Googleの生成AIサービス「NotebookLM」を個別銘柄の分析にどう役立てるか。キモはソースの精度と質問内容です。AIに騙されないためのソース選びとともに、キャッシュフロー(CF)生成力、DOE(株式資本配当率)、ROIC(投下資本利益率)を訊ねてみた結果を共有します(2026.3.18)
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目次
NotebookLMの落とし穴|決算説明資料より「決算短信」を読ませるべき理由
Googleの生成AIサービス「NotebookLM」は、他の生成AIと異なり、利用者がアップロードしたソース以外は参照せずにソースの分析をしてくれます。
NotebookLMの資産運用への活用術についてまとめた記事はこちら
ここ数日、資産運用の絡みで使い始めて衝撃を受けているモノがあります。まだまだ素人レベルで「他人に勧める資格なし!」と自覚しているのですが、それでも、これは絶対オ…hintnomori.com
上記の前回記事で個別銘柄について触れましたが、実は、いくつかの個別銘柄で試してみて「違和感」を感じました。

まるで社長や財務担当者がIR説明会でアピールしてるような表現が散見されるなあ…
そこでハタと気づいたのは、わたしが選んだソースがよくなかったのでは?ということでした。
財務データを読むのが苦手なわたしは、適時開示情報をみる時は「決算短信」ではなく、パワーポイントで作ったようなスライド構成の決算資料を好んで見ています。NotebookLMにアップロードしたソースも、スライド構成の決算資料のほうでした。

NotebookLMに読ませるのは、むしろ「決算短信」だけのほうがいいのではないだろうか…
そう気づいて、いままで作った個別銘柄のノートブックはすべて破棄。あらたに2024年以降の決算短信だけを読ませたノートブックに作り変えました。
投資のプロ・広木隆氏に学ぶ!AIに問いかけるべき「3つの重要指標」
さて、それでは次は何を訊ねるかーーです。
その質問づくりには、最近読んだばかりの広木隆氏(マネックス証券チーフ・ストラテジスト)の『株はずっと上がるもの 誰も書けなかった株式投資の真実』(日経BP社)を参考にさせていただきました。

『株はずっと上がるもの 誰も書けなかった株式投資の真実』紹介
相場人生40年の集大成!
銘柄選択から、株の売り方、バブルや暴落への心構え&行動まで徹底解説!「なぜ株は上がるもの」と言い切れるのか、そのロジックを3つの視点から解説。
資本主義を生きる鍵となる株式投資を平易に教えます。アカデミックな理論に裏打ちされた高度な投資法や
多くの投資家がチェックしている「高配当株」投資の本質についても
他の本では触れられていないポイントから書かれています。
- |項目 |内容|
- |著者 |広木 隆|
- |出版社|日経BP|
- |発売日|2026年3月13日|
広木隆氏の本は、高配当株というだけではだめだと指摘し、キャッシュフロー(CF=企業に入ってくるお金のこと)の生成力に着目すべきーーと説いています。
高配当株の選び方も工夫が必要です。単に配当利回りの高さだけに着目するのではなく、その原資であるCF(キャッシュフロー)にも注目することが大切です。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの調査リポートは高配当とFCF(フリー・キャッシュフロー)利回りが密接に関連しており、「高配当株は単なる配当利回りの高さで選ばれているのではなく、CF生成力の強さが高配当株の成績に寄与している」という事実を統計的に示しています。
広木氏は、ROE(自己資本利益率)についても、高いだけではだめで、もうひと手間かける必要性を説き、DOE(株主資本配当率=純資産に対してどれだけ配当を出しているか)に言及します。
配当利回りに、もうひとつ別のファクターを組み合わせることでさらによいパフォーマンスが期待できます。
マネックスの同僚である吉野貴晶さんは配当利回りに加えて、DOE=株主資本配当率(配当額÷株主資本)を組み合わせた投資戦略を提案しています。
こうした指摘を踏まえて、広木氏は次のように書いています。
重要なことは高い配当を支払い続けていけるだけのCF創出力、ひいてはそれを生み出す事業の安定性、将来性まで考慮して投資することが重要です。
広木氏はもうひとつ、ROIC(投下資本利益率=預けたお金をどれだけ効率よく増やしているか)にも言及しています。1999年度以降のデフレ期とインフレ期を分析した論文を紹介したうえで、
この論文では改めてすべての期間でROEが有効でなかったことを示したうえで、ROA(総資産利益率)とROIC(Return On Invested Capital:投下資本利益率)については有意に正のアルファが検出されたことを報告しています。両者ともデフレ期では有意な値にならず、インフレ期になってその効果が高まっている点がミソです。
中でもROICのアルファがインフレ期に大きく高まっていることが特筆されます。
ふむふむ、なるほど…と読んで、NotebookLMへの質問を考えました。次の3つです。
- キャッシュフロー(CF)の生成力について分析して、わかりやすく解説・評価を行ってください。
- 株式資本配当率(DOE、配当額÷株主資本)について分析して、わかりやすく解説・評価を行ってください。
- 投下資本利益率(ROIC)について分析して、わかりやすく解説・評価を行ってください。
【実践】ウィルズ(4482)を分析!CF生成力とDOE10%超の驚異的データ
では、具体的にNotebookLMに訊いてみた結果を共有しましょう。
選んだ銘柄は、「プレミアム優待倶楽部」の提供企業で、昨年暮れから買い増しているグロース株のウィルズ(証券コード:4482)です。
ウィルズとプレミアム優待倶楽部についてはこちらをごらんください
株主優待に押し寄せるDXの波は、優待の定番であるカタログギフトにも変革を及ぼしそうです。ウィルズ(証券コード:4482)が提供するポイント交換プラットフォーム「…hintnomori.com
ウィルズの過去3年(24年:通期、25年:通期、26年:1期)の決算短信を読み込ませたうで、CF生成力を訊ねてみました。
ウィルズ(4482)のCF生成力を訊ねたところ、詳細な分析リポートが出てきました
詳細な内容なので「総合評価」以外は省略しますが、以下の回答でした。
- 営業キャッシュ・フローの推移と生成力の源泉=略
- 投資と成長への資金配分=略
- 株主還元と財務活動=略
- 総合評価
ウィルズのキャッシュ・フロー生成力に対する評価は以下の通りです。
評価:極めて良好
高い現金化能力: 利益を上げるだけでなく、それを上回る現金を効率的に回収するモデルが確立されています。
自立した成長資金: 外部からの借入に頼ることなく、営業CFの範囲内でソフトウェア投資と配当支払を余裕を持って賄えています。
潤沢な手元流動性: 現金及び現金同等物の期末残高は、2023年末の14億1,249万円から2025年末には31億3,156万円へと倍増しており、今後の新規事業や機動的な資本政策に向けた余力も十分です。
このように、同社は「稼いだ利益が着実に現金として残る」という、経営の安定性と成長性を両立させた質の高いキャッシュ・フロー構造を有していると評価できます。
すごいですね~ 賢いですね~
ROIC30%超え?AIが「最高水準」と太鼓判を押したウィルズの資本効率
DOEとROICは、総合評価だけ紹介します。
- 総合評価
ウィルズのDOEに関する評価は「最高評価(極めて優秀)」といえます。
株主重視の姿勢: 利益だけでなく、純資産をベースにした高い還元基準(DOE 10%超)を掲げることで、株主に対して長期的な安心感と高いリターンを提供しています。
機動的な資本政策: 配当だけでなく自己株式の取得も積極的に行っており(2025年度は約1.4億円)、これらを組み合わせることで資本の最適化を図っています。
将来の見通し: 2026年度に向けた大幅な増配予想からも分かる通り、業績の拡大を背景に、DOEを高い水準で維持しながら配当額そのものを増やしていく「累進的な還元」が期待できる状態です。
このように、同社は「成長投資(ソフトウェア開発等)」と「国内トップクラスのDOE水準による還元」を高い次元で両立させている稀有な企業であると分析できます。
- 総合評価
ウィルズのROICに対する評価は「最高水準(極めて優秀)」です。
資本効率の卓越性: 日本の上場企業の平均的なROICが5〜7%程度、優良企業でも10%超とされる中で、30%を超える水準は驚異的です。これは、株主や債権者から預かった資金を、そのコストを遥かに上回る効率で増やすことに成功していることを意味します。
投資と還元の両立: 高いROICを背景に、将来の成長のためのソフトウェア投資(2025年度は約4億円)を行いながら、同時にDOE(自己資本配当率)10%を超える積極的な還元も継続できています
。
経営の質: 東京証券取引所が求める「資本コストや株価を意識した経営」を高いレベルで実践しており、資本収益性の観点からは非の打ち所がない状態といえます。
今後は、2026年1月より広告事業を行う連結子会社を吸収合併し、グループ管理コストの低減と経営資源をコア事業へ集中させる方針を示しており、さらなる資本効率の向上が期待されます。
まとめ:含み損でも買い増しを決めた理由。AI分析を「投資の盾」にする習慣
新規に購入したい、あるいは買い増ししたい…と思った銘柄は、このように過去3年分の決算短信を読み込ませたうで、ROICなどの質問を訊ねる。それを習慣化すれば、

あれ~?高配当利回りの人気株だと思って買ったのに、なんかパフォーマンスが悪いなあ …
みたいなケースは軽減できるのではないでしょうか。
ウィルズは株価がいまひとつで、2000株を保有するわたしも、3000株を保有する妻も、含み損を抱えています(3月18終値で、わたしが4万6600円の含み損、妻が9万8600円の含み損)
でも、これだけ高評価なら、ブレずに当初の方針(6月の権利確定までにわたし名義で1000株買い増す)を維持します!
そして、他の銘柄でも、NotebookLMで同様の方法(過去3年の決算短信+CF/DOE/ROICの分析)を励行するつもりです。
NotebookLMの使い方はまだ別の手法もあるのですが、それは別の機会に改めて。
(いしばしわたる)
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