高額QUOカード優待の落とし穴…日経マネーの特集がためになる 

高額QUOカード優待の落とし穴…日経マネーの特集がためになる 

日経マネー」の最新号(25年3月号)の株主優待に関する特集記事は、高額QUOカードの優待を新設する企業が増えているなど最新のトレンドを紹介しています。優待廃止リスクという”落とし穴”もきちんと触れていて、とてもためになります(2025.2.16)

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株主優待だけで約40ページ

日経マネー」最新号の特集タイトルは「一生持てる優待株&配当が増え続ける高配当株グランプリ!」というもの。高配当株の部分も充実していますが、株主優待の部分だけでも約40ページもあります。

「日経マネー」25年3月号

見出しだけ抽出しても、 

PART1 株主優待最新トレンド 個人投資家呼び込む裏事情
トレンド1 利回り10%以上も!高額QUO優待の新設相次ぐ
トレンド2 BtoB、新興企業も優待新設ラッシュ
桐谷さん考案!240万円優待株組み合わせ
心にしみる桐谷さんの金言

PART2 16人の優待投資家が愛する「ガチホ優待株」グランプリ
優待株チェックリスト
「ガチホ優待株」トップ10
ジャンル別お薦め優待株
もらえる限り売りません!私の偏愛優待銘柄

PART3 さらに優待を生かすマル秘テク&耳寄り情報
家計への貢献度合いを見える化!
新設・廃止を予想するスゴ技
優待アップの条件を知る!
使われなかった優待品はどこへ行く?

と充実しています。

最初は楽天マガジンで読んだのですが、デジタル配信版では読めないページも一部ありますし、これなら保存版として持っていてもいいかも…と思って紙の雑誌を購入しました。 

優待新設ラッシュの理由

特集の書き出しは次のような文章で始まります。 

「少し前まで、株主優待は衰退していくトレンドなのかと思っていた時期もあった。しかしそうではなく、再び盛り上がり始めた」 
マーケット・ジャーナリストの和島英樹さんは感慨深げに振り返る。実際に2023年までの数年間は、優待を実施する銘柄の株が減少傾向にあった。

そうだよなあ…。JT、オリックス、日本取引所グループ、みずほリース等々、保有していた銘柄で優待廃止が相次いだよな… 

しかし、24年、優待を新設した銘柄の数が廃止した銘柄を再び上回った。
人気再燃の理由は何か。株主間で不公平だといわれつつも、結局は「皆がうれしい仕組み」であることが再確認されたためだ。

ここで言う「皆」は、個人投資家だけでなく、企業側にも…という意味です。 

優待が嬉しいのは、優待を実施する企業も同様だ。株主優待が個人株主を増やし、株価を下支えする効果が高いことは、多くの事例が示している。 

そして重要なのは、同じ効果を得ようと思った場合、優待は配当よりも「企業にとってコスパ」がいい点だ。自社製品を送る銘柄が多いため、同じ利回りの還元を配当で出す場合と比べて、必要な資金は少なく済む。 

これは個人投資家の目線からみても頷ける記述です。

わたしも、利回りが低くても優待が魅力なら手放さないと決めていますし、優待を廃止した銘柄は、成長が期待できるか、よほどの高配当かでなければ、放出する銘柄リストに載せてしまいます。 

高額QUOカード優待

24年から優待新設の企業が増えたのは、新NISAがスタートして個人投資家を呼び込みやすい環境となったことも要因のひとつでしょう。その結果、「新設や内容の拡充が相次ぎ、『大盤振る舞い』など新たなトレンドも生まれている」わけです。その代表例が、高額GUOカードの優待です。 

東証スタンダード、グロース上場銘柄を中心に、24年にQUOカードなど金券の株主優待を新設する企業が急増した。年間3万円分といった高額が目立ち、中には6万円分を出す銘柄もある。優待発表時点の株価に基づく総合利回りは10~14%に上る。
これらの企業には共通点がある。優待新設と近い時期に、株式分割や新株発行など、市場における株式流通量の増加につながる施策を発表していることだ。

ただ、と書いて、日経マネーの特集は次のように続けています。 

極端な大盤振る舞いを、ベテラン勢は冷めた目で見ている。カブ主優待ライダーさんは「10%を超える利回りの優待は継続するのがなかなか難しいと思う。廃止になることが多いのではないか」。JACKさんも「こんなにQUOカードを出すのかと驚くような高利回り優待の銘柄は、長くは続けられないだろうと読み、(売却に向けた)出口を探る」と冷静だ。 

過去には、電気やガスなどの契約手続き代行を手掛けるラストワンマイル(東グ・9252)が、23年10月に優待を新設したものの、24年3月には同8月末権利分を最後に廃止した例もある。1株保有でもAmazonギフトカード1000円分がもらえ、優待利回りが60%近かったことが話題だった。 

ああ~、ラストワンマイル! わたしも1株買って、優待廃止ですぐ手放した黒歴史の銘柄だ… 

わずか3か月で優待廃止

高額QUOカードの銘柄では、QUOカードの優待を導入してたった3か月で廃止してしまった銘柄が最近あります。 

Wi-Fiルーターレンタルを主力事業とする「ビジョン」(証券コード:9416)です。昨年11月に優待制度を拡充して、300株以上の株主にQUOカード1万5000円分を半年ごとに進呈すると打ち出しました。年間3万円ですから、まさに「日経マネー」が指摘する「高額QUO優待」銘柄のひとつです。 

ところが、ビジョンは2月13日、高額QUOカードの優待を廃止すると発表しました。リリース(「株主優待制度の一部変更のお知らせ」)にはこう書いてあります。 

しかしながら、株主数の増加が想定以上に進み…株主優待制度にかかる費用の増加は、当社の営業利益を減少させる大きな要因となっております。
そこで、このような状況下の中、断腸の思いではありますが…非自社製品を廃止することとしました。

「断腸の思い」って言われても、こっちだって………。

わたしも高額QUOカードに引き寄せられて300株購入しただけに、あてが外れただけでなく、株価の急落で含み損を抱えてしまいました。 優待で失敗した”黒歴史”銘柄がまたひとつ増えてしまいました。 

ビジョンは優待新設で株価が急騰し、廃止の発表で今度は急落

わたしの恥もさらして書きましたが、株主優待銘柄の魅力は十二分にあるので、引き続き優待銘柄は物色しようとは思うものの、落とし穴もあることは理解しておいたほうがよさそうです。

ベテラン投資家の金言

先述のベテラン投資家のコメントを、もう一度噛みしたいと思います。 

「10%を超える利回りの優待は継続するのがなかなか難しいと思う。廃止になることが多いのではないか」(カブ主優待ライダーさん) 

「こんなにQUOカードを出すのかと驚くような高利回り優待の銘柄は、長くは続けられないだろうと読み、(売却に向けた)出口を探る」(JACKさん) 

総合利回りが10%を超えるような銘柄は、優待廃止リスクがあるーー。そんなふうに身をもって学びました。みなさまもお気をつけください。 

(いしばしわたる) 

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