「三体」主人公もビックリ!「複利効果」を侮ってはいけない

「三体」主人公もビックリ!「複利効果」を侮ってはいけない

いま話題のNetflixオリジナルドラマ「三体」はご覧になりましたか? その原作を読んでいたら、なんと複利効果のことが出てきました。アインシュタインも絶賛したと言われる複利効果が、注目の「三体」世界のなかでどんなふうに描かれているかを紹介しながら、複利のすごさを再確認してみましょう(2024.4.3)

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知人の間でも「三体」話題

まず「三体」です。Netflixオリジナルドラマはほんとうに話題で、知人の間でも「見た!見た!」と言う人が多いです。当サイトでもすでに記事になっています。

才能豊かな5人の友が、天地を揺るがす恐るべき事実を発見。時空をまたぐ壮大なスケールで、科学の法則が解明され、人類存亡の危機が明らかになっていく。 

複利効果が出てくるのは、劉慈欣氏の原作「三体」3部作の2作目「三体II 黒暗森林」。主人公は、文革(文化大革命)を体験して人類に絶望した葉文潔から“宇宙社会学の公理”を託された羅輯(ルオ・ジー)です。

人工冬眠から200年後に蘇生

「二百年後、人工冬眠から蘇生した羅輯は、かつて自分の警護を担当していた史強(シー・チアン)と再会し、激変した未来社会に驚嘆する」(「三体II 黒暗森林」下巻あらすじ)のですが、この未来社会では、マイクロターゲティング広告がさらに進化して、羅輯個人に看板広告のFP(ファイナンシャル・プランナー)が話しかけてくるのです。

「これは危機紀元九年一月一日から本日までの利息を含めた、お客さまのすべての預金状況です。かなり複雑ですが、今後はマイページからお調べになります」すると、もうひとつの比較的シンプルな表がポップアップした。「これは、総合銀行システムのさまざまなサブシステムすべてを合計したお客さまの財務状況です」
 羅輯はその数字がまったくイメージできず、ぽかんとしていた。「こ、これって……いくらくらい?」
「兄弟、おまえは大金持ちになったんだよ!」史強は羅輯を勢いよくひっぱたいた。「おまえほどじゃないが、おれもまあ、金持ちにはなったぞ。わははは。二世紀分の利息だからな。まさに長期投資ってやつだ。文無しだって金持ちになる。あのときもっと預けときゃよかったと後悔してるぜ、まったく」

「二世紀分の利息」だそうです。なんかすごそう…とは思いますが、引用を続けましょう。

「百八十年以上だよ。その間にインフレとかなかったの? 金融システムだってずっと安定してたのかい?」
(略)
 プランナーが返答した。「大峡谷時代には何度もインフレが発生しました。金融システムが崩壊に近づいたこともあります。しかし、冬眠蘇生者の預金利息につきましては、現行法により、特別な計算方式が定められています。大峡谷時代を除外し、預金額をそのまま大峡谷以後の金融水準に移行して、そこから利息計算を再開しています」
「なんと……そんな優遇措置が!」羅輯は叫んだ。

優遇措置で思わず笑ってしまいました。人類を救う主人公の天真爛漫さが何とも微笑ましいです。

「元本+利息」に利息計算

さて、「三体」の紹介はこのあたりにして、複利効果について話を進めましょう。

複利効果については、一度記事にしています。エッセンスを再掲します。

「単利」は、つねに元金に対して利息が支払われます。例えば、国内株の配当金や、投資信託でも、分配金を再投資せず毎月受け取るタイプを選択したケースが「単利」型です。
 これに対して「複利」は、2年目は1年目の「元金+利息」に対して利息計算され、3年目は2年目の「元金+利息」に対して利息計算される、という具合に、利息に対してさらに利息がつく形となるので、期間が長くなればなるほど利息が膨れ上がります。分配金を再投資に回す投資信託がこれにあたります。

山崎俊輔「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」より
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ラテマネーを運用すればいくらになるか

「二世紀分の利息」計算してみた

では、史強が大笑いした「二世紀分の利息」とは、どのぐらいのものでしょうか。複利計算のシミュレーションサイトで計算してみました。

毎月1万円ずつ預金すると仮定して、年利3%で「200年」と入力。未来の税率はわからないので非課税で計算したところ、こんなグラフになりました。

元本がグリーンの線、利息がレッドの線です。レッドの線がものすごい急カーブですが、金額を確認してもっと驚きました。元本2400万円に対して、利息がなんと14億円超でした!

グリーンの枠が元本、レッドの枠が利息

40年でも元本2倍に

「三体」の主人公・羅輯のような「二世紀分の利息」はさすがに無理でも、40年ぐらい先ならリアルな現実です。20歳から毎月1万円ずつ年利3%の投資信託をコツコツと積み立てた場合、40年後の60歳でいくらになっているか…さきのシミュレーション表の40年のところをみると、

元本480万円に対して利息が439万円。つまり元本がほぼ2倍になっています。史強の言う「まさに長期投資ってやつ」は、やっぱり最強の投資術です。

「人類最大の発明」

先の記事(ラテマネーを運用すればいくらになるか)でも紹介しましたが、複利効果については、アインシュタインが言ったとされる言葉が有名です。

「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」
“Compound interest is man’s greatest invention. He who understands it, earns it. He who doesn’t pays it.” 

引用は https://gentosha-go.com/articles/-/24498 より

この記事を読んだみなさんはすでに「知っている人」です。いまからコツコツと積立投資信託を始めてはいかがですか。

(いしばしわたる)

『三体』最終予告編 – Netflix

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