週刊東洋経済「新NISA革命」を読む

週刊東洋経済「新NISA革命」を読む

楽天マガジンで読みたかった「週刊東洋経済」の新NISA特集が配信され、さっそく読みました。とてもわかりやすくまとめてあり、「NISAを始めてみたい」と思っている方にお勧めできる内容でした。わたしが書いてきた内容とも重なる部分が多く、「間違ってなかった!」と安心しました。特集記事のエッセンスを紹介します(2023.10.23)  

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図解やQ&A

けさ配信されたのは「週刊東洋経済」10月21日号で、表紙は大きな文字で「新NISA革命」。 

目次の主な見出しを抜き出してみると、こんな内容です。 

  • 図解 生涯1800万円まで無税! 新NISAの破壊力 
  • 新NISAで始める投資信託の仕組み 
  • Q&A ゼロから知りたい新NISA 
  • 専門用語から学ぶ投資信託 
  • 5大ネット証券を徹底比較 
  • 世界株か日本株か 資産配分の求め方 
  • 「eMAXIS Slim」独走の舞台裏 
  • 今、注目の投信7選

これなら「新NISAをやってみたいけど、よくわからない」という人にも、とてもやさしい内容構成だと思います。 

新NISA 5つのメリット

最初の「図解 生涯1800万円まで無税! 新NISAの破壊力」は、新NISAのメリットを5つ列挙しています。 

「週刊東洋経済」10月21日号より

わたしが書いてきた記事で言うと、 

あたりの内容が重なります。 

インデックス型の一択

「インデックスには誰も勝てない」というコラムも載っています。 

「週刊東洋経済」10月21日号より

これは 

で書いた内容と同じです。やはり初心者が最初に手を出すならインデックス型の投資信託で間違いありません。 

5大ネット証券を比較

「5大ネット証券を徹底比較する」という記事では、クレカ積立を中心に書かれていました。 

5大ネット証券の一覧比較表のなかで、注目ポイントが赤くラインマーカーがついているのですが、売買手数料が無料になる部分はSBI証券楽天証券マネックス証券auカブコム証券松井証券のいずれにもついていました。SBI証券が先陣を切った手数料無料競争を、他の証券会社も軒並み追随した形です。 

他方、クレカ積立では、月額積立上限額では楽天証券の「10万円」に、還元額ではSBI証券のプラチナプリファードの「5.0%」にそれぞれラインマーカーがついていました。このあたりも今後サービス競争が起きてきそうな気配がします。 

これはまさに、 

で書いた内容のとおりです。

【追記】Impress Watchの記事によると、大和コネクト証券とクレディセゾンは、2024年1月5日買付分からクレジットカードでの積立投資(クレカ積立)サービスの上限額を、5万円から10万円に拡大するそうです(新NISA「クレカ積立」の月額上限10万円に 大和コネクトとクレディセゾン)(2023/10/24)

eMAXIS Slim独走の舞台裏

わたしが一番面白く読んだのが「「eMAXIS Slim」独走の舞台裏」という記事でした。副見出しが「あっという間に5兆円まで膨らんだお化けファンドの軌跡をたどる。」というもの。 

グラフも載っていますが、2017年2月に設定され、21年4月に1兆円を突破、23年7月に5兆円を突破しています。1兆円突破まで4年2か月かかっているのに対して、1兆円が5兆円になるまでに要した期間はわずか2年3か月! まさに「お化けファンド」です。 

わたしが以前に書いた

でも、5つのうち4つはeMAXIS Slimシリーズの投信商品です。信託報酬料の安さに着目すれば当然の選択ですが、これほどのお化けファンドとは知りませんでした。 

記事にも出てきますが、eMAXIS Slimシリーズは、

「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」 

というコンセプトを掲げています。記事によると、 

  • 運用報告書を電子版のみにして印刷代や配送代まで削った 
  • 売買頻度を減らすことで売買手数料を下げた 
  • 銘柄入れ替えを工夫してトラッキングエラーを極力小さくした 

などの地道な努力で「業界最低水準の運用コスト」を実現させているそうです。 

記事では、「オルカン」の愛称で知られる「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬料を9月に引き下げた経緯も出てきます。 

異変が起きたのは今春だ。 

4月にはみずほ系のアセットマネジメントOneが「たわらノーロード」シリーズについて信託報酬料を引き下げ、同月には日興アセットマネジメントも「Tracers」シリーズで続いた。 

すかさず7月には業界最大手の野村アセットマネジメントが「はじめてのNISA」を新規設定する。中でも、「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」の信託報酬料は当時、三菱UFJアセットのオルカンの半額近くに設定し、あからさまな対抗商品といえた。 

そして9月、先を越された三菱UFJアセットが「他社が当社より下回る場合は引き下げる」の公約どおりに値下げし、信託報酬料率の最低ラインが年0・05775%で並んだというわけだ。 

「週刊東洋経済」10月21日号より

これからも各社のサービス競争が続くことを期待しています。 

山崎元氏はオルカン一択

「今、注目の投信7選」は、ファンドマネージャーやファイナンシャル・プランナー、経済評論家など10人の”目利き”に挙げてもらった投資信託をランキングにしたもので、トップはオルカンーー「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」でした。 

おもしろいのは経済評論家の山崎元氏。ほかの9人は「お薦めファンド」として5商品ずつ挙げているのですが、山崎氏だけはオルカン1本。 

私も東洋経済オンラインの記事(新NISAで選ぶべき投資信託は「アレ」1本でいい)は読みましたが、その言葉どおり、「新NISA革命」の特集で山崎氏が推薦したのは本当にオルカンだけでした。 

楽天」VS「SBI」は楽しみ

「販売トップに聞く」というインタビュー記事で取り上げていたのは、楽天証券(楠雄治社長)とSBI証券(高村正人社長)の2社。やはり、

という私の記事は間違っていなかったようです。 

楽天グループのエコシステム(生態系)には一貫性があり使い勝手はいい。ほかのどのエコシステムにも負けない。楽天カードが普及していてポイントを積み立てられるし、楽天銀行とも連携しており預金には優遇金利がつく(楽天証券・楠社長) 

SBIグループは三井住友銀行と「Olive」で提携した。楽天カードをはじめ楽天経済圏は強いが、当社も遅ればせながらキャッチアップしている。以前から米Visaグループとは組んでいたが、オリーブという枠組みなら銀行からの送客も見込める。口座数のカサ上げ効果は大きい(SBI証券・高村社長) 

ネット証券の”2トップ”が競い合うのはよいことです。24年1月スタートの新NISAで競争はますます活気づくでしょう。 

これからもアンテナを高くして、堅実・着実に資産運用していきたいと改めて思う読後感でした。

わたしのように楽天マガジンで読むもよし、保存版として紙の雑誌で買うもよし。おすすめの一冊です。 

(いしばしわたる) 

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