政府が2022年に策定した「資産倍増プラン」が3年前倒しで達成できたそうです。そのエンジンとなったのが24年スタートの新NISA。折しもNISAの威力を実感する売買を行ったところです(2025.3.20)
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政府目標を3年前倒しで達成
日本証券業協会はきのう、NISA口座での株式や投資信託などの買付額が累計56兆円に達したことを明らかにしました。今朝の新聞各紙が報じていますが、一様に記事で触れているのが「資産倍増プラン」のことで、例えば日本経済新聞は、
日本証券業協会は19日、1~2月の少額投資非課税制度(NISA)を通じた大手証券会社10社の買い付け額が3.8兆円だったと発表した。制度が始まった2014年からの累計の買い付け額は24年末に全金融機関で52.7兆円だった。合計すると政府が27年までの目標として掲げた56兆円を超えたことになる。
日本経済新聞 – NISA累計買い付け額、56兆円超 政府目標達成
と書いています。その理由も触れています。
買い付け額は24年1月に新NISAが始まったのを機に急増した。23年末までの10年間に積み上がった金額は35.3兆円だったが、24年だけで20兆円弱も増えた。
新NISAは非課税で運用できる期間も恒久化し、長期目線での資産形成をめざす若者に裾野が広がった。年間の投資上限額が2~3倍に増えたことも追い風となった。
掛け声は2003年から
政府が「貯蓄から投資へ」という政策目標を掲げたのは、だいぶ古くて2003年、小泉内閣の時代です。消費者がお金をため込んでいても経済が活性化しませんから、このスローガンを掲げたわけですが、具体的な制度設計で画期となったのが、2014年、安倍内閣の時代にできた「少額投資非課税制度」ーーNISAです。
ところが、当時のNISAは使い勝手がいまひとつでした。
国内株も買える「NISA」は年間120万円で非課税期間もたった5年。投資信託を積み立てる「つみたてNISA」は非課税期間が20年と長いものの年間40万円。しかも、NISAとつみたてNISAはどちらか一方しか選べません。一言でいえばショボイ中身でした。
売買で生じるキャピタルゲイン(譲渡益)、配当の形で得るインカムゲイン(配当益)にかかる20.315%分の税金が減ることを財務省が嫌がったのだろう…と容易に想像がつきます。
その流れを買えたのが岸田内閣が掲げた「資産倍増プラン」で、その最大の柱がNISAの改革でした。つみたて投資枠が年間120万円(つみたてNISAの3倍)、成長投資枠が年間240万円(旧NISAの2倍)で、両方合わせて利用できるように改まりました。
資産倍増プランが掲げた目標を3年前倒しで実現できたのは、新NISAが起爆剤となったのは確かでしょう。
つみたて枠は複利効果が効く
その効果のほどはーーということですが、つみたて投資枠のほうは今月で積立設定を解除してしまいました。その理由は別記事で書きましたが、若い人なら複利効果で資産を大きく増やしてくれるのは間違いありません。

別記事はこちらをごらんください
2020年から続けてきた積立投資信託をやめました
複利効果については、以前の記事から再掲しましょう。
20歳から毎月1万円ずつ年利3%の投資信託をコツコツと積み立てた場合、40年後の60歳でいくらになっているか…さきのシミュレーション表の40年のところをみると、
元本480万円に対して利息が439万円。つまり元本がほぼ2倍になっています。史強の言う「まさに長期投資ってやつ」は、やっぱり最強の投資術です。
「三体」主人公もビックリ!「複利効果」を侮ってはいけない

インカムゲインは非課税
インカムゲイン(配当益)が非課税となる効果も、過去の記事から該当部分を再掲します。
年間に受け取った配当金・分配金も見てみましょう。
わたしが9万6639万円、妻が8万9873万円です。
新NISA1年目の成績はいかがでしたか?

通常の証券口座なら、ここから20.315%分が源泉徴収されます。わたしが1万9632円、妻が1万8257円が差引かれることになりますが、NISAはまるまる受け取ることができます。
りそなHD株売却で効果実感
ではキャピタルゲイン(譲渡益)が非課税となる効果はどうでしょうか。実はつい最近、妻名義のNISA成長投資枠で昨年購入した「りそなホールディングス」(証券コード:8308)を売却したのです。
「りそなホールディングス」の株価は、年初来最高値を更新するほど上昇している一方、配当利回りが1.67%と低い点が気になっていました。


そのため、特定口座分も合わせて保有していた1000株をおととい(18日)すべて売却。もっと配当利回りの高い銘柄や株主優待が魅力的な銘柄を買い付ける原資に充当しよう…と考えた次第です。
NISA成長投資枠で昨年1月に購入した価格、今週売却した価格がわかる図は下記のとおりです。赤枠が「りそなホールディングス」の取引です。

りそなホールディングス500株を37万2200円で購入し、67万6000円で売却。差し引き30万3800円の譲渡益を得ました。特定口座だったら6万1716円が源泉徴収されるので、実際に受け取るのは24万2084円だったはずです(特定口座で保有していた500株の売却は、20.315%分が源泉徴収されています)
やはり非課税の恩恵は絶大です。
含み益は110万円を突破
現状のNISA口座は次のようになっています。上がわたし名義、下が妻名義です。


わたしのほうは含み益が116万円余り。妻のほうは86万円余りですが、「りそなホールディングス」株の譲渡益30万3800円を足し合わせれば、わたしのNISA口座と同じレベルの好成績です。
政府目標を3年前倒しで達成する原動力となったNISAは、若い人にも広がりを見せているだけに、今後いっそう威力を発揮してくれることでしょう。
(いしばしわたる)
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