ソフトバンクが株主優待新設…経済圏争いさらに活発に

ソフトバンクが株主優待新設…経済圏争いさらに活発に

ソフトバンク(証券コード=9434)が株式分割を行うと発表しました。昨年のNTT同様、100株単位でも2万円弱で買えるようになります。新NISAを受けた対応ですが、同時に株主優待を新設して100株以上保有すればPayPayポイントが1000ポイント付与されます。経済圏争いがさらに活発になってきたあかしと言えそうです(2024.4.26)

〈PR〉

資格不要で稼ぐなら「クラウドワークス」

新NISA意識し買いやすく

ソフトバンクが25日発表したプレスリリースには、9月30日を基準日とする株式分割(1株⇒10株)と株主優待新設の理由について、明確に新NISAを挙げています。 

日本国内においては「貯蓄から投資へ」のシフトを促すべく、2024年より新NISA(少額投資非課税制度)が開始され、投資家層のさらなる拡大が進むと想定されます。 

このような状況を踏まえ、当社は今後、若年層を含む新たに投資を始める方に、初めて投資する株式として当社株式を選択していただき、かつその長期保有を促すことによって、投資家層のより一層の拡大を目指します。加えて、当社関連サービスの利用を通じて、当社グループの事業に対する理解もより一層深めていただきたいと考えています。 

これらの目的のため、普通株式に係る株式分割による投資単位当たりの金額の引き下げと、株主優待制度の新設を行います。 

https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240425_01/

ソフトバンクの株価は1849.5円(4月25日終値)ですから、10分割されれば100株でも2万円弱で購入できます。「若年層を含む新たに投資を始める」人にも買いやすい銘柄になるのは間違いありません。 

昨年7月にNTTが25分割を行い、100株2万円弱で購入できるようになった”先例”を踏襲したとも言えます。 

逆目に張る株主優待新設

でも、株式分割以上に見逃せないのが、株主優待の新設です。100株以上を1年以上保有する株主に「PayPayポイント(1000ポイント)」を贈呈するという内容です。 

株主優待については、外国人投資家らとの公平性などを理由に廃止する企業が目立っていました。JTオリックス、最近では日本取引所グループも同様の理由を挙げて株主優待を廃止しています。 

その中で逆目に張って株主優待を新設するのは、やはり他の携帯キャリアが株主優待を経済圏争いに活用しているからではないでしょうか。 

NTTの株主優待は、100株以上の株主は、2年以上3年未満の継続保有でdポイントが1500ポイント、5年以上6年未満の継続保有で3000ポイント付与するという内容です。 

KDDIの株主優待は、長らく全国のグルメから好きな商品を選べるカタログギフト(100株保有で3000円相当)で人気でしたが、昨年優待内容の変更を発表。PontaポイントauPAYマーケットなど「自社関連サービスの特典」から選択する形式に変わりました(100株で、1年以上継続保有で2000円相当、5年以上で3000円相当) 

それぞれの経済圏に誘導する優待内容なので、ソフトバンクもPayPayポイントを優待に活用することにしたのでしょう。 

PayPayを再インストール

でも、ソフトバンクの思惑は、正直あたってます。 

わたしは、PayPayはスタート当初に試しにインストールして使ってみたものの、楽天経済圏の住民として楽天ペイを使う頻度が多く、PayPayはわずかな残額を残して死蔵状態となり、すでにアンインストールしていました。 

初回の権利確定が26年3月末とかなり先ですが、自分も妻もソフトバンク株は持っているので、PayPayは使える状態にしておこうと考え、PayPayを再インストールしたところです。 

こうやって企業の思惑に乗せられるのは少し癪ではありますが、賢く利用するのがポイ活の正しいありようでしょう。PayPayも機会をみて使ってみようと思います。 

それにしても、ソフトバンクはもともと高配当株として知られていました(予想配当利回りは4.59%=4月26日現在)。ですから、株主優待を加えた総合利回りはかなり高くなりそうです。 

他のキャリアの動きも注目

ソフトバンクの動きをみて、KDDIが株式分割や優待の拡充を考えるかもしれません。NTTも現状の優待内容は他のキャリアより見劣りしているので、何か巻き返しを図るかもしれません。 

楽天は、今年から始めた楽天モバイルの「1か月30GBが1年間無料で使える」という優待を来年も継続するか注目されています。

他のキャリアの動きをみれば、楽天は何もしないわけにはいかないでしょう。

やはり、競争こそサービス充実の力の源泉ですね。 ありがたい限りです。

(いしばしわたる) 

〈PR〉

登録は簡単、3ステップのみ!無料会員登録はこちら