NotebookLMで銘柄選別|『四季報』500銘柄と理論株価をAI分析する最強プロンプト術

NotebookLMで銘柄選別|『四季報』500銘柄と理論株価をAI分析する最強プロンプト術

マネー誌で気になる銘柄を見つけた際、1件ずつ指標をチェックする手間に悩んでいませんか? Googleが提供する無料のAIノートツール「NotebookLM」を使って、決算短信と理論株価から銘柄選びをする具体的な手順、AI特有の「誤回答」を防ぐプロンプト(指示文)のコツ、驚愕の「音声解説」機能を徹底解説。併せてAIが選んだ『割安・優良銘柄TOP3』も公開します(2026.3.19)

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わたしのアナログな銘柄チェック5工程とNotebookLMを比較してみた

「NotebookLM」の資産運用への活用術について記事にまとめるのは今回が3回目です。1回目でわたしと妻の保有資産の分析、2回目で個別銘柄を深掘りする方法を記事にしました。 

👉そもそもNotebookLMとは?(1回目の記事):NotebookLM活用術|保有株をAIで無料分析!理論株価と日経指数と掛け合わせる投資戦略

NotebookLM活用術|保有株をAIで無料分析!理論株価と日経指数と掛け合わせる投資戦略
ここ数日、資産運用の絡みで使い始めて衝撃を受けているモノがあります。まだまだ素人レベルで「他人に勧める資格なし!」と自覚しているのですが、それでも、これは絶対オ…
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👉NotebookLMを使って個別銘柄を深掘りしてみた!(2回目の記事):NotebookLMで銘柄分析|ウィルズ(4482)のCF生成力・DOE・ROICをAI判定した結果 

NotebookLMで銘柄分析|ウィルズ(4482)のCF生成力・DOE・ROICをAI判定した結果
Googleの生成AIサービス「NotebookLM」を個別銘柄の分析にどう役立てるか。キモはソースの精度と質問内容です。AIに騙されないためのソース選びととも…
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きょうは、個別銘柄を深掘りする前に、マネー系雑誌やムックをみて、 

お!この銘柄は高配当だし株主優待もよさそう!株価をチェックしようかな… 

みたいな銘柄に”当たり”をつける時用の活用術です。 

実際にNotebookLMで調べる方法をお伝えする前に、わたしはふだんどうしていたかを簡単に触れます。 

わたしは雑誌等で気になる銘柄が見つかったら、 いかにもアナログな、以下の5つ工程を行っています。

  1. ヤフーファイナンスのアプリに「監視銘柄」というポートフォリオを作ってあるので、そこに証券コードを入力してまず登録する
  2. ヤフーファイナンスで企業情報配当利回り配当性向も)、株主優待業績決算チャートのタブをチェック。どこかに疑問符が生じたら、その時点でポートフォリオから削除する
  3. 次に会社四季報ONLINEにアクセスして、四季報スコアをチェックする。特に注目するのは「成長性」と「収益性」の2項目で、どちらも1ないし2だったら、その銘柄もポートフォリオから外す 
  4. 最新の会社四季報の記述をみて、気になるところがないかチェック。併せて適時開示情報で「決算資料」をチェックする
  5. 残った銘柄のうち、ものすごく欲しいと思った銘柄は1週間チャートの最安値を入力、それ以外は1か月チャートの最安値を入力。そこまで株価が下がるかどうかを監視する

2の部分は、業績が悪い銘柄は大抵はねてしまいます。やっぱり増収増益の企業でないと、減配リスクや優待廃止・改悪リスクを抱えることになるためです。チャートをみるのは、急カーブで株価が上昇している銘柄は高値掴みのリスクとなるので、これも大抵外します。 

でも、NotebookLMなら、2回目の記事で詳述したとおり、「決算短信」をもとにデータ分析を行うのは得意中の得意です。また、1回目の記事で活用した『ダイヤモンドZAi』の別冊付録「理論株価」のデータをかけ合わせれば、その銘柄の割安度もチェックできます。 

それなら、ヤフーファイナンスの「監視銘柄」のポートフォリオに入れるタイミングで、経済指標(2回目の記事で紹介したCF生成力DOEROIC)や理論株価をNotebookLMで分析してみればいいじゃないか…と思うのは至極当然のことです。 

【実践】四季報500銘柄×ダイヤモンドZAi理論株価をAIに読み込ませる

ちょうど定期購読中の『会社四季報 プロ厳選の500銘柄』2026年春号(東洋経済新報社)と『ダイヤモンドZAi』の5月号(この号は「理論株価」2026年春版の別冊付録付き)が届いたところです。 

会社四季報 プロ厳選の500銘柄』2026年春号と『ダイヤモンドZAi』の5月号(別冊付録「理論株価」2026年春版)

そこで、両雑誌から気になった銘柄の最新の決算短信を入手。「理論株価」2026年春版と一緒にNotebookLMにアップロードしました() 

*「理論株価」のアップロードは著作権法に抵触するので、あくまで個人のNotebookLMでの利用にとどめます。第三者が利用できる形のアップロードは不可です。 

まだ両雑誌とも届いたばかり。読み始めてすぐのため、とりあえず、いくつか目にとまった7つの銘柄で試してみました。以下の7銘柄です。 

  • SREホールディングス(2980):ZAi5月号のIRレポート 
  • アドソル日進(3837):ZAi5月号のIRレポート 
  • パワーソリューションズ(4450):ZAi5月号のIRレポート 
  • ERIホールディングス(6083):500銘柄の64ページ「本命銘柄70」のひとつ 
  • オイレス工業(6282):ZAi5月号のIRレポート 
  • GSIクレオス(8101):500銘柄の10ページ「業界再編、先回り術」で言及 
  • イー・ギャランティ(8771):500銘柄の10ページ「業界再編、先回り術」で言及 

ZAiのIRレポートは、トップインタビューで各社社長が自社のアピールポイントを強調しています。裏を返せば”宣伝”臭を感じるコーナーですから、NotebookLMで「決算短信」を分析してみたくなる銘柄の最たる例とも言えます。 

AIが間違えた!NotebookLMで正確な分析結果を出すプロンプトの鉄則

それではいよいよ「7銘柄の徹底分析の結果はいかに!」…と言いたいところですが、実はそれほど簡単ではなかったです。 

というのも、なるべく指示(プロンプト)を正確にやったつもりでも、それでも間違った動作が発生したのです。 

《プロンプト》各銘柄のキャッシュフロー(CF)の生成力について分析して、わかりやすく解説・評価を行ってください。そのうえで、ランキング形式にしてください。

というプロンプトを入れたのですが、画像1のような回答が返ってきました。 

NotebookLM プロンプト 失敗例
画像1=決算短信をソースに登録した7銘柄以外のトーメンデバイスジェイリースがランキングに入って来た

あれれ?決算短信をソースにいれた7銘柄以外が出てきたぞ! そっかあ…「理論株価」から引っ張って来たんだな! 

ソースはチェックリストで除外できるので、理論株価のチェックリストを外して同じプロンプトを入れ直しました。でも、それでもまだ理論株価の影響が残っています(画像2) 

NotebookLM プロンプト 失敗例
画像2=7銘柄のERIホールディングスが出てきたが、まだ7銘柄と関係のないジェイリースが出ている

うーん、まだ理論株価の影響が残ってるなあ… 

そこで、プロンプトをこう直しました。 

《プロンプト》各銘柄の決算資料を分析して、キャッシュフロー(CF)の生成力について、わかりやすく解説・評価を行ってください。そのうえで、ランキング形式にしてください。理論株価のソースは参照しないでください。 

これでやっと正しい回答が返ってきました。 

ここで結論です。少しくどいくらいでいいので、生成AIが誤解の余地のない指示を出すようにする、ということですね。 

CF・DOE・ROICを徹底比較!AIが判定した「投資対象TOP3」の結果発表

さて、それではマネー系雑誌で目にとまった7銘柄の分析です。訊ねたのは以下の4点です。 

  • キャッシュフロー(CF)生成力:配当の原資となるお金を生み出す力はあるか 
  • DOR(株式資本配当率):配当を継続するだけの基盤がしっかりしているか 
  • ROIC(投下資本利益率):投資家等が預けたお金をどれだけ効率よく増やしているか 
  • 理論株価との乖離率:資産/利益/成長価値に基づく理論株価と比べて割安か割高か 

最初にCF生成力です。NotebookLMはこんなランキング表を生成してくれました(画像3) 

AIによる銘柄分析ランキング表
画像3=CF生成力のランキング。理由の部分も簡潔にポイントをまとめてある

表のあとに各銘柄について細かく解説もついていまし、DOEとROICも同じ形式で精緻な回答を出してくれました。 

おもしろいことにランキングはそれぞれの項目で異なるので、順位(丸数字)と寸評の見出し部分を一覧にして、ランキング1位はゴシックにました(※表は横にスクロールしてご覧いただけます) 

NotebookLMが導き出した7銘柄の財務比較

証券コード銘柄名CF生成力DOEROIC
2980SRE HD⑤ 高成長だが投資先行型⑦ 再投資による価値向上⑥ 先行投資が資本を圧迫
3837アドソル日進④ 安定した高水準のCF② 記念配当含む積極還元② 高付加価値なIT投資
4450パワーソリューションズ③ 成長と財務健全性の両立⑥ 成長投資優先④ 成長投資の回収期
6083ERI HD② 現金を回収する「質」が最高① 驚異的な還元意欲① 驚異的な資本効率
6282オイレス工業⑦ 財務の鉄壁さはトップ⑤ 財務の厚みがDOE抑制⑤ 安定しているが重厚
8101GSIクレオス⑥ 商社特有の安定感④ 堅実な配当水準⑦ 商社特有の資本負担
8771イー・ギャランティ① 圧倒的な利益率と還元力③ 高収益に基づく還元③ 低資本・高収益モデル

※株価・理論株価は2026年3月時点のNotebookLM分析による

続いて理論株価との乖離率です。一覧を出してくれただけでなく、投資前提の評価もくれました。 

各銘柄の割安度分析と評価 

1. 割安圏内にある銘柄(GSIクレオス、アドソル日進) 

これらの銘柄は、決算資料で示された好調な業績が、理論上の適正価値(資産・利益・成長の合計)に対してまだ十分に株価に反映されていない状態です。 

  • GSIクレオス (8101): アジア向けの繊維事業やトリアセテート事業の稼働進展により純利益が17.0%増と好調ですが、理論株価3,221円に対して現在値は2,586円と、依然として20%の割安放置状態にあります。 
  • アドソル日進 (3837): 社会インフラやDX案件の旺盛な需要で3期連続の最高業績更新を見込み、16期連続増配を発表するなど還元姿勢も強力です。しかし、理論株価は1,582円であり、現在値はそれより17%割安な水準に留まっています。 

2. 理論株価と同等〜やや割高な銘柄(イノベーティブ・S、オイレス工業) 

  • イノベーティブ・ソリューションズ (4450): EBITDAが前年同期比68.5%増と急成長していますが、株価は理論株価(1,989円)をわずかに上回る水準(9%高)まで買われています。 
  • オイレス工業 (6282): 自己資本比率81.8%という圧倒的な財務の健全性を誇りますが、試験設備の不具合による利益下振れもあり、現在は理論株価より9%高い評価となっています。 

3. 将来期待が理論値を大幅に上回る銘柄(ERI HD、イー・ギャランティ、SRE HD) 

これらは、資産や現在の利益から計算される理論値を株価が大きく超えて評価されている「期待先行型」の銘柄です。 

  • ERIホールディングス (6083): 省エネ基準適合義務化により中間純利益が273.9%増という爆発的な伸びを見せており、その成長性が評価され株価は理論値より60%高くなっています。 
  • イー・ギャランティ (8771): 営業利益率46.9%という驚異的な収益構造への信頼が厚く、理論株価を90%上回るプレミアム価格で取引されています。 
  • SREホールディングス (2980): AIクラウド事業の急成長(セグメント利益52.2%増)などにより、将来の成長価値が極めて高く見積もられています。その結果、理論株価1,044円に対し現在値は3,550円と、240%もの乖離が生じています。 

結論 

「実力に対して株価が安い」アドソル日進が最適です。一方で、SREホールディングスイー・ギャランティは、現在の利益水準を超えた「圧倒的な将来のビジネスモデル」が株価に織り込まれている状態と言えます。 

これはかなり賢いですね~。ここまでアドバイスできるなら、経営指標(CF生成力、DOE、ROIC)と掛け合わせて、投資先としてどこがおススメと返ってくるか、試したくなるのが人情というもの。さっそくやってみました。

プロンプトはこのようにしました。 

《プロンプト》決算資料を分析してもらった7銘柄について、CF生成力、DOE、ROICの分析と理論株価との乖離率をもとに、投資対象として優れていると判断する銘柄を3銘柄挙げてください。その理由の説明もくわしくお願いします。

以下がNotebookLMの結論です。 

第1位:アドソル日進 (3837) 

「収益性・成長性・還元の三拍子が揃った、最もバランスの良い優良株」 

  • 理由1:圧倒的な還元姿勢と安定性 今期は創立50周年の記念配当を含め、16期連続の増配を予定しています。DOE(株主資本配当率)も高く、自己資本比率72.9%という鉄壁の財務基盤を背景に、極めて安定した株主還元を実現しています。 
  • 理由2:高付加価値ビジネスによる高いROIC エネルギーやDXなどの「景気に左右されにくいICT投資テーマ」に注力しており、営業利益率は14.0%に向上しています。設備投資を抑えつつ高い利益を出す構造により、投下資本利益率(ROIC)も高水準で推移しています。 
  • 理由3:理論株価に対して17%割安 3期連続で過去最高業績を更新する見込みでありながら、理論株価1,582円に対し現在値は1,320円と、実力に対して17%割安な水準で放置されています。 

第2位:GSIクレオス (8101) 

「構造改革が奏功し、理論株価との乖離が最も大きいお宝銘柄」 

  • 理由1:今回分析した中で最大の割安度 理論株価3,221円に対し現在値は2,586円であり、20%もの割安判定となっています。実力に対する市場の認識が最も遅れている「お宝株」の状態と言えます。 
  • 理由2:収益構造の劇的な改善 不採算事業からの撤退や、買収したトリアセテート繊維事業の稼働進展により、純利益は前年同期比17.0%増と大きく伸びています。商社でありながら製造機能を強化したことで、利益率とCF生成力が向上しています。 
  • 理由3:安定した配当と資本効率 中期経営計画に基づき、配当予想を102円に引き上げるなど株主還元を強化しており、資本を効率よく利益に変える体制が整っています。 

第3位:ERIホールディングス (6083) 

「法改正の追い風を捉えた、圧倒的なCF生成力と資本効率を誇る成長株」 

  • 理由1:爆発的なCF生成力 中間決算での営業利益は前年同期比268.6%増と驚異的な伸びを記録しています。営業活動によるキャッシュ・フロー(3,061百万円)が利益(2,088百万円)を大きく上回っており、稼いだ利益が即座に現金化される「極めて質の高いCF」を創出しています。 
  • 理由2:全銘柄でトップクラスのROICとDOE 省エネ基準の適合義務化という法改正の追い風を、少ない投下資本で確実に利益に変えており、ROICは極めて高い水準です。また、配当を前期の60円から110円へと大幅に引き上げており、DOEの観点からも株主への分配意欲が突出しています。 
  • 理由3:割高を許容できる成長スピード 理論株価に対しては60%割高という判定ですが、これは直近の爆発的な利益成長を理論値が追い越せていないためです。本業の現金創出力(CF)の強さを考慮すれば、このプレミアムは十分に正当化されるレベルです。 

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投資判断のまとめ 

  • 堅実かつ割安な投資を好むなら、アドソル日進GSIクレオスが最適です。 
  • 圧倒的な成長スピードと資金効率を重視するなら、ERIホールディングスが最も魅力的な選択肢となります。 

なお、SREホールディングス (2980)は成長性こそ随一ですが、理論株価に対して240%割高であり、現在の株価には将来の期待が過度に織り込まれているリスクがあるため、今回は選外としました。 

すごい……。今までのアナログな選び方が馬鹿らしくなってきました。 

銘柄選びは、きっと生成AIをかませることがスタンダードになっていく気がします。 

ただ、繰り返しになりますが大事なポイントは、前回(2回目)の記事で書いたとおり、ソース選びが大事になることと、適切な指示(プロンプト)を行うこと。それも、生成AIの誤解の余地がないよう、くどいくらいでいいので正確な指示を出すことです。 

驚愕の「音声解説」機能|スマホで再生、ポッドキャスト的使い方も可能

最後に「音声解説」機能について紹介します。

これは「Studio」のところで「音声解説」を選べば自動的に生成してくれます。1回目の記事でムックの紹介文を次のように引用しました。

登録されているすべての情報を参照して、その内容を男女ふたりのトーク形式でまとめてくれます。日本語でもほとんど不自然さはなく、まるでラジオを聞いているよう。 

今回の銘柄分析はボリュームもあるので、「音声解説」機能を試してみよう…と思いました。てっきり文章を読み上げてくれるんだろうと思って……。

ところが、まったく違いました。男女ふたりが掛け合いで約20分にわたって解説する内容です。イントネーションは確かに若干AIチックかもしれませんが、そんなことより内容の濃さに驚愕しました。

例えば、一時的な減益を「足首の捻挫」に例えるやりとりまで出てきます。下記に一部抜粋したので聴いてみてください。

いかがですか。無味乾燥な決算短信に、足首の捻挫なんて小洒落た記述があるとは思えません。こちらでプロンプトで指示してもいないので、AIが「自分で考え、採用した喩え」ということです。

忙しい投資家に朗報!NotebookLMの「音声解説」で耳から銘柄分析

このクオリティーなら、ポッドキャスト的な使い方も十分可能です。

気になる銘柄の決算短信をソースに音声解説を生成しておけば、NotebookLMのスマホアプリから再生できるので、通勤時間や家事の合間に聴く、といった使い方ができそうです。仕事が忙しくて四季報をじっくり読む暇がないような人には、うってつけの機能です。

また、米国株に投資している方なら、英語の決算資料をソースに読み込んで、日本語の音声解説を生成するーーといった使い方もできるでしょう。

精緻な分析といい、ジョークまで交える音声解説といい、生成AIは人間を超えてるかも…と思うこの頃です。

(いしばしわたる)

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