「ほったらかし投資」をご存じですか

「ほったらかし投資」をご存じですか

「ほったらかし投資」という言葉をご存じでしょうか。投資と言うと、株の売り買いで利益を得るイメージが強いせいか、「市場が空いている時間帯は株価の動向を気にしないといけない」と思い込み、「仕事勤めの人間にはとても無理」と敬遠してしまう…という悪連鎖を生みがち。「いえいえ、ほったらかしで大丈夫ですよ」ということで生み出された言葉ですが、これが言い得て妙。初心者が最初に行うなら、わたしも「ほったらかし投資」から始めるのがおすすめです(2023.7.1)

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最初に始めるなら積立投資信託を

当サイトは「ビギナーズのため」を標榜していますので、資産運用や投資について初心者の方をイメージして記事を書いています。 

この超低金利の時代にあって、銀行口座に預けっぱなしでは資産を増やすことは永久に不可能です。とはいえ、資産の一部を投資に回して、資産を増やそうと思っても、何から手をつけたらいいかわからない。そういう方が最初に始めたらよいのが「積立投資信託」です。 

前回記事(ラテマネーを運用すればいくらになるか)で紹介した山崎俊輔氏の「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP社)も、わざわざ章立てして「投資は『ほったらかし』が正解」と強調しています。 

投資のテクニックというと、「安値かどうかの判断(購入時)」や「高値かどうかの判断(売却時)」「売買注文の出し方」のようなイメージがあります。しかし、「早く教えてほしかったよ」という本音でのアドバイスがテーマの本書では、銘柄選びや売買タイミングについては一切触れません。 

むしろ普通の人の普通の投資において重要なのは「続けること」「損をしているときに売らないこと」です。 

まず、投資は積み立てが原則。そして期間はできるだけ長く設定してください。(中略)投資の期間、つまりゴールを遠く設定することで、短期的な値下がりで焦る必要はなく、むしろチャンスとすることができます。経済は一度悪くなっても最終的には右肩上がりでプラスになるものだからです。また、毎月少しずつ積立投資をしている人ほど、大きな値下がりでマイナスになっても、徐々にプラスに戻り、長い時間をかけて大きな利回りを確保することができるからです。 

長期・積立・分散が原則

ここで「積み立てが原則」(=積立)と「期間はできるだけ長く」(=長期)と出てきましたね。そもそも投資信託という金融商品は、ひとつの商品の中に複数の銘柄が組み合わさっているので、ひとつの商品を購入するだけで様々な資産に分散投資ができ、リスクを抑えられる効果があります。つまり「分散」です。 

ほったらかし投資の基本は、この「長期」「積立」「分散」が3原則なのです。

金融庁は年利4%と試算

頼藤太希氏と高山一恵氏の「1日1分読むだけで身につくお金大全100」(自由国民社)からも引用しましょう。 

投資でお金を失う可能性を、ゼロにはできません。しかし、「長期」「積立」「分散」投資を行えば、堅実に増やす期待ができます。 

長期投資とは、長い時間をかけて投資を行うことです。数十年という長い期間で投資をすれば、リスクを抑えて投資できますし、複利の効果も生かしやすくなります。 

積立投資とは、一定額を一定のタイミングでコツコツと投資することです。たとえ1回の投資は小額でも、積み重なると金額が大きくなります。また、商品の価格にかかわらず一定額ずつ買うことで、平均購入単価を押し下げる「ドル・コスト平均法」の効果があるため、利益を出しやすくなります。 

分散投資とは、値動きの異なるさまざまな資産に投資することです。仮にその中のどれかが値下がりしても、ほかの資産の値上がりで補いながら、トータルでお金を増やせます。 

金融庁によれば、長期・積立・分散投資を行うことで、年平均4%のリターンが得られると試算しています。 

ドルコスト平均法が効果を生む

ここで「ドルコスト平均法」という用語が出てきました。

一定額で毎月買っていけば、株価が上がっている時は購入できる口数が少なく、下がっている時は口数を多く購入でき、結果的に購入単価が平準化するという考え方で、これが「積立」形式の購入が勧められる理由です。 

このやり方で投資を行えば、金融庁の試算では「年平均4%のリターンが得られる」そうです。

前回記事(ラテマネーを運用すればいくらになるか)に年利4%のグラフが出ていますから、もう一度見直してみてください。

記事では「飲み物にかかる費用を1日400円としましょう。この費用を元手に『積立投資信託』を行ったとしたら、40年でいくらになるでしょう。元金は584万円です。(中略)利回り4%なら1438万円」と書きました。

584万円の元本が40年後に1438万円になる!というわけです。 

あなたがもし、投資に関心はあるものの何から始めたらよいか迷われている、という方なら、ぜひ積立投資信託による「ほったらかし投資」から始めてみてはいかがでしょうか。 

(いしばしわたる)