Amazonが代金引換を廃止するそうです…詐欺対策が狙いでは

Amazonが代金引換を廃止するそうです…詐欺対策が狙いでは

Amazonが決済手段のひとつの「代金引換」を6月5日で終了するそうです。これで代金引換を利用した詐欺がなくなると思えば、Amazonの利用者にとっては歓迎すべき対応ではないでしょうか(2024.5.27) 

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6月6日から利用できない

最初にAmazonの対外公表した内容を紹介しましょう。 

[重要] 代金引換に関するお知らせ 

Amazonでは、販売事業者様や購入者様の体験を向上するため、支払い方法などを含めたサービスの見直しを継続的に実施しています。その一環として、2024年6月6日より、購入者様が商品を購入する際に「代金引換」をご利用できなくなることをお知らせします。 

販売事業者様は、代金引換以外の支払い方法で引き続き商品を販売いただけます。本件について、販売事業者様に行っていただく対応はございません。 

[重要] 代金引換に関するお知らせ

決済手段のひとつが利用できなくなると受け止めれば「改悪」という反応が出るのかもしれませんが、わたしは「それは当然そうしたほうがいいだろうな」という受け止めです。 

というのも、わたしは一度、代金引換を利用した詐欺に遭ったことがあるからです。 

その時のAmazonの事後対応が非常にすばらしかったのです。 しかも実害を被ったのはAmazonですから、類似の詐欺行為を広めることはしたくなくて黙っていましたが、今回、Amazon自身が代金引換を廃止するなら、他のネット注文でも類似の詐欺に遭った時の対処方法にもなるので、記事にすることにしました。 

身に覚えのない食品パック

詐欺に遭ったのは数年前のことでした。 

ある日、自宅のチャイムが鳴り、出てみると大きな荷物を抱えた大手の宅配業者さん。そして「代金引換のお荷物です」と言われました。 

代金引換で注文した経験が一度もなかったので、不思議に思いましたが、誰か知り合いが送ったのかもしれないし、何より重そうな荷物を抱える業者さん(いつも配達してくれる顔見知りの人)の姿をみて、請求された代金(4000円前後でした)を渡して荷物を受け取ったのです。 

送り主欄をみると自分の名前です。住所もあってます。家の中に運び込んで「なんだこれ?」と思って開封したら、保存の効く食品パック詰め合わせでした。 

まったく注文した覚えもないし、自分のAmazonの注文履歴を確認しても出てきません。もう一度送り主欄をみると、名前と住所はあってるけど、電話番号が違う。 

あれ?でも、この番号は見覚えがあるけど… 

なんと、以前に使っていた自分の携帯番号だったのです。 

でも、そのころは住所が違っていたはず…… 

うかつでしたが、事ここに至って「もしかして詐欺?」と思い至ったのです(遅いですよね。反省してます) 

すぐにPCで「代金引換 詐欺」でネット検索してみたら、代金引換を利用した詐欺が増加していると出てくるではありませんか! 

やられた!! 引っ掛かった!! 

Amazonの神対応に感動

Amazonのカスタマーサポートの連絡先を調べて電話しました。代金引換をした覚えがないのに荷物を受け取ってしまった旨を伝えて、返品・返金手続きをお願いしました。 

ここからのAmazonの対応はとても素晴らしいものでした。きっと似たような事案があるのでしょうね。荷物の番号から送り主のIDもきちんと突き止めたようで、すぐさま返金対応いたしますとの返事(チャージタイプのAmazonギフトカードによる返金だったと記憶します) 

そのうえで、品物については「お手数をおかけしますが、お客様のほうで処分をお願いできますでしょうか」と言われたのです。記憶で書きますが、以下こんなやりとりをしました。 

わたし:え? 返品しないでいいんですか? 

サポートの女性:はい、お客様のほうで処分して頂けますと助かります。 

わたし:食べ物なので、処分といっても……。ほんとうに返品しないで大丈夫なんですか? 

サポートの女性:はい、ご返金をきちんと致しますので、お品物はお客様のほうで……お好きにして頂いて結構です。廃棄して頂いてもいいですし、食べ物ですからお好きにして頂ければ結構です。 

保存の効く食品パックでしたので、要は品物をただでもらえた格好です。 

きっと代金引換をめぐる詐欺に対して、Amazonはすべて自分で被害をかぶっていたのだろうと想像します。Amazonに対する好感度が一気に跳ね上がった体験でした。 

受け取り拒否が正しい対応

代金引換をめぐる詐欺への自己防衛策は、 

「自分は代金引換で注文した覚えはありません。きっと代金引換を騙った詐欺だと思われますので、持ち帰ってください」 

と宅配業者さんにしっかりと伝えて、代金の支払いを絶対にしないことだそうです(ヤマト運輸はじめ宅配会社のホームページにもそう書いてあります) 

Q) 身に覚えがない荷物が届いた(受け取り前)場合、どうすればいいですか? 

A) お客様のご判断で、荷物の受け取りを拒否いただくことができます。 

ヤマト運輸「身に覚えがない荷物が届いた(受け取り前)場合、どうすればいいですか?」

逆に、わざわざ(受け取り前)と書いてあるように、受け取ってしまった場合は宅配会社は対応してくれなくなります。 

わたしの場合、Amazonが返金対応してくれたので実害はなく、むしろ返品しないで済んだ食品パックをただで貰った格好になったので恐縮しましたが、この貴重な経験から、 

代金引換の荷物は、宅配会社から受け取る前に送り主を確認して、不審な荷物は絶対に受け取りを拒否しよう 

と学習しました(その後は似たような体験は一度もありませんが) 

ポイント獲得が狙い

このような良からぬ詐欺行為をする人の狙いは何なのでしょうか? 

調べてみると「ポイント狙いではないか」ということのようです。産経新聞の記事にこうあります。 

何のために送り付けるのか。業者が自社商品を一方的に送り付けていたり、第三者によるいたずらだったりする可能性は否定できない。また、注文者側のメリットを考慮した場合、考えられる目的とは「付与ポイント」をかすめ取ることだとされる。 

アマゾンでは、代金を支払って商品を受け取った段階で、支払代金に応じたポイントの付与が確定する。通常より高還元でポイントが付与される商品もあり、送り付ける側は誤って代金を支払う人や、後で気付いても返金してもらう手間などから諦める人の存在を見越して、商品を不特定多数に送り付けているとみられる。 

産経新聞「頼んでないのに…不審な代引き荷物「送り付け」急増 狙いは? 」

こういう詐欺が横行しているのだと思えば、Amazonが代金引換を廃止するのはむしろ当然の措置と言えるでしょう。 

個人情報が悪用される時代

それにしても怖いのは、個人情報がいとも簡単に抜き取られている現実です。 

自分の名前も住所もあってましたし、電話番号に至ってはかつて使っていた番号です。その当時の住所は違うのに、ある意味、情報がアップデートされて現在の住所が”正しく”抜かれているのだと思うと、本当に怖くなります。 

ネットは便利ではありますが、怖くもある……。そんな体験談ですが、Amazonの対応を批判する人もいるようなので、Amazonを擁護する気持ちから、詐欺に引っ掛かった恥ずかしい経験談を含めて記事にした次第です。 参考にしていただければ幸いです。

(いしばしわたる) 

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