『椿の花咲く頃』感想|愛とサスペンスが織りなす母と子の感動物語

『椿の花咲く頃』感想|愛とサスペンスが織りなす母と子の感動物語

韓国ドラマ『椿の花咲く頃』は、全20話の中にラブコメ、サスペンス、そして深い母子愛が凝縮された珠玉の作品です。コン・ヒョジン演じるシングルマザーが、周囲の偏見に抗いながら幸せを模索する姿と、町を震撼させる連続殺人事件の謎が同時並行で描かれます。笑いと涙、そして最後に心が浄化されるような余韻を残す本作の魅力を、内容に即して詳しく紐解いていきます。(2026.4.28) 

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偏見に負けず生きるシングルマザーと純朴な青年の純愛

『椿の花咲く頃』は2019年製作で、日本ではNetflixで全話配信しています。 

https://www.netflix.com/jp/title/81144925

突然訪れた新たな恋の予感に揺れるシングルマザーが、周囲の偏見に負けることなく幸せをつかもうとする姿を描くドラマシリーズ。 

主人公のドンベク(朝鮮語で椿の意味)は未婚の母。田舎町のオンサンに越してきてスナック「カメリア」(英語で椿の意味)を営みながら、8歳の息子ピルグを育てている。 

美人なうえに町の男たちが「カメリア」に通うため、町の女たちの評判はすこぶる悪い。女たちから陰に陽に嫌がらせも受けているが、そんな中、派出所勤務のヨンシクがドンベクに一目惚れしてしまう。 

ドンベクを演じるのはコン・ヒョジン、ヨンシクを演じるのはカン・ハヌル

平穏な町を震えさせる連続殺人犯「ジョーカー」の影

つらいことがあると駅舎のベンチにたたずむドンベク。ヨンシクが理由を聞くと、忘れ物の引き取りの場面が好きだと言う。感謝の気持ちにあふれているから…と言い、人に感謝されたことがないと告白するドンベク。そんな薄幸なシングルマザーに一目惚れした青年が一途に気持ちをぶつけていくーー。 

こういうストーリーですから、典型的なラブコメと思いきや、中盤から様相が変わってきます。 

様相が変わる要素のひとつは、オンサンの町で6年前に起きた連続殺人で、いまだ逮捕されていないジョーカーの筆跡が「カメリア」の壁に残されていたこと。しかも、ドンベクはジョーカーの殺人事件の唯一の目撃者だったことが明かされます。 

いまもジョーカーの影がドンベクの周囲に垣間見えることに、ヨンシクは派出所勤務にもかかわらず、ジョーカー探しにのめり込んでいきます。 

27年ぶりに現れた母の真意とは?深まる謎と親子の絆

様相が変わる要素の二つ目は、ドンベクの母親が突然姿を現すことです。

ジョーカー探しの過程でドンベクの周辺にちらつく黒い影をヨンシクが追いかけ、捕まえてみると中年の女性で、認知症を患っている様子。それがドンベクが7歳の時にドンベクを施設に預けて姿を消した母親でした。 

認知症を装いながら、明らかに不審な動きをする母親。週に3回は行き先を告げずに外出し、ドンベクが寝ているときに何かの書類にドンベクの指に朱肉をつけて捺印させる……。

母親はなぜ、いまになってドンベクの前に姿を現したのか。 

中盤からは、ジョーカーの謎、母親の謎が絡んできて、単純なラブコメではなくなっていきます。

ドンベクの母親を演じるのはイ・ジョンウン 

俳優陣の好演が光る|涙の先に掴んだ本当の幸せと成長

ドンベク役のコン・ヒョジン、ヨンシク役のカン・ハヌルの好演が光る『椿の花咲く頃』ですが、特に注目してほしいのがドンべクの表情の変化です。 

最初のほうは、町の女たちに意地悪をされても笑顔を絶やさないものの、どこか泣き笑いの表情。ところが後半からは、ドンベクが声をあげて泣くシーンが何度も出てきます。 

息子を育てるために懸命に生きてきた日々よりも、恋する相手ができて、生き別れだった母親とも再会できて、前よりも幸せであるはずなのに……。

ヨンシクと出会ったことで喜怒哀楽が表に出るようになったドンベク。彼女が何度も体を震わせ、号泣するシーンは、観ているほうまで貰い泣きしてしまいます。 

特に母親がふたたびドンベクの前に姿を現すことになった事情が明かされるあたりから最終話までは、母と子の愛情物語という展開となります。 

気持ちよく泣きたい。そして心が洗われたいーー。そんな方にぜひお勧めしたい作品です。 

『椿の花咲く頃』予告編 – Netflix

(しみずのぼる) 

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