前回記事(朝起きてすぐにお勧めのストレッチ)で「後頭部が床にすぐにつきますか? つく人なら、もともとストレッチなんて要らないほど体が柔らかいのでしょうね」と書きました。そうなのです。スマホ首の人は、後頭部がカンタンには床につかないのです。でも、スマホ首は絶対に若いうちに直したほうがいいです。首への負担がハンパないですから(2023.6.29)
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スマホ首・ねこ背・巻き肩
最初に個人的な話を打ち明けますと、わたしは首にヘルニア(頸椎ヘルニア)があります。脛骨からはみ出た軟骨が神経に触れると激痛が走るので、首へのケアが欠かせません。
職場ではノートパソコンに向かっている時間が長く、通勤中はスマホをいじってばかり、という長年の悪習慣(悪姿勢)が招いた持病ですが、スマホ首という言い方が流行りだしたことに象徴されるように、若い人にも似たような「悪姿勢」の方が目立つように思います。
スマホ首は、もともとストレートネックという言い方が通例で、ねこ背や巻き肩になって首が前に出てしまう状態です。
頭部の重みは、正しい姿勢なら、S字状の頸椎だけでなく背骨、特に上部胸椎で支えることができます。これに対してストレートネックで首が前に出ていると、首だけに頭部の重みの負荷がかかるため、肩こりや首コリを惹き起こし、悪姿勢を放置したままだと(わたしのように)ヘルニアになる可能性を高めてしまうのです。
首が30度傾けば負荷は4倍
整形外科医の竹谷内康修氏の「首を伸ばして自分で治す!頸椎症」(宝島社)から引用しましょう。
「私たちは、成人で約5キロもある頭を細い首で支えています。首にかかる頭の重みは、寝た姿勢ではほとんどゼロになります。頭が首の真上にある姿勢では、首にかかる頭の重みはほぼ頭自体の重さになります。ところが、悪い姿勢ではそれが何倍にもなります」
「ネコ背になって頭が前に出たり、スマホやパソコンをのぞき込んで前に30度傾けた姿勢をとると、頸椎にかかる負荷は約4倍にはね上がります。これは、30度傾けば、頭が下に落ちないように首の筋肉が収縮し、頸椎にかかる圧迫力が4倍になるということを意味します」
恐ろしいですね。
スマホ首、ねこ背、巻き肩がふだんの姿勢になっている方は、まさにその悪姿勢が”形状記憶”されてしまっています。本来の正しい姿勢を取り戻すべく、ぜひストレッチに励むとよいでしょう。
たとえば、イラストのように、壁を背にして立って顎を押すのは定番です。スマホ首の人は壁に頭がつきませんから、頭が壁につくように顎を押してあげるのです(無理は禁物です)
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首を前に倒して首の後ろのストレッチを行った後、首を後ろに倒すストレッチも効果的です。これも反動をつけて上下すると首をかえって痛めるので、ゆっくりと時間をかけて行います。
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朝起きてすぐの床(ヨガマット)に寝そべるストレッチは、前回記事(朝起きてすぐにお勧めのストレッチ)で書きました。わたしが毎日取り組んでいるストレッチのメニューは別の機会に改めて書きます。
(さかきかずひこ)