高配当重視ならインフラファンドも魅力

高配当重視ならインフラファンドも魅力

前回記事で「高配当重視ならJ-REITも選択肢」と書きましたが、もうひとつ、わたしがおすすめしたいのがインフラファンドです。太陽光発電所の発電装置などへの投資に特化した投資法人で、どれも利回りが6%超。J-REITと同じく1株から購入できるのも魅力です(2023.9.27)

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基本はJ-REITと同じ

インフラファンドは東京証券取引所が2015年に創設したインフラファンド市場に上場された投資法人で、通常の国内株やETF(上場投資信託)、J-REITと同じように東証市場で購入できます。

インフラファンド市場の説明は、日本取引所グループ(JPX)のホームページに載っています。 

東京証券取引所(以下「東証」という)では、2015年4月30日、太陽光発電施設などのインフラ施設(以下「インフラ」という)を投資対象とするインフラファンド市場を創設しました。(中略)インフラ整備の社会的意義やインフラに対する投資ニーズの高まりを踏まえたものです。 

インフラファンド市場では、オフィスビルやマンションといった不動産を投資対象とする投資法人又は投資信託が上場するREIT市場と同様に、太陽光発電施設や港湾施設といったインフラを投資対象とする投資法人又は投資信託が上場対象となります。 

インフラファンドの仕組みも基本的にはREITと同様で、多くの投資者から資金を集め、インフラを保有し、そこから生じる収益等を投資者に分配します。 

参考URL:https://www.jpx.co.jp/equities/products/infrastructure/outline/index.html

この記述をみても、基本はJ-REITと同じと考えればよいでしょう。

漫画で存在を知る

わたしは、J-REITのことは以前から知っていたのですが、恥ずかしながらインフラファンドのことは今年に入ってから存在を知りました。J-REITと違って、ビジネス誌や資産運用のムック本などで言及される機会がほとんどないように思います。 

わたしが知ったのは、雑誌「ダイヤモンドZAi」の連載漫画を書籍化した、ホイチョイ・プロダクションズ「マンガ 恋する株式相場!ーーゼロからわかる!投資入門」(ダイヤモンド社)を読んででした(最近2巻が発売されましたが、1巻のほうです) 

わたしのような投資初心者にとって、いまさら聞けない基礎知識も書いてあるので、とても助かる漫画です。デイトレーダーの約定澄太(やくじょう・すみた)が投資初心者の押目華衣(おしめ・かい)らに投資のイロハから教えるーーという形でストーリーが展開し、インフラファンドのことも約定澄太がこんなふうに説明しています。 

成長性はないので値上がりは望めないけど、起こした電力は電力会社が固定価格で買い取ってくれるので、長期に安定して収入が見込める。 

そして得た収入の一部は、投資信託の所有者、つまり株主に、毎年分配金、つまり配当として配られる。 

19年9月時点で上場しているインフラファンドは全部で6社。これが揃って利回り6%以上で、配当がいいんだよ。 

この漫画を読んで、わたしもさっそくインフラファンドを購入しました。ただ、漫画が2019年発刊のため、インフラファンドは現在は5社になっています。

インフラファンド5社の一覧は以下の図のとおりです(PCからは直接URLにジャンプしますが、モバイルでは表示されないので、JAPAN-REIT.COMから探してください)。9月27日現在、5社のうち4社が利回り6%以上です。

JAPAN-REIT.COMより(23年9月27日現在)

利回り6%以上

わたしが所有するのは以下の2法人です(法人名の後ろの数字は証券コード。ファンドの説明はJAPAN-REIT.COMより)。利回りと時価総額、出資企業名などをチェックしながら選びました。

エネクス・インフラ投資法人(9286) 

伊藤忠エネクスをメインスポンサーとするインフラファンド。サブスポンサーとしては三井住友信託銀行含む3社が名を連ねている。上場時ポートフォリオを構成する物件5件は全て太陽光発電所で資産規模(取得価格ベース)は約174億円。 

上場時ポートフォリオの構成及び資産規模に着目すると既存銘柄との違いは見えにくいが、パイプラインに目を転じると、風力発電所3件、水力発電所3件で優先的売買交渉権取得予定となっている点が注目されよう。 

投資方針として太陽光発電所以外の再生可能エネルギー発電所への投資も可能としている銘柄はあるが、優先的売買交渉権取得予定として具体的な物件を挙げている上場インフラファンドは2019年2月12日時点でエネクス・インフラ投資法人のみである。 

今後、もし優先的売買交渉権の取得からポートフォリオへの組入まで順調に進めば、太陽光発電所一色となっている現状の上場インフラファンド市場に一石を投じ、新たな投資資金を呼び込むトリガー的存在となるかもしれない。 

ジャパン・インフラファンド投資法人(9287) 

総合商社である丸紅株式会社の子会社ジャパン・インフラファンド・アドバイザーズ株式会社(2019年2月設立:丸紅90%出資)が運営する7番目の上場インフラ投資法人。 

丸紅・みずほ銀行・みずほ信託銀行がスポンサーとして名を連ねる。上場時のポートフォリオは、石川県・富山県に所在(取得価格ベースで約8割)する太陽光発電施設を中心に15物件から成り、合計パネル出力は約30.4MW、資産規模は100.9億円。固定価格買取制度に基づき、賃借人より最低保証賃料+売電収入連動賃料を受領して収益の安定化を図る。丸紅のセイムポート出資3%およびみずほ銀行グループでのサポートが得られており、上場中のインフラファンドでは最上位となるR&I格付「 A(安定的)) 」も取得。LTVは巡行ベースで60%程度、上限を70%とする。 

2法人の値動きを5年チャート図で見てみましょう(画像は23年9月27日現在のヤフー・ファイナンス)

どちらも値動きは激しくなく、むしろ最近は割安と言っていいでしょう。仮に過去5年の最安値まで値下がりしても、1~2年分の分配金で補填できてしまいます。 

J-REITと違って、なかなか存在自体が知られていないインフラファンドですが、基本はJ-REITと同じと思えば、「国内株は過熱気味で手が出しにくい」という人にとって、購入検討の対象に加えてみてもよいのではないでしょうか。 

(いしばしわたる)