新NISAの影響でしょうか。この1年、シニア世代の女友達との集まりで「投資」の話題が出る機会が増えました。ひと昔前なら、女子会で投資のネタなんて「あり得ない!」と思ったはず。ですが今や、私たちシニア世代だからこそ外せない、等身大の関心事になっています。ただ、ここ最近でその投資トークの内容が、少し変わってきた気がするのです。今日は私たちシニア世代の投資について、少しお話ししてみたいと思います。 (2026.7.23)
- シニア世代の投資では、内容や手数料が分からないまま銀行窓口で始めることで不安やモヤモヤが生じやすい。
- インフレや物価高に備えるためにも投資の継続は有効だが、人任せにせず自身で資産状況を把握することが重要。
- 保有商品の確認やネット証券への切り替えなど、段階的なステップを踏むことで安心して運用を続けられる。
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目次
投資を始めたものの「このままでいいの?」という悩み
シニア世代と言っても、わたしや友人たちは、年金を受け取るにはまだ早い、でもそろそろ長年勤めた仕事からの卒業を考える時期。旅行やジム、趣味の時間をもっと大切にしたい…という年頃です。いわゆる「アラカン」のほうがピッタリ来るのかもしれません。
そんなアラカンの女性たちは、バブル期に投資で大損をした人たちを間近で見てきたせいか、若い世代よりも「投資はギャンブル」と強く思っている人が多いのではないかと思いまます。
ところが。そんな世代の私の友人たちにも、新NISAがはじまる2024年前後ぐらいから、「投資って始めるべき?」という思いが広がってきた気がします。
私が証券口座を開設して投資を始めたのは5年ほど前のこと。 まだまだ初心者ではあるものの、当サイトで記事を書くと友人にURLを共有したりするうちに、友人たちから相談を受ける機会が増えました。

📖投資を始めた頃のことを書いた記事はこちら👉
投資に必要な2つの我慢:「やめない」と「売らない」
その相談の内容が、最初のうちは「投資ってやるべき?」だったのから、最近は「始めてみたものの、このままでいいの?」という不安の声へ変わってきている気がするのです。
「株価で一喜一憂は嫌!」と言っていた友人の決断
先月、たまたま3人の友人から同じようなお悩みを聞きました。これは偶然でしょうか。それとも、みんな同じ不安を抱えているのかも……。
例えば、長年の友人サクラ(仮名)とランチした時の会話ーー。
実はさ、わたしも最近ちょこっとNISAを始めたのよ
え〜っ、なんで!? 毎日株価を見ながら一喜一憂するなんて、絶対に嫌だって言ってたじゃない!
そうなんだけどね。去年仕事を辞めてから、アメリカやフランス、イタリアとかを旅行したでしょ。そしたらどこに行っても、ホテルも食事も、観光スポットの入場料も思っていた以上に値上がりしてたんだよね。そのうえドルもユーロも高くて、あぁ、円って弱くなってるんだなぁ…って実感したの。ニュースで『資産を日本円だけで持っていると価値が目減りする』ってよく聞くけど、身をもって分かったんだよね…
サクラは私と同い年です(年齢は60歳前後と思ってください)。彼女は昨年、「動けるうちに大好きな旅行を満喫したい!」と、少し早めのリタイアを決意しました。
それからは羨ましいくらいにいろいろな国を飛び回っています。でも、帰国して会うたびに、前回行った時と比べて何もかもが2倍3倍になっていて……と、世界の物価高騰ぶりに悲鳴を上げていたのでした。
安心できるから?銀行でNISAを開設した友人たち
サクラとの会話の続きです。
確かにねぇ。日本円で貯金していても、価値は減るばかりだもんね。それにしても思い切ったよね。どこの証券会社で始めたの?
そこなのよ! 投資を始めた方が良さそうとは思ったものの、何からどうしていいかさっぱり分からなかったから、まずは銀行の窓口に行ったのよ
あら〜
わたしの心の声は「投資初心者が陥りがちな罠の第一歩を踏んじゃったかぁ…」というものでしたが、そこは表に出さずに彼女の話をひとまず聞くことにしました。
『銀行の窓口はやめとけ』って話も聞いたことはあったんだけど、何をどうしたらいいか分からないし、大手の銀行だから安心かなと思って。でもね、半年以上続けているのに、なんだか儲かっているのか損しているのかも分からなくて。今のまま続けていいのか悩んでるのよ!
………
サクラの切実な叫びを聞いたわけですが、実はこの時、別の友人2人からもほぼ同じお悩みを聞いていました。そのため、彼女がなぜ「このまま続けるべきか」と悩んでいるのか、その理由はすぐに察しがつきました。
投資初心者が陥る「4つの分からない」
3人の友人に共通していたのは、こんなことです。
- 何から始めていいか分からず、まずは銀行の窓口へ(しかも偶然、3人とも同じ銀行!)
- 勧められるがまま積立投資信託をスタート(しかし、投資信託の商品がどのようなものか、今の状態が良いのか悪いのかが分からない)
- 手数料(信託報酬など)がいくらか分からない
- 分からない尽くしなので再度窓口に相談したものの、「せっかく始めたのにここでやめるのはもったいないですよ!」と言われてしまい、そのまま帰ってきた。でも、このままでいいの?というモヤモヤは、行く前と変わらない
サクラも他のふたりも、現在の運用状況をどう見たらいいのかすら、よく分からないとのことでした。
私が投資を5年ほどやっていると知っている友人たちはみな、ここで「ねえ、どう思う?」と聞いてきます。
……さて、困りました。
60歳前後の友人に「続けた方がいい」と言えるのか?
もし1年前だったら、自分の経験則から「せっかく始めたんだから、続けた方がいいよ!」と、気楽に言えたでしょう。
でも、ここ最近の株価の激しいアップダウンや、先行き不安を見ていると、私でさえ「投資を今年始めてたら、この乱高下に心臓が持たず、やめちゃってたかもなぁ…」というのが正直な気持ちです。
そもそも、投資を始めて1年ぐらいは、株価が大きく下がると「あぁ、やっぱりやめようかな……」と落ち込んだり、「近いうちに大暴落が来る!」なんてSNSの噂を見ては、「今のうちに売って逃げた方がいいのかな…」と本気で悩んだりしてきました。
それでも「長期・積立・分散」を徹底すべしの”初心”を忘れず、コツコツと積立投資信託を続けてきたおかげで、少しずつ乱高下への耐性がつき、資産もゆっくりと育ってくれました。
でも、それは「たまたまこの5年間が右肩上がりのいい相場だったから…なのかしら?」とも思います。これからの5年がどうなるかは、誰にも分かりません。
まだ30代40代の若い世代になら、「長期で見れば株価は回復するから、ほったらかしでいいよ」と言えるでしょう。でも、60歳前後の友人たちに、若い世代と同じように「ほったらかしで大丈夫!」「このまま続けていればいつか大きく伸びるよ」と簡単に背中を押していいものか、正直悩んでしまいました。
それでも「投資は続けるべき」と思う理由
そんな葛藤はありつつも、私の結論はやっぱり「投資は続けるべき」です。
なぜなら、日本も世界もインフレ(物価上昇)はこれからも続き、現金(日本円)の価値が下がっていく未来は変えられないと思うからです。
多少価値が目減りしても大丈夫と思える貯金があるなら、悩んでまで投資を続ける必要はないと思いますが、今の貯金では不安と思うなら、労働収入がもうすぐなくなるという世代こそ、お金に働いてもらう仕組みを作るのは、長い目で見れば、心の安心にも繋がると思います。
そして、数年後に「あの時、やっぱり続けておけばよかった……」と後悔するくらいなら、せっかく勇気を出して一歩を踏み出したのですから、工夫しながら続けた方がいいとも思います。
ただし、シニア世代の私たちは、若い世代ほどリスクを冒せません。
だからこそ、中身が「わからないまま」銀行の窓口に丸投げしておくのは、避けたいところ。まずは、自分が何にお金を預けているのかを確認することが大切です。
人任せではなく、自分で少しずつでも納得して選べるようになると、投資に対する不安も少しずつ和らいでいくはずです。
私自身、投資をはじめたばかりの頃は、分からないことばかりで、投資に詳しい友人に「絶対後になって文句言わないから!」と拝み倒して銘柄選択を手伝ってもらいました。
最初は、楽天証券で、友人から勧められた3つの投資信託に毎月同額を積み立てるーーただこれだけを行いました。

私が友人に勧められた投資信託は以下の3商品でした
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
楽天証券のサイトにアクセスすることはほとんどありませんでしたが、家計簿代わりに使っていたマネーフォワードに楽天証券を連携したことで、マネーフォワードから日々投資のリターンや前日比、ポートフォリオの変化などは一目瞭然で確認できました。特にグラフで視覚的に確認できるのは大変ありがたかったです。
投資を始めた当初は、勧められた投資信託商品でほったらかし投資をしよう…ぐらいの軽い気持ちでしたが、投資信託の運用成績を日々見つめるうちに、自然と興味や知識も高まり、1年半が経った頃には、自分の資産のポートフォリオはこうしよう、3商品のバランスを変えようなど、少しづつ判断できるようになってきました。
自分で判断するようになると、趣味のひとつぐらいの気持ちで、投資を楽しむゆとりも生まれました。
自分で判断できるようになるための大事なステップ
そんな自分自身の”初心”を思い出しながら、自分で判断できるようになるためのステップとして、サクラには私なりにこんなアドバイスをしてみました。
まずは銀行に行って、自分が買っている商品について、
1 何という名前の商品か
2 これまでの成績(運用実績)はどうか
3 手数料(信託報酬)はいくらか
を確認すること。もし、手数料だけが高くて中身が微妙な商品であれば、その積立はすぐにストップする。逆に、納得できるものであれば、今までに購入した分は売却せず、そのまま置いておく。
その上で、自分がちゃんとスマホやパソコンで状況を把握できる商品を、新たにネット証券で積み立て直すのがいいんじゃないかな。
アドバイスのあとのサクラの行動は早かったです。さっそく銀行に確認しに行って、今の積立をいったんストップしました。
調べてみると、手数料は少し高めだったものの、数年にわたりリターンが出ているインデックス投資の商品だと分かったため、既に積み立てた分は売らずにそのまま運用を続けることにしたそうです。
その後、ふだんからお買い物で楽天市場をよく使っていることから、楽天証券の口座を新たに開設しました。そして、私にいろいろと相談しながら、新しく「楽天・プラス・S&P500」での積立をスタートさせました。
ここからが本当のスタート地点
もちろん、証券会社や積立商品を変えたからといって、すぐに何かが変わるわけではありません。
サクラもまだ「分からないことばかり」とは言っているものの、何だか楽しそうです。
以前のような、このまま続けていいのか止めたほうがいいのか分からず、モヤモヤと悩み続けていた時期は脱することができたようで、私にもLINEでいろいろ質問してきます。
毎日株価を見て一喜一憂するようなことはしなくても、まずは「自分で決めて、自分の足で一歩を踏み出せた」ということ。自分で選んだその一歩は、決して後悔しない一歩になるはずです。
(みたむらゆか)
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