayPay陣営同様、楽天経済圏への対抗心からポイントの大盤振る舞いを継続しているので、今後に期待するところ大です。楽天SPUのような使い勝手のよいポイント加算の仕組みを設けたり、ほかのふるさと納税サイトと連携したりすれば、楽天経済圏と並ぶ有力な経済圏に育つ可能性があるでしょう。 

そのように考えると、この際、楽天証券とSBI証券のどちらも証券口座を開設して、積立投資信託を少額で試しながら、自分に合った証券口座を吟味してはどうでしょうか。口座を開設するだけなら費用はかかりません。 

新NISAがはじまるのは2024年から。いまは準備期間だと思って、楽天証券とSBI証券で「特定口座(源泉徴収あり)」を開設して、投資信託の積み立て設定をしたらよいでしょう。 

何事にも言えることですが、「習うより慣れろ」ですから。 

(いしばしわたる) 

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