もしあなたが結婚されていて人生のパートナーがいらっしゃるなら、資産運用は夫婦で行うほうがパフォーマンスが圧倒的によくなります。新NISAしかり、株主優待しかり。そして相続も視野に入れれば絶対お得です(2025.3.28)
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目次
収入ー支出+(資産×利回り)
このテーマは以前にも記事にしているのですが、NISA制度が大きく変更される以前の記事でもあり、株主優待も銘柄を相当入れ替えているので、改めて取り上げます。
まず、資産運用の基本は「収入ー支出+(資産×利回り)」の数式を意識することです(作家の橘玲氏の受け売りです)
あなたが結婚されている場合、自分がどんなに”締まり屋”さんでもパートナーのお金の使いかたが”ザル”だったら、資産を増やすのは困難です。原田ひ香さんの小説「財布は踊る」(新潮文庫)も、夫がリボ払いにしていた”悲劇”を取り上げていました。

ですから、家計の収支(収入ー支出)は夫婦で意識合わせすることが大前提です。
「×利回り」のパフォーマンスを上げる
「収入ー支出」の差額が大きいほど「資産」が増えます。そして「×利回り」の部分が「運用」となります。
夫婦そろって「投資は怖い」「ギャンブルでしょ?」みたいな意識で貯金一択だと、いまの普通預金金利は年0.20%が主流ですから「資産×0.2%」でしか資産は増えません。
これがもし年利3%だったら、グイグイと資産は増えていきます。1日400円のラテマネーを40年貯めたらいくらになるか、過去の記事から該当部分を再掲します。
飲み物にかかる費用を1日400円としましょう。この費用を元手に「積立投資信託」を行ったとしたら、40年でいくらになるでしょう。
元金は584万円です。利回り(年率)が1%の場合は、717万円になります。23%近く資産を増やすことができました。
利回り2%なら、893万円になります。53%近く増やせました。
利回り3%ならどうでしょうか。なんと1126万円です。元本がほぼ2倍になりました。
まだまだです。利回り4%なら1438万円、利回り5%なら1856万円です。元本が584万円なので、3倍以上に膨れ上がるのです。
ラテマネーを運用すればいくらになるか山崎俊輔「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」より
つまり、資産運用とは(×利回り)のパフォーマンスを上げていくことと言っても過言ではありません。
税率分の差を意識すると…
そこでNISA(少額貯蓄非課税制度)です。その名前のとおり、株や投資信託の売買で得た譲渡益(キャピタルゲイン)や配当金(インカムゲイン)が非課税となります。
通常の証券口座なら20%は源泉徴収されます(厳密には20.315%の税率ですが、以下、わかりやすくするため20%と丸めて計算します)
例えば株価が1000円で配当金が40円(つまり利回り4%)の株を1000株ーー100万円の資金をつかって購入したとします。
それにより1年間で得られる配当金は4万円ですが、通常の証券口座の場合、税金で8000円源泉徴収されるので、実際に受け取るのは3万2000円です。
普通預金なら1年間の利息が2000円のところ、3万2000円の利益を得られるわけですが、これがNISAなら非課税ですから4万円の利益が得られます。
そこで得た資金(3万2000円、4万円)を翌年の資産運用に回せば、利回り3.2%と4%の差はカフェラテのグラフのように大きな違いが生じます。複利効果のなせるワザですが、NISAの場合は20%分の差が最初からあるので、長期間運用すればするほど歴然とした違いとなって現れます。
夫婦なら非課税枠は3600万円
NISAの非課税枠は2024年から大幅に拡充され、ひとりひとり生涯1800万円までは非課税です。夫婦なら合計3600万円になります。

3600万円で年利3.2%なら115万2000円、年利4%なら144万円。1年間に得られるお金に28万8000円も差が出てくる計算です。NISAは夫婦そろってやるのが絶対にお得であることは明白です。
株主優待も夫婦100株ずつがお得
実は株主優待も、夫婦そろって同じ銘柄を購入するとお得になる銘柄が少なくありません。 我が家が夫婦で100株ずつ保有する株主優待株から、いくつか優待内容を抜き出してみましょう。
ダスキン(4665)
優待内容:「ミスタードーナッツ」「モスバーガー」で使える株主優待券
100株以上:1000円分(3年以上保有で500円分追加)
300株以上:2000円分
権利確定月:3月、9月
⇒ 夫婦で100株ずつ保有すれば、ひとりで300株保有と同じ金額の優待券が半年ごとに貰え、3年以上保有すれば3000円分の優待券が貰えるDCMホールディングス(3050)
優待内容:ホームセンター「DCM」等で使える株主優待券
100株以上:500円(3年以上保有で2000円)
500株以上:1000円(3年以上保有で3000円)
1000株以上:2000円(3年以上保有で5000円)
権利確定月:2月
⇒ 夫婦で100株ずつ保有すれば、ひとりで500株保有と同じ金額の優待券が貰え、3年以上夫婦で保有すれば4000円分の優待券が貰えるイオン九州(2653)
優待内容:全国の「イオン」「まいばすけっと」等で使える株主優待券
100株以上:50枚(5000円相当)
200株以上:75枚(7500円相当)
300株以上:100枚(1万円相当)
500株以上:150枚(1万5000円相当)
1000株以上:200枚(2万円相当)
3000株以上:250枚(2万5000円相当)
権利確定月:2月、8月
⇒ 夫婦で100株ずつ保有すれば、ひとりで300株保有と同じ金額の優待券を半年ごとに貰える
企業はできるだけ多くの人に株を持ってもらいたいので、100株の株主優待が手厚くなります。だったら夫婦で100株ずつ保有するのがコストパフォーマンスがいい、ということになります。
相続は累進税率を意識
最後に、相続のことも簡単に触れておきましょう。
お子さんがいらっしゃるかどうかで事情も異なりますので、ここはザックリとした考え方だけ書きますが、相続税は相続する金額が多いほど税率が高くなります(累進税率と言います)
控除額は省略して税率だけ国税庁のホームページから抜き出すと、
- 1,000万円以下 10%
- 1,000万円超から3,000万円以下 15%
- 3,000万円超から5,000万円以下 20%
- 5,000万円超から1億円以下 30%
- 1億円超から2億円以下 40%
- 2億円超から3億円以下 45%
- 3億円超から6億円以下 50%
- 6億円超 55%
となります(No.4155 相続税の税率)
もし夫だけが資産運用に勤しんで1億円超の資産を築いた場合、相続にかかる税率は40%ですから、4000万円は税金にもっていかれるーーということです。
でも、夫婦で5000万円ずつ、合計で1億円超の資産を築いた場合なら、税率は30%ですから、相続にかかる税金は夫婦で3000万円で済むーーという計算です。
実際の相続は法定相続人の数で控除額が変わりますし、1次相続(夫と妻のいずれかが死んだとき)と2次相続(残った夫もしくは妻も死んだとき)でも事情が変わってきますから、相続は専門家の意見を聞いた方が無難ですが、それでも累進税率のことを意識すれば、資産は夫婦で築いて、それぞれが持っていた方がいいに決まっています。
夫婦で声をかけあおう
もしあなたが結婚していてパートナーがいるなら、ぜひ

「NISAのこと一緒に調べてみない?」

「株主優待というのがあるんだけど、一緒にやってみない?」
と声かけしてみませんか。一生を共にするパートナーなのですから!
夫婦で資産運用するメリットを取り上げた過去記事は下記をごらんください。


(いしばしわたる)
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