いちばん怖いのはやはり人間:「真夜中のミサ」

いちばん怖いのはやはり人間:「真夜中のミサ」

きょう紹介するのはネットフリックスのオリジナルドラマ「真夜中のミサ」(原題:Midnight Mass)です。マイク・フラナガン監督が製作総指揮を務めるホラー作品として、「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」に続く3作目ですが、前2作と異なるのはマイク・フラナガン監督のオリジナル作品である点です(2023.9.18)

【追記】YouTubeの公式(認証済み)チャンネルに関連動画がありましたので加筆修正しました(2024.5.5)

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監督のオリジナル作

以前の記事に書きましたが、「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」はシャーリイ・ジャクソン「丘の屋敷」(山荘綺談)、「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」はヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」をベースにストーリーを組み立てています。

どちらも有名なホラー小説、恐怖小説として知られています(もっとも、ストーリーの展開は原作とはかなりかけ離れてはいるのですが) 

それに対して「真夜中のミサ」はフラナガン監督のオリジナル作品です。 

フラナガン監督によれば、「カトリック教会で育った自身の生い立ちと、最終的に断酒と無神論に至った経験を扱った作品」で、「本作のアイデアを、初めに小説として、次に映画の脚本として、そしてTVシリーズとして構想し、2014年に様々な製作会社(最終的な配給元であるNetflixを含む)に売り込んだが失敗に終わった」(ウィキペディアによる)ということなので、かなり以前から温めていたストーリーのようです。 

ホラーに滂沱の涙

この3作をすべて観たうえでの個人的感想を言えば、ストーリーのおもしろさは「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」と「真夜中のミサ」は甲乙つけがたく、ホラーとしての評価は「真夜中のミサ」に軍配、そして(不思議に思うかもしれませんが)滂沱の涙を流したのは「真夜中のミサ」でした。 

全部で7話構成で、第1話の冒頭、主人公のライリー(ザック・ギルフォード)が飲酒運転で死亡事故を起こすところから始まります。 

ライリーは4年の服役を経て故郷のクロケット島に戻るが、事故の悪夢にさいなまれている。ライリーを出迎えたのは両親や弟、そしてかつての同級生のエリン。しかし、エリンとの友情の復活でも、ライリーの心は癒されなかった。 

同じころ謎めいた若い神父が島に訪れ、神父の現れるのと軌を一にして、島内に不思議な現象が広がり始める。車いすの少女が歩けるようになり、認知症の老婆が若返りを見せはじめる。 

さまざまな奇跡を前に、教会で神父を支えるベヴァリーは徐々に狂気に取りつかれ、島民たちに狂信的なまでに信仰を求めていく……。

予告編は必見

あらすじはこの程度にしておきますが、これでは「観たい」という気持ちが沸かないでしょうから、ぜひネットフリックスの公式ページにアップされている予告編(特に2分15秒のバージョン)をごらんになってください。

ネットフリックス公式ページ「真夜中のミサ」

「ヒルハウス」に二女のテオ役で出演していたケイト・シーゲルがエリン役。ほかにも「ヒルハウス」や「ブライマナー」の役者が出演していて、特に怪演をみせつけるのがベヴァリーを演じたサマンサ・スローヤン。「ヒルハウス」では長男スティーヴンの別居中の妻役でした。 

ベヴァリーを見ていると、「やっぱりいちばん怖いのは人間だな」と改めて思います(つまらない感想ですみません。ネタバレするよりましと思うのでお許しください) 

YouTube公式(認証済み)チャンネルに予告編(2分15秒のバージョン)がありましたので、こちらをごらんください。

Midnight Mass Limited Series Trailer | Rotten Tomatoes TV

流れている曲のオリジナルは、キーン「サムウェア・オンリー・ウィー・ノウ」です。 

So tell me when you’re gonna let me in 

教えてくれ、きみはいつわたしを受け入れてくれるのか 

「you’re gonna let me in」を何度も繰り返すこのカバー。サントラ盤にも入っていないので、どなたの演奏かわかりませんが、こんなにおどろおどろしいカバーは、なかなか聴いたことがありません。 

(しみずのぼる) 

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