高配当株投資において最大の懸念は、業績不振による「減配」のリスクです。配当利回りの高さだけで銘柄を選ぶと、思わぬ株価下落に見舞われることも少なくありません。本記事では、マネー誌『ダイヤモンドZAi』の膨大なデータをNotebookLMで徹底分析。配当余力と稼ぐ力(ROE)に着目し、10万円以下で投資可能な厳選19銘柄を抽出したプロセスと、具体的な銘柄リストを共有します。(2026.4.23)
- 高配当株投資の最大リスクである「減配」を避けるには、利益剰余金から算出する「配当可能年数」の確認が必須
- 『ダイヤモンドZAi』2026年6月号のデータをNotebookLMで解析し、10万円以下で購入可能な配当余力の高い21銘柄を抽出
- さらにROEや四季報スコアで絞り込み、分散投資に最適な厳選19銘柄のポートフォリオ構築術を公開
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目次
なぜ高配当株投資において「配当余力」が重要なのか?
減配による株価急落と利回り低下のダブルパンチを防ぐため
業績悪化による減配は、配当収入の減少だけでなく株価下落のリスクを伴うため、配当余力の確認が不可欠です。
『ダイヤモンドZAi』6月号の別冊付録は「配当利回りトップ250の配当余力大診断」というタイトルです。

高配当株も玉石混交なので、「利回りの高さ」だけで銘柄を選ぶのは厳禁。業績悪化で、減配が発表されれば、株価下落や利回り低下のリスクがあるからだ。
まさしくその通りです。
そこで今回は、時価総額300億円以上の銘柄を配当利回りでランキング。そのトップ250銘柄の”実力”を4つの指標で5段階評価した。
指標は以下の4つです。
- 配当余力 利益剰余金で配当可能年数を算出
- 割安度 PERで株価が割安かをみる
- 安定度 時価総額で業績安定度をみる
- 収益力 ROEで稼ぐ力をみる
このうち配当余力は、
企業がどれだけ長く配当を出し続けられるかを測るための指標で、利益剰余金をもとに「配当可能年数」を算出した。これは、仮に企業の利益がゼロになっても何年間配当を維持できるかを示すもので、最も重視したいポイントだ。
と説明しています。
効率的な銘柄選定に「NotebookLM」を活用すべき理由は?
膨大なデータを瞬時に構造化し、多角的な条件で絞り込めるため
NotebookLMを使えば、雑誌付録のPDFから特定の条件(株価や配当余力)に合致する銘柄のみを高速で抽出できます。

これは便利かも…さっそく活用してみよう!
そう思って表紙・裏表紙あわせて20ページの別冊付録をOCR処理したPDFにして(※)NotebookLMにソース登録しました。
※著作権に抵触する使いかたなので、あくまで個人利用限定です。
次にプロンプトです。ここは何に注目するか…ですが、わたしは株価の安い順で、100株10万円以内の銘柄を最初に抽出しました。
配当余力が高い「10万円以下」の厳選銘柄はどう選ぶ?
分散投資とナンピン買いを容易にする「低位株×配当維持力」の基準
1銘柄10万円以下の予算設定は、リスク分散を可能にし、下落時の買い増し戦略(ナンピン)を容易にします。
理由の1つ目は、最近の株高です。
日経平均株価が一時6万円台に乗るなど株高の状態が続いていますが、中東情勢をみれば、いつ下落してもおかしくありません。
買付余力が仮に50万円だったとすると、金額の大きい銘柄なら1つ2つ買えば上限に達してしまいます。でも、10万円以内の銘柄なら、最低5銘柄を購入できます。それだけ分散投資が効くというわけです。
理由の2つ目は、ナンピン買いがしやすいことです。
多くの銘柄が3月末権利確定ですから、いくら高配当株でもしばらく配当金を得ることはできません。10万円以内の銘柄なら、株価が下がったら100株買い増し、さらに下がったら100株買い増し…というふうに来年3月まで長期に購入のタイミングを探ることが可能です。
さっそく以下のプロンプトで指示しました。
《プロンプト》読み込んだソースから、株価が安い順に、100株10万円以内で購入できる銘柄を抽出し、各列を銘柄名、証券コード、株価、配当利回り、配当可能年数、PER、時価総額、ROE、どんな会社、とするスプレッドシートを作成してください。
すると全部で48銘柄ありました。これはこれで手元に置いてはおくものの、もう少し絞ったほうがよさそうです。
そこで次に配当余力で絞ることにしました。
《プロンプト》抽出した48銘柄のうち、配当余力が5年以上10年未満と、10年以上に分けて抽出してください。どちらも各列を銘柄名、証券コード、株価、配当利回り、配当可能年数、PER、時価総額、ROE、どんな会社、とするスプレッドシートを作成してください。
配当余力が5年以上10年未満は14銘柄、10年以上は28銘柄ありました。つまり配当余力5年未満の6銘柄が除外されたことになります。
配当可能年数とROEで分類した銘柄リストの比較
配当の持続性と企業の収益性を掛け合わせた4つのカテゴリー分類
配当余力5年以上かつROE7%以上を基準に、投資目的に合わせた4つの銘柄グループを作成しました。
まだ多いので、今度は稼ぐ力を重視してROEで絞りました。
《プロンプト》抽出した14銘柄、28銘柄ごとに、ROE7%以上10%未満と、10%以上に分けて、合計4つのカテゴリーで抽出してください。どれも各列を銘柄名、証券コード、株価、配当利回り、配当可能年数、PER、時価総額、ROE、どんな会社、とするスプレッドシートを作成してください。
これで、
- 【カテゴリー1】配当余力 5〜10年未満 × ROE 10%以上(11銘柄) 収益性が高く、中短期的な配当維持が期待できるグループ
- 【カテゴリー2】配当余力 5〜10年未満 × ROE 7〜10%(1銘柄) ※該当銘柄がゼロだったため、ROE6.5%のセプテーニHDを復活当選
- 【カテゴリー3】配当余力 10年以上 × ROE 10%以上(2銘柄) 長期的な配当安定性と高い収益性を兼ね備えた銘柄
- 【カテゴリー4】配当余力 10年以上 × ROE 7〜10%(7銘柄) 長期の配当維持が期待でき、収益性も一定水準を保っているグループ
の4分類、合計21銘柄をリストアップできました(カテゴリー2は当初ひとつも銘柄がなかったため、ROE6.5%で選外となったセプテーニHDを加えました)
四季報スコアで最終チェック、厳選19銘柄を公開
成長性と収益性で低いものは除外、最新の四季報の記述も確認
1つのソースを鵜呑みにせず、四季報スコアや会社四季報の最新版の記述もチェックして、自分で納得のいく銘柄のみに絞りました。
ここまでがNotebookLMの作業です。これに選外となった銘柄のうちいくつかカテゴリー5として敗者復活させ、四季報ONLINEに登録。四季報スコア(※)で収益性・成長性をチェック、どちらかが4以上のものを残しました。
※四季報スコア 6つの評価項目(成長性、収益性、安全性、規模、割安度、値上がり)を総合評価したのが四季報スコアです。
□成長性
売上高(本決算)の直近5期実績を対象にした年平均成長率で評価します。
成長率が10%以上は評価5、5%以上10%未満が評価4、2%以上5%未満が評価3、0%以上2%未満が評価2、0%以下が評価1になります。□収益性
四季報スコアの主な仕様|会社四季報オンライン
売上高経常利益率(本決算)の直近5期実績の平均値で評価します。
11%以上が評価5、7%以上11%未満が評価4、4%以上7%未満が評価3、2%以上4%未満が評価2、2%未満が評価1になります。
復活当選したカテゴリー5を含めて、合計19銘柄を厳選抽出した結果が以下の表です(スマホは横スクロールできます)
【カテゴリー1】配当余力 5〜10年未満 × ROE 10%以上(9銘柄)
銘柄名 証券コード 株価 配当利回り 配当可能年数 PER 時価総額 ROE どんな会社 パーソルHD 2181 238.1円 4.62% 7年 13.0倍 5425億円 19.7% 総合人材サービス大手。派遣が柱 タウンズ 197A 503円 5.57% 5年 9.4倍 535億円 32.7% 体外診断用医薬品メーカー 日本M&AセンターHD 2127 649.9円 4.46% 6年 18.8倍 2190億円 23.0% 中堅・中小企業のM&A仲介 EMシステムズ 4820 674円 4.75% 7年 21.3倍 475億円 10.8% 調剤システムの開発・販売 インソース 6200 704円 4.19% 5年 12.8倍 600億円 40.8% 社会人向け研修サービスの最大手 オンワードHD 8016 737円 4.07% 6年 10.0倍 1046億円 11.6% 「23区」などのアパレル大手 クイック 4318 860円 4.03% 8年 13.0倍 486億円 19.5% 人材サービス。建設や看護に強い コプロHD 7059 864円 4.63% 5年 13.4倍 346億円 29.0% 建設業界への技術者派遣に特化 ID HD 4709 944円 4.24% 8年 12.8倍 325億円 17.2% システム運営やソフト開発を展開 【カテゴリー2】配当余力 5〜10年未満 × ROE 7〜10%(1銘柄)
銘柄名 証券コード 株価 配当利回り 配当可能年数 PER 時価総額 ROE どんな会社 セプテーニHD 4293 415円 4.34% 6年 19.8倍 877億円 6.5% ネット広告代理店。電通グループ 【カテゴリー3】配当余力 10年以上 × ROE 10%以上(2銘柄)
銘柄名 証券コード 株価 配当利回り 配当可能年数 PER 時価総額 ROE どんな会社 オプティマスG 9268 446円 4.04% 11年 9.8倍 343億円 12.1% 中古車輸出。豪州での販売に強み アコム 8572 471.7円 4.24% 15年 10.2倍 7390億円 10.4% 消費者金融大手。三菱UFJ傘下 【カテゴリー4】配当余力 10年以上 × ROE 7〜10%(4銘柄)
銘柄名 証券コード 株価 配当利回り 配当可能年数 PER 時価総額 ROE どんな会社 VT HD 7593 494円 4.86% 20年 8.2倍 606億円 9.7% 日産・ホンダ系の新車ディーラー 東リ 7971 662円 4.83% 16年 9.4倍 398億円 8.0% 床材や壁紙などのインテリア大手 ビジネスブレイン太田昭和 9658 947円 4.68% 16年 12.0倍 330億円 8.6% 会計・人事システムのコンサル フタバ産業 7241 985円 4.06% 17年 7.3倍 882億円 9.2% 自動車マフラー。トヨタ向けが主力 【カテゴリー5】配当余力 10年以上 × 時価総額1000億円以上(3銘柄)
UTグループ 2146 197円 5.51% 4年 18.4倍 1182億円 24.1% 自動車業界などの製造工場に人材を派遣 セブン銀行 8410 274.9円 4.00% 16年 29.2倍 3242億円 4.0% ATM特化。伊藤忠主導で再成長期待 JAC Recruitment 2124 852円 4.46% 4年 15.7倍 1411億円 38.5% 管理職や幹部に特化した人材紹介が強み
全19銘柄を100株ずつ購入しても、113万円ほどで買えます。さすが10万円以内の株ばかりですから、これなら十分に分散投資になります。
理論株価で割安度を確認!最終厳選19銘柄の選び方
『ダイヤモンドZAi』の理論株価データを重ねて割安な買い場を探る
最終抽出した19銘柄を理論株価と比較し、割安度の高い順に並べることで投資の優先順位を明確化します。
手元には『ダイヤモンドZAi』26年5月号の別冊付録「理論株価」(※)の最新版(2026年春版)のPDFもあります。
※理論株価 『ダイヤモンドZAi』が年4回別冊付録として提供するもので、業績の実績値と予想データから導いた3つの価値ーー資産(過去からの利益の蓄積を数値化)、利益(1年に生み出す現在の利益を数値化)、成長(将来に向けての成長を数値化)の合計値で理論株価を算出したもの

これもソースとして読み込み、19銘柄のソースとかけ合わせて、理論株価との乖離率(割安度)順に並べ替えたリストは以下のとおりです。
証券コード 銘柄名 理論株価との乖離率(割安度) 197A タウンズ 65% 割安 7971 東リ 63% 割安 4293 セプテーニHD 62% 割安 9658 ビジネスブレイン太田昭和 57% 割安 7593 VT HD 50% 割安 7241 フタバ産業 49% 割安 8016 オンワードHD 45% 割安 2124 JAC Recruitment 40% 割安 2127 日本M&AセンターHD 40% 割安 2146 UTグループ 39% 割安 7059 コプロHD 27% 割安 8572 アコム 27% 割安 4709 ID HD 21% 割安 9268 オプティマスG 13% 割安 6200 インソース 10% 割安 8410 セブン銀行 0.4% 割高 4318 クイック 8% 割高 2181 パーソルHD 20% 割高 4820 EMシステムズ 23% 割高
あとはヤフーファイナンスにカテゴリーごとにポートフォリオを作成して、それぞれ1か月チャートで最安の価格を設定。最安の株価に近づけば購入対象にするーーという準備ができました。
250銘柄もあると迷いますが、20銘柄以下に絞ったリストなら、チェックもしやすいでしょう。参考にしていただければ幸いです。
(いしばしわたる)
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