自民党総裁に高市早苗氏が選出された週明け10月6日の株式市場は、一時4万8000円台をつける記録的な株高となりました。事前に欲しい銘柄を物色していたため、いくつか買付を行いました(2025.10.7)
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歴代最高の4.8%高
今朝の日本経済新聞一面に面白い表が載っていました。「日経平均株価最高値「日本変化」期待で買い 超長期債市場には警戒感」という記事で、
「総裁選などを控えて日本株の持ち高を落としていた海外の短期投資家の買い戻しが膨らんだ」。野村証券の西哲宏執行役員はこう分析する。日経平均は歴代で4番目の上げ幅だった。過去の新総裁決定後の株価反応をみると、この日の異例さが見て取れる。
首位は高市氏の4.8%高だった。2位の田中角栄氏(1972年、1%高)以下を圧倒する。最も低かったのは石破茂氏の4.8%安。24年の総裁選では事前に高市氏優勢が織り込まれるなか、決選投票での石破氏の選出により株価が急落した。
日本経済新聞 – 日経平均株価最高値「日本変化」期待で買い 超長期債市場には警戒感
表をそのまま載せるのは控えますが、前日比の上げ幅が4.8%とダントツだったのがきのう6日の株式市場だったというわけです。
ちなみに日経新聞は下位も表を載せていて、もっとも下げ幅が大きかったのは、記事にもあるとおり2024年9月の石破茂・前総裁の選出時の▲4.8%です(ワースト2位は1998年7月の小渕恵三氏選出時の▲2.6%)

去年の石破ショックもすごかったけど、きのうの高市トレードも記録的な上げ幅だったんだな…
買い増し含め6銘柄を購入
昨年の石破ショックの際は、わたしは買付余力が乏しかったため、息子にいくつかの銘柄を勧めただけで何もできませんでした(その際のことは記事にしています)
今回は妻のほうに買付余力があったため、妻の事前了解を得て、事前に欲しい銘柄をポートフォリオ化しておき、SBI証券で5銘柄、楽天証券で1銘柄を購入しました。


下落見越し銀行株買い増し
選んだ理由を記します。まず銀行株ーー楽天証券で買い増しした三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)とSBI証券で買い増しした三井住友トラストグループ(8309)は、「高市トレード」で軟調となるのは銀行株と予想していたためです。6日の日経新聞朝刊にも、次のように書いてありました。
他方、高市氏は4日の就任会見で「日本経済はぎりぎりのところにある」「コストプッシュ型のインフレを放置して、デフレではないと安心するのは早い」など、日銀の利上げに対するけん制ともとれる発言をしている。
日銀の追加利上げのハードルが上がるとの見方から、銀行株にはいったん利益確定売りが出そうだ。
日本経済新聞 – 「高市トレード」再始動へ 日経平均4万7000円視野に 金利上昇の懸念も
案の定、前場で3メガバンクや三井住友TGは軒並み大きく値を下げたため、下げ幅が大きかった三菱UFJFGと三井住友TGを200株ずつ買い増しました。


1週間チャートでみれば、6日の前場が絶好の買い場だったのがわかるでしょう。
銀行株は昨年の「金利ある世界」への復帰から軒並み上昇、含み益も大きく膨らんでいます。そのこと自体はとても嬉しいのですが、なかなか買い増しするチャンスがなかったため、今回は最初から「銀行株は下げたら買う」と狙っていたわけです。
高配当の2銘柄も購入
次に、事前に欲しい銘柄をポートフォリオ化して作成した「監視銘柄」のうち、高配当利回りに着目して選んだのがノーリツ鋼機(7744)とジャフコグループ(8595)です(ノーリツ鋼機は買い増し)
ノーリツ鋼機(7744)
企業情報:多角化志向を経てペン先や金属部材の製造・販売、DJ等音響機器関連に事業集約中
配当利回り:4.23%ジャフコグループ(8595)
ヤフーファイナンスより
企業情報:専業VCで最大手。バイアウト投資にも注力。国内はもとより米国、アジアなど国際的に展開
配当利回り:5.17%
「監視銘柄」の選びかた
わたしは、四半期ごとに発売される「会社四季報プロ厳選の500銘柄」(東洋経済新報社)を定期購読していて、ここに掲載されている高配当銘柄や株主優待が魅力的な銘柄を、いったんヤフーファイナンスで「監視銘柄」としてポートフォリオ化します。
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そのあと、会社四季報(四季報ONLINE)の記載やスコアを確認します。例えば「会社比強気」のニコちゃんマークがある銘柄や、成長性・収益性のいずれかがランク5の銘柄に絞る…といった具合です。
ノーリツ鋼機もジャフコグループも、そうやって選別した「監視銘柄」でした。具体的な記述を四季報ONLINEで確認しましょう。
- ノーリツ鋼機:会社比強気・前号比増額 / 成長性5 / 収益性5
- ジャフコグループ:前号並み / 成長性4 / 収益性5
成長性や収益性のスコアは、次のような基準でランク付けされます。
□成長性
売上高(本決算)の直近5期実績を対象にした年平均成長率で評価します。
成長率が10%以上は評価5、5%以上10%未満が評価4、2%以上5%未満が評価3、0%以上2%未満が評価2、0%以下が評価1になります。□収益性
四季報スコアの主な仕様|会社四季報オンライン
売上高経常利益率(本決算)の直近5期実績の平均値で評価します。
11%以上が評価5、7%以上11%未満が評価4、4%以上7%未満が評価3、2%以上4%未満が評価2、2%未満が評価1になります。
「会社比強気」「前号比増額」は、次の記事に出てきます。
欄外には編集部による「前号比増額」「会社比強気」などの業績修正マークを記載しています。ちなみに、会社四季報予想と会社計画に差がある場合は、明暗の表情を持つニコちゃんマークが1つもしくは2つ付きます。
四季報の独自予想はこうやって決まっている!
つまり、ジャフコグループは業績予想が前号と変わらず、ノーリツ鋼機は前号の業績予想よりも増額し、かつ四季報編集部の分析では「会社の業績予想よりさらに増額すると予想される」という意味です。
以上の事前情報から、6日に一時的に値を下げたノーリツ鋼機とジャフコグループを200株ずつ購入しました。


株主優待でも2銘柄選ぶ
日本管財ホールディングス(9347)とラクト・ジャパン(3139)は、すでにわたしが保有していて妻名義で新しく100株ずつ新規購入した銘柄です。どちらも株主優待目当てです。
日本管財ホールディングス(9347)
企業情報:ビル、公共住宅の清掃、警備など総合管理に実績、自治体など公共施設管理拡充、持株会社移行
株主優待:100株以上⇒カタログギフト(継続保有3年未満は2000円相当、3年以上は3000円相当)
権利確定:3月末、9月末ラクト・ジャパン(3139)
ヤフーファイナンスより
企業情報:乳原料でスタートした独立系の食品専門商社。北米、欧州、豪に拠点。東南アジアに自社工場も
株主優待:継続保有2年以上が条件。100株以上⇒自社選定カタログ記載の3000円相当の商品から1点選択
権利確定:11月末


四季報オンラインの記載は以下のとおりです。
- 日本管財ホールディングス:会社比強気 / 前号並み / 成長性5 / 収益性3
- ラクト・ジャパン:前号比増額 / 成長性5 / 収益性2
いずれも長期保有を前提にした6銘柄ですので、この選択のよしあしはきのうの今日ではわかりません。まあ、「果報は寝て待て」の気持ちでいましょう。
上げ幅が上位の10銘柄
なお、わたしの保有銘柄で、前日比が急騰した上位10銘柄を書き出してみます。
- ソニーフィナンシャルグループ(8729) 10.81%
- セントケア・ホールディング(2374) 10.25%
- MUTOHホールディングス(7999) 5.04%
- 野村ホールディングス(8604) 4.91%
- DMZ森精機(6141) 4.85%
- 豊田通商(8015) 4.63%
- 帝国電機製作所(6333) 4.57%
- ヒューリック(3003) 4.49%
- SOMPOホールディングス(8630) 4.02%
- 東急不動産ホールディングス(3289) 3.88%
ほかにも、オリエンタルランド(4661、3.64%)、ヤマハ発動機(7272、3.18%)、SBIホールディングス(8473、3.11%)、INPEX(1605、3.06%)などが前日比3%超えの急騰ぶりでした。
果たして一過性のご祝儀相場に終わるのか。それとも、アベノミクスのような長期右肩上がりの上昇トレンドとなるのかーー。 サナエノミクスの中身が問われるのはこれからでしょう。
(いしばしわたる)
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