含み損でも負けないで…「ほったらかし投資」は有用です

含み損でも負けないで…「ほったらかし投資」は有用です

若い世代の人に投資について聞かれたら、米国株や全世界株のインデックス型投資信託を淡々と積み立てる「ほったらかし投資」を推奨しています。それだけに、24年スタートの新NISAで含み損になったという記事を読むと心が痛みます(2025.4.15) 

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オルカンは年初来下落率14%

今朝の日本経済新聞に「米テック株急落、新NISA苦戦 人気10投信、年初来17%下落 含み損で「様子見」強まる」という記事が載っていました。 

トランプ米大統領の関税政策を受けた金融市場の混乱で、個人投資家に人気の投資信託の運用成績が悪化している。新NISA(少額投資非課税制度)の対象で、流入規模が大きい上位10本の投信は年初からの基準価格の下落率が10日時点で17%になった。グローバル展開する米テック株に集中投資する投信の一部は、年初来の基準価格の下落率が3割に達した。 

日本経済新聞 – 米テック株急落、新NISA苦戦 人気10投信、年初来17%下落 含み損で「様子見」強まる

記事には具体的な投資信託の一覧表が載っていて、もっともよく購入されている2つの投資信託が並んでいました。 

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(オルカン)の年初来下落率は14%、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は15%。どちらも新NISAのつみたて投資枠で設定している人が多いため、オルカンの場合、 

24年の資金流入の8割以上がNISA経由だ。24年から毎月初に1万円積み立てたと試算すると、11日時点で1万円超の含み損を抱えたことになる。  

と書いてあります。 

う~ん、新NISAをきっかけに積立投資信託を始めた人はつらいだろうなあ… 

しかし、ここで「投資は怖いや」と思って市場から退場してしまったら元も子もありません。くだんの日経記事にも、 

長期投資では、相場の下落局面で慌てて売却しないことが重要だ。一定額を積み立てる場合、安値で多く購入できるチャンスでもある。 

と出てきます。 

なぜインデックス投信なのか

資産運用は以前の記事にも書きましたが、 

収入-支出+(資産×利回り) 

の「×利回り」を意識することです。 

「×利回り」は、全世界株のインデックス型投資信託であれば、長期に運用すれば世界経済の成長率並みの利回りが期待できます。米国株のインデックス型投資信託も、世界経済のエンジンは依然として米国企業ですから、同様の効果が期待できます。 

さらに「×利回り」を意識するなら、手数料がなるべく安い、つまり信託報酬率が低いインデックス型投資信託を選ぶべきです。 

だからオルカンやeMAXIS Slim米国株式(S&P500)を長期に積み立てる「ほったらかし投資」は、年齢的に長期に積み立てることが可能な若い世代ほど推奨されるーーというわけです。 

この1年余りの含み損で市場から退場するのではなく、しばらくすれば回復すると思って気長に積み立て続ければよいと思います。 

「ほったらかし投資」をご存じですか
「ほったらかし投資」という言葉をご存じでしょうか。投資と言うと、株の売り買いで利益を得るイメージが強いせいか、「市場が空いている時間帯は株価の動向を気にしないと…
hintnomori.com

投信基準価額メールが届く

とはいえ、年初来の下落率はやはり目立ちますね。

わたしは昨年まで積み立てていたインデックス型投資信託は、我が家の資金需要(マンションの買い替え)からすでに全売却しています。 

今年に入ってからの分は、トランプ大統領による経済の混乱が長引くことを見越して3月中旬に全売却、2020年から続けてきた積み立て設定も解除しています。 

最初の気づき(ヒント)を教えます

このあたりの経緯はこちらをごらんください。 
2020年から続けてきた積立投資信託をやめました 

それでも、積み立て設定解除のタイミングから、夫婦それぞれ5万円余りの投資信託がまだ残っています(商品は「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」) 

そのため、前営業日の基準価額が前々営業日と比較して5%以上下落した場合に楽天証券から届く「投信基準価額下落メール」が、昨晩も届きました。 

楽天証券から届いた「投信基準価額下落メール」

4月に入ってすでに3

これまでに届いた「投信基準価額下落メール」をメーラーでソートして洗い出してみました。 

4月に入ってからすでに3通も届いています(商品は唯一残っている「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」)。トランプ関税による市場の混乱が如実に反映した形です。 

22年9月以降に届いた「投信基準価額下落メール」

ちなみに、今年1月~3月の4通は、3月中旬に含み損を抱えたまま売却した「楽天・プラス・SOXインデックス・ファンド」です。SOXーーフィラデルフィア半導体株価指数に連動するインデックス型投資信託なので、今年に入って半導体銘柄の急落から米国経済の”変調”が始まったことが窺えます。 

昨年7・8月の2通は「楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンド」で、2023年は1通もなくて、22年の2通は「楽天レバレッジNASDAQ-100」ーーいわゆるレバナスと呼ばれる投資信託です(レバナスは値動きが激しく、わたしは10万円分保有しただけで買付を停止したので被害は軽微でした) 

4月に入ってすでに3通というのは衝撃ですが、要因がトランプ関税をめぐる市場の混乱ということだと、この傾向が今後もしばらく続くのは避けられないでしょう。 

いつか経済は必ず上向く

それでも、若い世代なら「長期・積立・分散」の原則で気長に積み立てるのが正解です。 

リーマンショックしかり、コロナショックしかり、株価は過去何度も急落局面を迎えていますが、いつか経済は必ず上向きます。それまでは、 

あ~あ、また朝令暮改やってるよ… 

馬鹿みたい、国債価格の下落まで引き起こすなんて… 

というような冷めた気持ちでアメリカの混乱を横目で眺めながら、積立投資信託はほったらかしたまま、自身の日常生活(例えば収支管理)を整えることに注力していればいいでしょう。 

(いしばしわたる) 

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