肩甲骨を動かす四つん這いストレッチ

肩甲骨を動かす四つん這いストレッチ

前回記事(あなたもスマホ首になってませんか)で紹介したスマホ首(ストレートネック)やねこ背、巻き肩。「ああ、わたしもそう」とおっしゃる方に、是非採り入れてほしいストレッチが「キャット&カウ」です。猫のように背中を丸めて、次に牛のように背中をそり返す。それを交互に繰り返すのでキャット(猫)&カウ(牛)というわけです(2023.7.1)

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「キャット&カウ」は有名ですが

キャット&カウは、ヨガを紹介するサイトやユーチューブでも多数紹介されていますので「何をいまさら」と思われるかもしれません。 

ですので、この記事では、スマホ首やねこ背、巻き肩に長年悩まされているわたし自身の、我流のやり方をご紹介します。 

わたしが日課にしているスマホ首・ねこ背・巻き肩対策のストレッチは、全部で3種類です。 

順番も大事で、1番目が床(ヨガマット)に寝そべってのストレッチ(朝起きてすぐにお勧めのストレッチ)、2番目がきょう紹介する四つん這いストレッチ、3番目が(別の日に改めて紹介する)椅子に座って行うストレッチです。じっくり時間をかけて行いますので、3種類全部合わせると20分から30分ぐらいかかります。 

まず、床に寝そべってのストレッチで、エビのように丸まった背骨を伸ばし、巻き肩を矯正して正しい姿勢を”形状記憶”させます。床ストレッチ一式を終えたら、四つん這いに姿勢を変えます。 

1番目に行うのが「キャット&カウ」です。ヨガのサイトをみると、「息を吸って、吐きながら尾骨、仙骨、腰椎、胸椎、頸椎の順に背骨を丸め、背骨が丸まったところで、息を吸いながら尾骨、仙骨、腰椎、胸椎、頸椎の順に背骨を反らせる」みたいに書いてあります。 

イラスト:kana129さん by illustAC

曲げたいのは上部胸椎

きっとこれが正しい「キャット&カウ」なのでしょうが、わたしの場合、スマホ首とねこ背と巻き肩の矯正が主目的なので、いちばん曲げたいパーツは上部胸椎です。前回記事(あなたもスマホ首になってませんか)で書いたとおり、「頭部の重みは、正しい姿勢なら、S字状の頸椎だけでなく背骨、特に上部胸椎で支えることができ」るからです。 

上部胸椎の可動を阻む肩甲骨 

でも、上部胸椎を動かすには、邪魔になっているものがあります。 

それは肩甲骨です。「肩甲骨はがし」という言葉もあるほど、肩こりに悩まされている方は肩甲骨周りがガチガチになっています。もちろんわたしもその一人です。 

上部胸椎をしなやかに湾曲させるため、まずはガチガチになった肩甲骨を動かす必要があります。 

ですから「キャット」の姿勢では、肩甲骨を外側に開くことを意識します。そして「カウ」の姿勢では、肩甲骨を内側に寄せることを意識します。両肩の肩甲骨を水平の方向に「開いて、寄せて」を繰り返すイメージです。「開いて」の時に呼吸を吸い、「寄せて」の時に呼吸を吐くといいです。 

お尻を覗きこむ「お尻クネクネ」

四つん這いストレッチの2番目は、左目で自分のお尻を覗きこみ、次に反対に右目でお尻を覗きこみ、背骨を左右に湾曲させるストレッチです。 

「キャット&カウ」のように人口に膾炙した呼び名がありませんので、わたしは「四つん這いでお尻をクネクネするストレッチ」と呼んでいます(呼び名はともかくとして、わたしが通っている整形外科でリハビリの先生に教わったメニューです) 

これも背骨と脊柱起立筋の湾曲が目的ですが、わたしの場合、特に肩甲骨を上下に動かすことを意識して行うようにしています。 

【追記】せっかくリハビリの先生に教えてもらったストレッチなのに文章だけではうまく伝わらず、参考になりそうな画像はないものか探したところ、NHKのムック本に見つけました(とても参考になるムック本です)。この放送回(2022年2月22日=古武術に学ぶ体の使い方。 (4)「肩甲骨は元気の源」)はわたしもリアルにみていて「肩甲骨をこう動かすのか!」と思ったものです。ぜひ下の画像を参考にしてみてください(2023/8/22)

NHKムック「古武術に学ぶ体の使い方」より

ちなみに、先ほど触れた肩甲骨を意識したキャット&カウも、NHKのムックに載っていました。


NHKムック「古武術に学ぶ体の使い方」より

背骨をねじるイメージで

3番目は、四つん這いの姿勢のまま、片方の腕は肘を伸ばしたまま、もう片方の腕を折り曲げ、肘を床につけていきます。息を吐きながら曲げていき、息を吸って元の姿勢に戻る。これを左右繰り返します。床に肘をついた腕を反対側の腕の先に延ばして、わき腹を伸ばすストレッチを加味しても気持ちイイです。 

「キャット&カウ」が背骨を正面・背中方向に湾曲させ、「お尻クネクネ」が背骨を左右方向に湾曲させるのに対して、3番目のストレッチは背骨と脊柱起立筋をねじるイメージです。 

四つん這いのストレッチはこれで1セットです。なお、「お尻クネクネ」のあと、もう一度、キャット&カウをすると、上部胸椎の曲がり方が最初の時よりもよく曲がるようになっているはずです。肩甲骨の可動域が広がれば、上部胸椎も曲がり安くなるというわけです。 

いかがでしたでしょうか。ポイントは肩甲骨です。椅子に座ってのストレッチは、また次の機会に紹介します。 

(さかきかずひこ) 

お勧めストレッチメニューはこちらをご覧ください。
朝起きてすぐにお勧めのストレッチ
肩甲骨を動かす四つん這いストレッチ
椅子に座ってじっくり体を伸ばそう