連載⑤ 新NISAの仕組みを知っておこう

連載⑤ 新NISAの仕組みを知っておこう

18歳の君へ~実践的「お金」の話をしよう【第5回】

連載「18歳の君へ~実践的「お金」の話をしよう」は、18歳の大学1年生の姪っ子に叔父さんの立場から「お金」の話をしていきます。第5回のきょうは「新NISAの仕組みを知っておこう」です(連載の狙いはこちらをごらんください) (2023.12.16)

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楽天マガジンは雑誌読み放題

「業界地図」をみて「気になる企業」を10社選ぶ作業は進んでいるかな? 来週はこれをテーマにするから、残り1週間がんばってごらん。 

最初にNTT株の値動きをチェックしておこうか。 

これが1週間チャート図だ。購入した時の株価が173.2円、先週末の終値が170.5円、きょうは169.8円だ。すこし下げたけど、株価の値動きには一喜一憂しないようにね。 

さて、きょうはまず「楽天マガジン」の使い方だ。先週書いたように「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」といった経済誌、「ダイヤモンド・ザイ」「日経マネー」といったマネー系情報誌は配信されたら読む習慣をつけるといい。 

週刊東洋経済23年10月21日号
ダイヤモンド・ザイ24年1月号

でも、ほかにもいろいろな雑誌が読めるのが「楽天マガジン」の魅力だ。〇〇ちゃんなら、このあたりが興味を惹く雑誌かな? 

CanCan24年1月号
anan23年12月20日号

お母さんも味方につけておくように、と先週書いたけれど、料理が趣味のお母さんならこのあたりか。 

オレンジページ23年11月17日号
女性自身23年12月26日号

お父さんにもすすめてみれば? ゴルフが趣味のお父さんなら、このあたりが気に入ると思うよ。

ゴルフダイジェスト23年12月19日号
フライデー23年12月29日号

ただ、雑誌はスマホで読むのは、お父さんやお母さんの年代だと目にきついかもしれない。雑誌を読むならタブレットがおすすめだ。 

例えば、「一緒に使えるようにタブレットを1台買わない?」と持ち掛けたらいい。うまくいけば、タブレットの購入代金はお父さんお母さんが持ってくれるかもしれないしね。 

「お金の大学」で資産所得を学ぶ

タブレットを共有したら、〇〇ちゃんが楽天koboで読んでいる「本当の自由を手に入れるお金の大学」(著者:両@リベ大学長、朝日新聞出社)も勧めてごらん。

  • まずは固定費を見直そう!(24ページ) 
  • スマホは格安SIMに変えよう!(28ページ) 
  • 電力会社を乗り換えよう!(32ページ) 
  • 保険を正しく見直そう(34ページ) 
  • ふるさと納税をしよう(130ページ) 
  • 医療費控除を申請しよう(132ページ) 

といったあたりは、家計を預かるお母さんにも必要な情報だと思うよ。 

でも、いちばん大事なのは、 

STEP3《増やす》ー貯蓄を投資にまわして資産運用しようー 

のところだ。 

「稼ぐ力」で収入が上がっていくのは素晴らしいけど、基本的に働くのを止めたら収入も同時に無くなってしまうねん。 

だから「労働所得」だけでなく、自分が働かなくても収入が入り続ける「資産所得」を増やしていかんと、いつまでも働き続けないといけないんや。 

(略) 

自由になるためには資産所得は必須やで。これらの資産が増えれば増える程、君の経済的自由は近づくという事や。資産所得には大きく「配当&利子所得」「不動産所得」があるで。 

「本当の自由を手に入れるお金の大学」(著者:両@リベ大学長、朝日新聞出社)より

両@リベ大学長さんの言う資産所得のひとつ「配当&利子所得」が、〇〇ちゃんが積み立て始めた投資信託や、はじめて買ったNTT株のような国内株のことだ。 

NTT株で配当金のことを書いたね。100株持っていれば年間500円が配当として振り込まれてくる。NTTの配当利回りは2.94%(12月16日現在、以下同じ)だ。 

配当利回りがもっと高い銘柄もある。例えば同じ通信業界なら、ソフトバンクの利回りは4.92%だ。同じ業界では芸がないから、銀行や保険、商社、メーカーなどで業界トップの企業の株価(12月15日終値)と配当利回りもみてみようか。 

  • ソフトバンク 1748円 4.92% 
  • 三菱UFJフィナンシャルグループ 1204.5円 3.40% 
  • 東京海上HD 3492円 3.47% 
  • 三菱商事 6704円 3.13% 
  • 日本製鉄 3274円 4.58% 
  • コマツ 3643円 3.95% 

これらの銘柄を100株ずつ購入するのに約200万円必要だけど、それで年間の配当金が約7万5000円になる。1000株ずつなら2000万円必要になるが、年間配当金も75万円になる。 

仮に銀行の普通預金に2000万円あっても、金利0.001%のところが普通だから、1年間の利息はたった200円だ。上記の国内株の形にするだけで、保有し続ける限り(年によって前後するだろうけど)75万円もの配当金が毎年振り込まれてくるんだ。 

働くのを止めたら収入も同時に無くなってしまう 

自分が働かなくても収入が入り続ける「資産所得」を増やす 

とは、このことなんだ。 

でも、株価は激しく値動きするから、損もしてしまう。そういうリスクがあるから、業績をきちんと調べて購入しないといけない。前回書いたとおり、正しく情報を学ぶ力が求められる。 

そのために楽天マガジンでムックや雑誌を読んだりしながら、こつこつと少額でいいから積立投資信託や国内株の購入を試してみるといい。これは〇〇ちゃんだけでなく、お父さんお母さんにもあてはまることなんだよ。 

お父さんだって、まだ昇進するかもしれないけれど、永遠に働けるわけじゃないのだから、資金的に余裕があるうちにNISAをはじめたほうがいい。家計を預かるお母さんもきちんと知識をつけておくことが大事だ。だから、一緒にタブレットで楽天マガジンや楽天koboを使おうよーーと声をかけてごらん。 

さて、お父さんお母さんも巻き込んで資産運用の勉強をしようという話になってきたので、そろそろNISAの話をしようか。 

新NISAのムックを読む

楽天マガジンで配信中のマネー系のムックのひとつに「知ってる人だけ得する!今からそなえる新NISA」(宝島社)がある。これを覗いてみようか。 

「知ってる人だけ得する!今からそなえる新NISA」

NISAとは、Nippon Individual Saving Accountの頭文字をとったもので、日本語では「少額投資非課税制度」という。株式や投資信託の売却益や配当は約20%の税金がかかるけれど、NISA口座では売却益も配当も非課税になる、という仕組みだ。 

「知ってる人だけ得する!今からそなえる新NISA」より

これまでのNISAは非課税枠がほんとうに「少額」だったけれど、24年1月から大幅に拡充される。〇〇ちゃんが積み立て始めた「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 」のような積立投資信託を行う「つみたて成長枠」が600万円まで、投資信託以外にもNTTのような国内株やETF(上場投資信託)なども買える「成長投資枠」も1200万円まで、つまり合計1800万円まで非課税枠が拡大したんだ。 

ちなみに、NISA口座は18歳以上なら誰でも作れるから、〇〇ちゃんが自分のNISA口座を持てるのは当然だけど、お父さんとお母さんがそれぞれにNISA口座を作ることができる。 

ということは、お父さんで1800万円、お母さんで1800万円、合計3600万円も非課税で資産運用できるということだ。老後の不安解消のためにも、NISAのことを勉強しておくといいのは、お父さんやお母さんなんだよ。 

以前の仕組みとの違いや新NISAの特徴は、野村證券がコンパクトな動画にまとめているから、それも覗いてごらん。 

新しいNISA、押さえておくべき3つのポイントは?

長期・積立・分散が大原則

別のムックもみてみようか。つみたて成長枠で積み立てる投資信託について特集した「投資信託完全ガイド」(晋遊舎刊)だ。 

「投資信託完全ガイド」

資産運用の基本は「長期・積立・分散」と言われるのは、経済は長いトレンドで見れば右肩上がりで成長していくからだ。 

リーマンショック(2008年)みたいにガクンと下がることはあっても、その後しばらくすると成長軌道にちゃんと戻っている。 

「投資信託完全ガイド」より

だから、下がった時に狼狽して売却したりしないで、こつこつと長期に積み立てていけば、経済成長とともに資産も増えていくというわけだ。 

複利効果をシミュレーション

特に長期の積み立ては複利効果が効いてくる。楽天証券の「積立かんたんシミュレーション」で試算してみよう。 

毎月1万円ずつ、年利4%で積み立てていくと、いくらになるか。下記のように、10年、20年、30年で比較すれば、長期間であればあるほど運用益(棒グラフの濃い青色部分)がうなぎのぼりで増えているのがわかる。 

10年 年利4%
20年 年利4%
30年 年利4%

お父さんお母さんの場合は、これから30年積み立てるのはちょっときついかもしれないけど、10年20年なら十分積み立てられるはずだ。〇〇ちゃんなら30年だって十分可能だ。 

複利効果のことは「お金の大学」にも出てくる。聞いたことのある単語が出てきたら「お金の大学」の該当ページを読み直してみるといい。 

NISA口座を選ぼう

NISAの仕組みがわかったら、いよいよNISA口座の開設だ。さっきのムックに開設方法も出てくるから自分で開設してごらん。お父さんやお母さんも開設したいと言ったら、〇〇ちゃんが手伝ってあげなさい。 

前にも言ったけれど、NISA口座はひとつの証券会社を選ばないといけない。SBI証券にするか、楽天証券にするか。これは本当にその人の好み次第の部分があるから、次の記事も参考にするといい。

 さて、いよいよ次回は〇〇ちゃんが選んだ「気になる会社」を聞かせてもらうよ。 

(いしばしわたる) 

連載「18歳の君へ~実践的「お金」の話をしよう」の各回記事はこちらから
【第1回】クレカ・銀行・証券の開設手続きをしよう
【第2回】インデックス型投信を積み立てよう
【第3回】国内銘柄を指値注文してみよう
【第4回】情報に騙されないようにしよう
【第5回】新NISAの仕組みを知っておこう
【第6回】単元未満株を買ってみよう
【最終回】新NISAを資産運用や就活に役立てよう
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連載「18歳の君へ」の狙いをお伝えします

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