高配当株投資の基本がよくわかります

高配当株投資の基本がよくわかります

楽天マガジンで配信されたムックがとてもわかりやすかったので紹介します。「配当力」(はいとうりき)という聞き慣れない言葉ですが、要はこれまで書いてきた高配当株投資のことです(2024.1.29) 

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長期株式投資氏が監修

きょう(1月29日)配信されたムックは「誰もが金持ち!資産形成の王道 株式&投信 究極の配当力」(大洋図書刊)です。「配当力」と書いて、わざわざ「ハイトウリキ」とカタカナでルビを振っていますが、あまり人口に膾炙した言い方ではないですよね?  

奥付を見ると、2024年1月10日発行とあるので、紙の雑誌でも最新刊の部類です。なお、監修は、配当株投資のページが「長期株式投資」氏、インデックス投資のページが著書も多い頼藤太希氏です。 

最初のページから前文部分を引用します。 

表題に「誰もが資産形成」としていますが、これは嘘ではありません。株式投資の中でもっともシンプルで再現性が高いのが、配当再投資という投資法です。いったんこの手法を選べば、あまり深く考えずに株を買い増していくうちに、かなりの確度で資産が形成されます。 

と書いてあり、文中で、 

少し前まで株式初級者の認識では、株は値上がり益を追求するものだと考えられていました。それが最近は、配当や優待、そして配当の再投資に注目が集まってきました。 

(略) 

配当再投資という考え方は、複利にイメージが似ています。現実には株価は動いており、単純な算術平均では正確を期せないものの、利子(配当)が元本に回るのは同じなので、配当再投資を複利になぞらえるとわかりやすいでしょう。 

これはとてもよくわかります。わたしも以前の記事で似たようなことを書いています。 いわゆる「ほったらかし投資」(全世界株や米国株(S&P500)などのインデックス型投信による積立投資信託)で基本原則とされる「長期・積立・分散」のうち、「長期」と「分散」を援用して配当利回りの高い国内株を購入するーーというものです。

また、配当株投資の推奨で有名な「配当太郎」氏の著書も以前の記事で取り上げています。 

監修者の長期株式投資氏は「オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資 ど素人サラリーマンが元手5万円スタートでできた!」(KADOKAWA刊)などのベストセラーがある人気投資家です。 

ですから、このムックは自分も似たような手法で資産運用しているため、安心して読むことができましたが、考え方がとてもわかりやすく整理されていました。 

5つの基本原則に整理

「配当再投資の基本」と題したページに、5つの基本原則が載っています。 

  1. 配当利回りに注目する 
  2. 安定した銘柄を基本に選ぶ 
  3. 長期保有での資産形成を目論む 
  4. 銘柄の分散と時間の分散を心がける 
  5. 他の投資法と同様、株価が安い時に買う

まさにこの通りだと思います。1の配当利回りにばかり目がいってしまうと「株価が下落して利回りが高くなっている銘柄」もまざってきます。新NISAの成長投資枠は損益通算ができないため、2の「安定した銘柄」の視点も併せ持つ必要があるとわたしも思います。大事なポイントなので、本文と図表も紹介します。 

安定した銘柄を基本に選ぶ 

「ディフェンシブ株」とは、景気に左右されない銘柄のことで、基本的な生活必需品やサービスを提供する企業が多く、食品、医薬品、公共事業などがこれに当たります。常に安定した需要があるため、景気の変動に比較的影響を受けにくいという特徴があります。 

一方、「景気敏感株」は経済の好況や成長期に高いパフォーマンスを示します。非鉄金属、石油、貿易関係などが多く、景気の好況期には好調な業績を示し、逆に景気の悪化時には影響を受けやすい傾向を持ちます。高いリターンの可能性を秘めているとともに、リスクも高いのが特徴です。 

違うページには「産業セクターをバラす」という項目も出てきます。 4の銘柄の分散の際、業種をばらけさせてディフェンシブ株と景気敏感株をバランスよく組み込むことが大切ということでしょう。

5は「株を安い時に買い、高い時には買いを控えるのは投資の鉄則」と書いていますが、わたしも常に心がけているポイントです。 

わたしは、ふだんは3か月チャートの最安値と最高値の平均値をとって、それよりも下回っていれば買うスタイルを基本にしています。どんなに「欲しい!」と思った銘柄でも、そのときは1週間チャート図の最安値をみて、それを下回るか、近づくかしない限り我慢するようにしています。 

暴落を予測して対処

もうひとつ、このムックで参考になったのが「暴落を予測して対処する」という項目です。 

21世紀の株式市場最悪の暴落は、100年に一度といわれるリーマンショックでしょう。また、直近のコロナショックも10年に一度は起こり得る暴落として認識されています。 

生活必需品関連銘柄、いわゆるディフェンシブ銘柄は暴落時にも下落率が低い傾向にあります。反面、金融やリース建設機器などは高い下落率でした。しかしこれらの銘柄は上昇局面に入った際、上昇率も高くなりがちです。そのため、下落率が高く、かつ安定感のある企業を狙って、暴落時に買い増しすることも有効な戦略です。将来の上昇局面でリターンを最大化することができます。 

わたしはコロナ暴落時にちょうど国内株の購入を本格化させたため(例えば、オリエンタルランド株はコロナで緊急事態宣言が最初に出たころに夫婦100株ずつ購入しました)、その後の回復で資産を増やすことができました。でも裏を返せば暴落時の下落を肌感覚で知らないため、こういう記述は参考になります。 

なお、次のようなくだりも出てきます。 

21世紀における主な暴落時の下落率と最安値を見てみましょう。例えば、2000年のITバブル崩壊では3年をかけ、株価が約64%下落しました。これを踏まえると、株価の急落は短期間で収束するものではなく、一定の期間をかけて進行することがわかります。(略)逆に言えば、3年程度の期間を考慮して行動することができれば、暴落にも冷静に対処できるのでしょう。 

ここは、ちょっとだけ違和感があります。というのは、ITバブルの崩壊だけで株価が暴落したのではないと思うからです。 

表にある日経平均株価が最安値(7603円)となった2002年4月は、小泉内閣で金融大臣に就任した竹中平蔵氏が「金融再生プログラム」を主導した頃です。主要行の不良債権処理に大ナタを振るい、それによる不安感が増幅した時期(当時の週刊誌で「小泉経済恐慌」という見出しを見たほど)ですから、ITバブルの崩壊で3年もかかったわけではないように思います。 

そういう目で表を見直すと、いちばん下落期間が長いのはリーマンショックの15か月間です。 

なるほど、どんなに暴落を経験しても1年ちょっとで回復するという肌感覚を持っていれば大丈夫だな。

というふうに、自分はこの部分は読みかえました。やはり資産運用を始めてから一度も暴落を経験していないだけに、こういうムックを読みながら「頭の体操」をすることは有益ではないかと思っています。 

長期株式投資氏の60傑

このムックには、長期株式投資氏が選んだ 

  • 鉄板銘柄20傑 
  • 連続増配銘柄20傑 
  • 非減配銘柄20傑 

が掲載されています。名だたる高配当銘柄ばかりで、わたしも「鉄板」は15銘柄、「連続増配」は9銘柄、「非減配」が9銘柄を保有しています。 

ちなみに、わたしが妻名義を合わせて新NISAの成長投資枠で購入した個別銘柄(REIT、ETFを除く)を照らし合わせたところ、10銘柄中、7銘柄が60傑に入っていました(「鉄板」が6銘柄、「連続増配」が1銘柄) 

保有10銘柄のうち、ゴシックがその7銘柄です(ムックの記載順) 

  • 伊藤忠商事 
  • 三菱商事 
  • 三菱UFJFG 
  • 三井住友FG 
  • オリックス 
  • 東京海上HD 
  • 三菱HCキャピタル
  • 三井住友トラストHD
  • みずほFG
  • りそなHD 

わたしが成長投資枠で購入した個別銘柄はこちらをごらんください
NISA成長投資枠を埋め終えました(1月27日更新)

銘柄選びが間違っていなかった…と「長期株式投資」氏からお墨付きをもらったようで、ちょっと嬉しかったです。 

頼藤太希氏が監修したインデックス投信の部分は日を改めて書きたいと思います。 

(いしばしわたる) 

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