夜に聞くと心地良いミュージカル曲:ディア・エヴァン・ハンセンほか

夜に聞くと心地良いミュージカル曲:ディア・エヴァン・ハンセンほか

わたしが好きなミュージカル・ナンバーを紹介する2回目です。こちらはミュージカル界の巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーから始めましょう(2024.1.9)

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As If We Never Said Goodbye

ミュージカルと聞いて最初に思い浮かべるのは「オペラ座の怪人」か「キャッツ」ではないでしょうか。どちらも作者はアンドリュー・ロイド=ウェバーです。ほかにも「ジーザス・クライスト・スーパースター」「エビータ」など、ロイド=ウェバー作の名作ミュージカルは挙げ出したら切りがありません。 

アンドリュー・ロイド=ウェバーの名曲ばかり集めたミュージカル・コンサートも2度行きましたが、両方のコンサートの演目に入っていた曲から、「As If We Never Said Goodbye」が1曲目です。オリジナルのミュージカルは「サンセット大通り」です。 

トーキー映画になったことで長く映画界から離れていたノーマ・デズモンドは、念願の女優復帰を果たそうとする。久しぶりに撮影所を訪れると懐かしい風景がそのまま残っていて、”まるでサヨナラなどしなかったかのように何もかも変わらない”と、女優に戻れた喜びを噛みしめる。心を揺さぶる名ナンバーで、ロイド=ウェバーの代表曲のひとつ。このミュージカル版の映画化はロイド=ウェバーの長年の夢であり、グレン・クローズ主演で企画が進んでいるという噂も。 

2018年の「アンドリュー・ロイド=ウェバーミュージカル・コンサート」のパンフレットより
I don’t want to be alone
That’s all in the past
This world’s waited long enough
I’ve come home at last

And this time will be bigger
And brighter than we knew it
So watch me fly, we all know I can do it
Could I stop my hand from shaking?
Has there ever been a moment with so much to live for?

The whispered conversations
In overcrowded hallways
So much to say, not just today, but always
We’ll have early morning madness
We’ll have magic in the making
Yes, everything’s as if we never said goodbye
Yes, everything’s as if we never said goodbye
We taught the world new ways to dream

Tell Me on a Sunday

2曲目は、本来はミュージカル・コンサートで演奏された曲から選ぶのが適切ですが、わたしがとても大好きなバラード曲の「Tell Me on a Sunday」です。

「エビータ」リハーサル中のニューヨークで、「テル・ミー・オン・ア・サンデー」が初めて作曲されたという。作詞はドン・ブラック。ミュージカルといえば、複数キャストで物語を進めることが多いが、この作品はひとりの女性キャストが歌い演じるソロ・ミュージカル。俳優にとって大きなチャレンジが求められる、若きロイド=ウェバーの意欲作だ。 

物語は、イギリス人のエマがデザイナーをめざし、ニューヨークにやってくるところから始まる。彼女は新たな人生に意気揚々と踏み出すが、大都会の中で不安や挫折、いくつかの恋の終わりを経験して揺れ動き、自分の人生を見つめ直して……。 

2022年の「劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバーコンサート アンマスクド」パンフレットより
Don’t write a letter when you want to leave 
Don’t call me at 3 a.m. from a friend’s apartment 
I’d like to choose how I hear the news 
Take me to a park that’s covered with trees 
Tell me on a Sunday, please 

このバージョンで唄っているのは、ロイド=ウェバーの元妻で、ロイド=ウェバーが「My Angel of Music」と呼ぶサラ・ブライトマンです。 

Home

ここからはディズニー・ミュージカルです。3曲目は「美女と野獣」から「Home」です。 

「美女と野獣」はアニメ版、ブロードウェイ版、そしてエマ・ワトソンがベルを演じた実写映画版があり、多くの曲が共通して使われています。ベルと野獣がダンスするシーンで流れる「Beauty and Beast」や、ふたりが心を通わせ出す場面で唄われる「Something There」などです(ただ「Something There」はブロードウェイ版が圧倒的にいいです) 

「Home」はオリジナルのアニメ版にはなく、ブロードウェイ版で挿入された一曲で、ベルが父親の代わりに牢に自ら入る場面でベルが歌う曲です。「ここがお前の家だ(This is your home now)」と捨て台詞を吐く野獣に対して、 

Is this home? 
Is this where I should learn to be happy? 
Never dreamed 
That a home could be dark and cold 

ここが家ですって? 
ここが幸せを学ぶべき場所ですって? 
家が暗くて冷たいものだとは夢にも思わなかった

と唄います。

ですが、物語のラストで死にかけた野獣に対して、ベルが「死なないで」(Don’t Leave Me)と涙を流しながら歌いかける場面で、このメロディがふたたび流れて、ベルがこう唄います。 

We are home 
We are where we shall be forever 

わたしたちが家 
永遠に一緒にいるところ 

I found home… 
You’re my home… 
Stay with me…. 

わたしは家をみつけた 
あなたこそがわたしの家 
わたしと一緒にいて

When She Loved Me

4曲目は、ディカペラが唄う「When She Loved Me」です。オリジナルは「トイ・ストーリー2」で、サラ・マクラクランが唄っています。 

When somebody loved me 
Everything was beautiful 
Every hour we spent together 
Lives within my heart 
And when she was sad 
I was there to dry her tears 
And when she was happy so was I 
  
When she loved me 

ディカペラ(DCappella)は、「ディズニー初のアカペラ・グループ」のオーディションから生まれたアカペラ・グループで、ミュージカル好きの長女から「絶対行こう!」と誘われて、2度目の来日(2022年)の時に観に行きました。 

「When She Loved Me」は予習を兼ねて観た初来日(2019年)のドキュメンタリーで唄っていて、聴きながら涙が自然と流れるほど心に沁みた曲です(横にいた長女も涙を流してました) 

So Big/So Small / Finale

最後は「ディア・エヴァン・ハンセン」から、「So Big / So Small」と「Finale」です。 

これは2年前の「ニューイヤー・ミュージカル・コンサート」で、森崎ウィンさんが「Waving Through a Window」を熱唱して、長女とふたりで「ものすごくいい曲だね」と盛り上がったところ、ちょうど映画版がレイト・ショーで上映していたので観に出掛けて、長女とふたりでボロボロ涙を流した思い出の作品です。 

太陽から遠ざかれ 
笑いものになるなら 
日陰へ逃げろ そう学んだはず 
いつも外側で見てる僕 
変われるのかーー 
ガラスを叩いて、窓越しに手を振るけど 
誰も気づかない だから待つだけ 
独りで木から落ちた僕は音を立てたんだろうか? 
僕は音を立てたのか? 
今まで一度でも

訳詞は映画版のパンフレットより

エヴァン・ハンセンは学校に友達もなく、家族にも心を開けずにいる。ある日彼は、自分宛てに書いて”Dear Evan Hansen”(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)から始まる手紙を、同級生のコナーに持ち去られてしまう。それは誰にも見られたくなかったエヴァンの「心の声」が書かれた手紙。後日、エヴァンはコナーが自ら命を絶った事を知らされる。悲しみに暮れるコナーの両親は、彼が持っていた〈手紙〉を見つけ、息子がエヴァンと親友だったと思い込む。彼らをこれ以上苦しめたくないエヴァンは、思わず話を合わせてしまう。しかし、〈思いやりでついた嘘〉は彼の人生を大きく動かし、やがて事態は思いもよらぬ方向に進むーー。 

映画の予告編をごらんください(バックに流れるのは、「Waving Through a Window」と並ぶ代表曲「You Will Be Found」です) 

Universal Picturesより Dear Evan Hansen – Official Trailer [HD]

わたしが選んだ2曲のうち、1曲目は映画版から。エヴァンの母親が、深く傷ついたエヴァンを抱きながら、父親が出て行った日のことを歌う曲です。 

I will never forget how you sat up and said 

“Is there another truck coming to our driveway 

A truck that will take mommy away” 

あなたがその夜に言ったことを決して忘れない 

「家に別のトラックが来たら 

ママも居なくなるの?」

オリジナルももちろん良いのですが、映画版で母親を演じたジュリアン・ムーアが唄うヴァージョンです。 

That night, I tucked you into bed
I will never forget how you sat up and said
“Is there another truck coming to our driveway?
A truck that will take mommy away”

And the house felt so big, and I felt so small
The house felt so big, and I—
And I knew there would be moments that I’d miss
And I knew there would be space I couldn’t fill
And I knew I’d come up short a billion different ways
And I did
And I do
And I will

But like that February day
I will take your hand, squeeze it tightly and say
There’s not another truck in the driveway

Your mom isn’t going anywhere
Your mom is staying right here
Your mom isn’t going anywhere
Your mom is staying right here
No matter what
I’ll be here

「Finale」は、ミュージカルの最後を締めくくる曲です。 

自殺したコナーの家族を前に〈思いやりでついた嘘〉ーー僕たちは親友だったと伝える場面で唄う「For Forever」の歌詞と旋律を使って、エヴァンが最後にたどり着いた気持ちを吐露する曲です。 

Dear Evan Hansen,​
Today is going to be a good day. And here’s why: because today, today at least you’re you and that’s enough.​

All we see is sky for forever
We let the world pass by for forever
Feels like we could go on for forever this way
This way

All we see is light
Watch the sun burn bright
We could be alright for forever
This way

なお、映画版はエンディングがやや異なり、ラストに流れる曲も異なります(自殺したコナーが生前に歌っていた「A Little Closer」で、とてもいい曲です) 

ユーチューブから「Waving Through a Window」をつけておきます。 

Universal Picturesより Dear Evan Hansen | Waving Through a Window Lyric Video

「ブロードウェイで初めてSNSを題材に扱い、2016年の初上演後たちまち全米で社会現象になった」(DVDの背表紙から)ほどのミュージカルです。興味を抱かれたら、ぜひ映画版を観てください。 

(しみずのぼる)

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