2023年の日経平均株価は前年末比で+28.2%と記録的な高さでした。史上最高値をつけた1989年以来の上げ幅で、日本経済新聞は「3つのエンジン」が株高を牽引したーーと分析しています(12月30日朝刊)。株高は24年も持続するのでしょうか(2023.12.31)
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東証改革が果たした役割
日経記事が指摘した「3つのエンジン」は、
- 東京証券取引所による市場改革
- ウォーレン・バフェット氏の来日効果
- M&A(合併・買収)
です。東証改革について、日経記事を引用しましょう。
東証は(23年)3月、上場企業に対して改革を促し、特にPBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る「解散価値割れ」の企業には改善を強く求めた。企業が実際に行動し始めたことで、投資家の関心は高まった。
具体的な銘柄として高千穂交易と12月に入って自己資本比率(ROE)目標の引き上げを公表した巴工業を挙げていますが、依然としてPBR1倍割れの企業は多くありますから、東証改革を意識した動きは24年も続きそうです。
ウォーレン・バフェット効果
ウォーレン・バフェット氏の来日(23年4月)は、商社株に加えて日本株への追加投資に前向きな姿勢を示したことで、一種のお祭り的な雰囲気でした(特に日経の紙面はそうでした)
ただ一時的な効果という分析ではなく、日経記事は「海外投資家が日本株に注目するようになり、東証の改革や日本企業の変化にも関心が向かうようになった」と分析しているので、これもまた24年以降も継続する可能性は十分あるのでしょう。
タブーなくなったM&A
M&Aについても、第一生命ホールディングスとエムスリーがベネフィット・ワンの買収を巡って争っていることを一例に「日本のM&Aにタブーがなくなった」と指摘しています。ということは、これも24年以降も継続しそうです。
日経記事の言う「3つのエンジン」は24年以降も持続する可能性は十分ありそうです。
記事は円高進行をリスクのひとつに挙げているものの、記事をこう結んでいます。
企業が成長戦略や株主還元を競い、それを海外投資家が評価するーー。23年相場をけん引した「3つのエンジン」は円高などの外部環境に左右されにくい株高要因だ。業績が伸びれば賃上げの原資が生まれ、デフレ完全脱却につながる。経営者が変革への覚悟を示せば、株高持続の道筋はみえてくる。
ぜひそうあってほしいものだと思います。
デフレの時代にどっぷりと浸かった身としては、まだ懐疑的な気持ちは残ります。
それでも、「変革への覚悟」がうかがえる企業をきちんと見定めて、24年の銘柄選びをしていこう…と決意を新たにした次第です。
(いしばしわたる)
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