クオカードは本屋さんで使えます

クオカードは本屋さんで使えます

株主優待の魅力を続けます。4回目のきょうはクオカードです。クオカードを株主優待に採用している企業は非常に多く、分散投資の目的で多くの銘柄の株を100株単位で持っていると、さまざまなクオカードが届きます。悩みはどこで使うかです(2023.8.18)

【追記】本文中で言及した「日本取引所グループ」(JPX)は10月26日、株主優待の廃止を発表しました(2023/10/26)

〈PR〉

お仕事の種類は246種類!在宅ワークならクラウドワークス

全国で使えるプリペイドカード

最初に、クオカードについておさらいしますと、日本でもっとも普及していると言っていい汎用型プリペイドカードです。 

公式ホームページをみると、利用できるお店は約6万店にのぼるそうです。主要コンビニはすべて使えるので、もらって無駄になることはありません。 

ですが、節約術としてコンビニ利用を極力減らしている身にとっては、コンビニで使えるというのはあまりメリットではありません(脱線しますが、以前の記事で紹介したVポイント経済圏は、コンビニでの利用でポイント付与率が他の経済圏を圧倒しているのですが、自分にはうま味がありません。それと一緒です) 

全国の書店で使えるのが魅力

ところが、クオカードをいちばん使えるところは書店なのです。 

クオカードの公式HPより

本離れが進んで本屋がひとつもない自治体が全国にじわりと増えているこのご時世で、47都道府県すべての書店を網羅しているサービスというのは珍しいのでは?と思うほど。 

わたしの住む町の本屋さんでも当然のように使えました。以来、書店で書籍や雑誌、文具類を購入する時は、クオカード払いが定着しました。

左から日本ピラー工業、みずほリース(3枚)、本田技研、東京センチュリーのクオカード 

長期保有すると額面が上がる

株主優待にクオカードを採用している企業をみると、長期保有制度をミックスしているところが目立ちます。 

たとえば、原油ガスの開発生産で国内最大手の「INPEX」(1605=証券コード、以下略)は、400株保有すると、1年以上で1000円、2年以上で3000円、3年以上で3000円のクオカードが送られてきます。

INPEXの株主優待ページより

INPEXの場合、配当利回りも悪くない(3・76%=8月18日現在)ので、クオカード分も上乗せした総合利回りで考えると、高利回り銘柄と言ってよいでしょう。 

ちなみにリース大手の「リコーリース」(8566)や「みずほリース」(8425)も、長期保有でクオカードの金額がアップし、かつ配当利回りもよく、総合利回りの高い銘柄として知られています。 

【追記】みずほリースは11月8日、株主優待制度の廃止を発表しました(2023/11/9)

INPEXも全国保証も高い総合利回り

次に「全国保証株式会社」(7164)です。住宅ローンなどの信用保証で最大手の同社の優待内容は、100株の保有で3000円のクオカード、1年以上保有すると5000円のクオカードもしくは5000円相当のカタログギフトというものです。利回りも3・40%(8月18日現在)なので、INPEXなどと同様に総合利回りの高い銘柄です。 

全国保証株式会社の株主優待ページより

最後は通称JPXーー「日本取引所グループ」(8697)です。傘下に東京証券取引所などを持つ国内唯一の総合取引所グループの優待内容は、100株保有でクオカードの金額があがっていき、3年以上で4000円のクオカードがもらえます。 

【追記】日本取引所グループは10月26日、株主優待の廃止を発表しました。プレスリリースによると「株主の平等性確保の観点から公平な利益還元の在り方について慎重に検討した結果、優待制度を廃止し、今後は配当などによる利益還元に集約する」ということです(2023/10/26)

日本取引所グループの株主優待ページより

企業にとって株主優待を行うメリットは、 

  • 自社の商品・サービスの宣伝になる 
  • 長期保有の株主が増えれば株価が安定する 
  • 多くの人が保有すれば買収されにくくなる 

と書きました(株主優待も夫婦そろってやるのがお得) 

まさに長期保有に誘導して株価の安定を図っているわけです。加えて、JPXの場合は、「投資したい」と考える人たちの裾野の拡大も狙っているように思います。 

(いしばしわたる)