SNS投資詐欺の手口に驚きました

SNS投資詐欺の手口に驚きました

きょう読んで、とても感心した記事を共有します。現在発売中の「週刊ダイヤモンド」2023年11月11号に載っていた「『SNS投資詐欺』に要注意」というコラム記事です。きょう時点でダイヤモンド・オンラインで公開されてないのが残念ですが、落とし穴だらけのネット時代の闇を垣間見るような記事でした(2023.11.7)  

【追記】ダイヤモンド・オンラインでも記事が配信されました。本文中にリンクを貼ったのに合わせて本文を一部修正しました(2023.11.20)

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村上氏のフェイク動画

ダイヤモンド・オンラインで11月19日に配信された「「村上世彰」を名乗りLINEで投資勧誘…SNSで跋扈する投資詐欺に要注意!実態を記者が潜入調査」の記事に感心したのは、記事の副見出しにあるとおり、「実態を記者が潜入調査」した点です。 

記事のきっかけは、フェイスブックのフィード広告で流れる動画広告だったそうです。 

元村上ファンドで著名な投資家の村上世彰氏がジャーナリストの池上彰氏と対談していて、記事の画像には「2023年は投資の大チャンス!?」の見出しが。

ところが、村上財団に照会すると「成り済まし」との返答。 そこでダイヤモンド編集部は「潜入調査を敢行すべく、広告動画を押す」と、 

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と書かれた画面に移動し、 

「村上世彰」と名乗るLINEアカウントを追加するよう促された

そうです。そして、そこから別の人物(記事中は実名)のLINEアカウントの追加を促され、さらにオープンチャットにも追加され、その人物が独自開発したという「FX取引システムなるアプリ」に誘導され、 

指定口座に投資資金を入れるよう案内を受けた

ということだそうです。このコラム記事は「note」上で確認されたケースも紹介していました。 

金融庁も注意喚起

記事でも紹介していましたが、SNSやマッチングアプリを使った投資勧誘については、金融庁が注意するよう呼び掛けています。 

当サイトでも以前の記事で「SNSや友人介した儲け話は危険」として、SNSで「投資に興味がある」と答えたことがきっかけで投資詐欺に遭い、自殺した大学生のことを取り上げたことがあります。 

ネットの”闇”も進化

フェイク広告も進化を遂げています。2019年にNHKが「追跡!“フェイク”ネット広告の闇」という特集を放映し、記事でも読めるようにしています。 

NHKが「追跡」したのはインスタグラム上のフェイク広告で、こんなくだりが出てきます(「武田」は当時NHKアナウンサーの武田真一氏) 

武田:衝撃ですよね。これ、何が起きているのか、今日は取材陣に徹底的に聞いていきたいと思います。フェイスブック社は審査をしていると言っていましたが、それをすり抜けているということなんですね? 

田辺幹夫記者(ネットワーク報道部):そうなんです。フェイスブック社のインスタグラムですけれども、ユーザーが国内およそ3,000万と非常に大きなメディアですので、日々、大量の広告が出されるわけです。そのため、なかなかAIや人の目を使ってもチェックしきれないというのが現状なんです。 

そのフェイク広告もすでに画像ではなく動画がスタンダードになっています。ネットの進化とともに、ネットの”闇”の部分も一緒に進化しているわけです。 

便利さの代償と自覚しよう

インターネット社会にあって、誰とも簡単にアクセスできる時代になり、情報の取得は格段にしやすくなりました。 

広告の世界も驚くべき進化を遂げ、その人の閲覧履歴や趣味嗜好からその人にあった広告を掲出できる仕組みになりました。 

本題と少し離れますが、ブリタニー・カイザー氏の「告発 フェイスブックを揺るがした巨大スキャンダル」(ハーパーコリンズ・ ジャパン、2019年刊)に、個人の趣味嗜好といった情報がどうやって抜き取られているか、その確認方法が出ています。 

クッキーは、あなたがコンピュータや携帯電話で行うすべてを文字どおり監視している。〈モジラズ〉のライトビーム(元コリュージョン)、〈クリッツ〉のゴーステリー、電子フロンティア財団のプライバシーバッジャーなどのブラウザーのアドオンを使って、いったい何社があなたのオンライン活動を監視しているのか、確認してみるといい。50社以上見つかるだろう。 

「告発 フェイスブックを揺るがした巨大スキャンダル」109ページ 

この本を読んだ時、実際にわたしもライトビームをインストールして確認してみました。 

大手新聞社が運営するニュースサイトでも、まるで自分の情報がビーム状であらゆるところに送られ、記事をクリックするたびに、ビームがまるでクモの巣状態になっていくのを見て、空恐ろしくなったものです。 

ネットはとても便利です。もはやネットのなかった時代に戻れるはずもないし、戻りたいとも思いません。グーテンベルクの印刷に匹敵する革命的進化だと思います。

しかし、その便利さの代償として、わたしたちはネットの闇の落とし穴に常にさらされる時代に生きているーーということではないでしょうか。

そのことをきちんと自覚して、情報の取得や内容の吟味について自分自身で十分気をつけるしかない……とわたしは思います。 

なお、このサイトの運営方針は「当サイトについて」に載っています(トップページ右上の「三」をクリックすればアクセスできます)。機会があればご一読いただければ幸いです。 

最後はすこし難しい話になってしまいましたが、ネットの特性を理解しつつ、賢くマネー系の情報にアンテナを張っていければ…と思っています。 

(いしばしわたる) 

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