新NISAのうち、年間240万円が上限の成長投資枠について、わたしと妻名義で合計480万円の枠を使い切りました。あとは放っておくだけです。連日の株高で銘柄選びに苦労して、当初予定していなかった中型株やREIT、ETFまで物色しました。これまでのプロセスを共有します(2024.1.18)
【追記】本記事は1月18日配信したものですが、その後にETFをひとつ追加したことに加え、1月27日の日本経済新聞朝刊にネット証券5社の新NISAでの買付ランキングが掲載されていたので、この内容も加味して加筆しました(2024.1.27)
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どのような銘柄で枠を埋めたのかはのちほど明らかにしますが、そこまでの思考プロセスが大事だと思うので、わたしの当初方針と思考の変遷を書きます。
「新NISAへの移管 注意するポイントは?」(23年12月7日配信)で、わたしは次のように書きました。
- 新NISAは損益通算ができないため、値下がりリスクのある銘柄は何としても避けたい
- 配当利回りだけで判断するのではなく、企業の成長性・安定性も加味して銘柄を選びたい
と考えているからです。
例えば、以前に「かぶツミ」を試しにやってみた際に選んだ5銘柄、これを【Aグループ】とします。銘柄(証券コード)と予想配当利回り(12月7日現在)は以下のとおりです。
【Aグループ】
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) 3.31%
- 三井住友フィナンシャルグループ(8316) 3.77%
- 三菱商事(8058) 3.07%
- 伊藤忠商事(8001) 2.76%
- 東京海上ホールディングス(8766) 3.23%
いずれも大型株ですが、私が保有する同じ大型株でも配当利回りだけに着目したら、下記【Bグループ】の5銘柄のセレクトになります。
【Bグループ】
- JT(2914) 4.91%
- ソフトバンク(9434) 4.74%
- 武田薬品工業(4502) 4.58%
- 日本製鉄(5401) 4.41%
- SOMPOホールディングス(8630) 4.22%
でも、それぞれ10年チャート図で比較してみると、後者はソフトバンクとSOMPOホールディングス以外の3銘柄はデコボコしています。つまり購入価格より下げる可能性が他の銘柄より高いということです。
まだ【Aグループ】の5銘柄と決めたわけではないですし、きっと【Bグループ】の5銘柄からもNISA口座で買い増しを行うことになると思いますが、わたしが言いたいのは「配当利回り+成長性・安定性で選ぶ方が無難」ということです。
新NISAへの移管 注意するポイントは?
この考え方から、昨年末に作った「新NISA購入候補」は以下の銘柄でした。
- 三菱UFJFG(8306)
- 三井住友FG(8316)
- 三井住友トラストHD(8309)
- 三菱商事(8058)
- 伊藤忠商事(8001)
- 東京海上HD(8766)
- SOMPOHD(8630)
- MS&AD(8725)
- NTT(9432)
NTTは100株でも2万円弱で買えるので最後の調整用です。
3か月チャートでチェック
それ以外の銀行・証券・保険の8銘柄について、3か月チャート図の最高値と最安値の平均値を金額欄に入れて、これを下回っていて、かつ前日比で値下がりした順に買い入れていく方針を立てて、大発会の1月4日に臨みました(その日の結果は「新NISAがスタートしました」(1月4日配信)で報告したとおりです)
ところが、ここからが大変でした。どの銘柄も株価が上昇する一方で、いっこうに私が買う判断においた3か月チャートの平均値を下回ってくれないのです。
そのため、途中からは平均値以上でも買おうと判断を切り替え、当初の候補になかった金融関係の大型株も候補に加え、さらに中型株でも「三菱HCキャピタル」(8593)のような累進配当銘柄まで枠を広げて購入リストを作り直しました(その時点の報告は「成長投資枠で累進配当株はいかがですか」(1月14日配信)で書いたとおりです)
でも、「三菱HCキャピタル」を買った後も四苦八苦しました。 何より端数調整に考えていたNTT株がいっこうに下がらず、これでは割高な買い物になりそう…となってきました。
REITとETFで枠埋める
そのため、最終的にREIT(不動産投資信託)とETF(上場投資信託)で埋めることにしました。
1月18日時点の残り枠は、わたしが761円、妻が1970円。1月26日に妻名義で新しく上場された東証ETF「iFree ETF JPXプライム150」を1口追加したため、妻の残り枠が966円となりました。これは来年使えばよいでしょう。
さて、最終的な銘柄は以下のとおりです(上がわたし名義、下が妻名義で、記載のないものは100株)。銘柄と証券コードの後ろの数字は、予想配当利回りと1株あたりの年間配当金・分配金額(1月27日現在)です。
- 伊藤忠商事(8001) 2.45% 160円
- 三菱商事(8058) 2.83% 70円
- 東京海上HD(8766) 3.24% 121円
- 三井住友FG(8316) 3.63% 270円
- 三井住友トラストHD(8309) 3.75% 110円
- 三菱HCキャピタル(8593) 3.64% 37円
- イオンリート投資法人(3292)=1口 4.69% 6685円
- NF日経高配当株50(1489)=13口 3.34% -
- 伊藤忠商事(8001) 2.45% 160円
- 三菱商事(8058) 2.83% 70円
- 東京海上HD(8766) 3.24% 121円
- りそなHD(8308)=500株 2.76% 22円
- みずほFG(8411) 3.83% 100円
- 三菱UFG(8306) 3.06% 41円
- オリックス(8591) 3.33% 94円
- 三菱HCキャピタル(8593) 3.64% 37円
- 森トラスト投資法人(8961)=1口 4.50% 3359円
- インヴィンシブル投資法人(8963)=1口 5.76% 3506円
- iFree ETF JPXプライム150(2017)=1口 - -
1月18日配信記事の図表と比べて、配当利回りが軒並み低くなっているのは、それだけ株価が上昇したためです。
NF日経高配当株50の分配金は未定ですが、昨年1年間で2108円でした。仮に同じ水準だったとして、今月30分割されたので、単純計算すれば1年間に70円ですから13口で910円です。iFree ETF JPXプライム150は1月24日上場されたばかりで、最初の権利確定(4月)まで利回り・分配金とも未定です。
なお、 NF日経高配当株50とiFree ETF JPXプライム150については別記事もごらんください。
1年間の配当は16万円超
上記の表の額面で予想配当金・分配金額を計算すると、わたしが8万4395円、妻が8万0165円、ふたり合わせて16万4560円を受け取ることができす。特定口座なら約20%分の源泉徴収で3万円以上差し引かれますが、成長投資枠はまるまる受け取れる勘定です。
今のところ、下記の図のとおり(上がわたし、下が妻)で、トータルではわたしも妻も19万円前後の評価益が出ています。1月18日配信記事の図と比べればわかる通り、評価益がわたしも妻も3万円以上増えているのは、それだけ各銘柄の株価が上昇したからです。タイミングよく買えたのではないか…と思っています。
この顔ぶれなら大きく株価が下がることはないと信じて銘柄選びをしたつもりですし、何より保有する限り、毎年16万円もの配当金・分配金が得られることになります。来年以降の残り4年間も同じ程度の利回りの銘柄で成長投資枠を埋めていけば、年間80万円以上の配当金・分配金が入る仕組みが完成します。
購入額トップはJT
日本経済新聞は1月27日付朝刊でネット証券5社に聞き取り調査を行った結果をまとめています。
NISA初月の個別株購入額は19日までに4649億円に達した。旧NISAが始まった14年以降、単月で最も購入額が多いのは20年3月の1686億円。単純比較はできないが、NISA口座を使った個別株投資はすでに過去最高時の約2.8倍に膨らんでいる。
個別株の購入額ランキングを作成したところ、首位はJTで足元の配当利回りは4.9%、2位の三菱UFJフィナンシャル・グループは3.0%台と、東証プライム上場企業の平均(2.0%)を上回る高配当株だ。auカブコム証券の山田勉マーケットアナリストは「配当重視の個人投資家をひきつけている」と指摘する。
日本経済新聞1月27日付朝刊より
同紙掲載の図表から、銘柄名と購入額を下記に記します。
- JT 186.0億円
- 三菱UFJ 112.2億円
- NTT 104.6億円
- 三菱商事 98.9億円
- トヨタ 67.7億円
- 武田薬品工業 61.8億円
- 三井住友FG 58.2億円
- 日本製鉄 56.0億円
- アステラス製薬 51.2億円
- SBIHD 27.6億円
年初からこんなに高配当の大型株に人気が集まるとは想定できませんでしたが、今回の経験と今後の実績をもとに、来年の成長投資枠への向き合い方を考えようと思います。
それでも結論は、「やはりNISAはやらない手はない」ということではないでしょうか。
(いしばしわたる)
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