人生100年時代です。元気に歳を重ねるために大事なのは足腰が丈夫な状態を保つこと。高齢者施設で介護予防のフットマッサージやストレッチを教えている立場から、私がお勧めする筋力アップのセルフケア運動をご紹介します(2025.1.13)
〈PR〉


当たり前にできていたのが…
まずは簡単に自己紹介から。わたしの本業は経絡リンパセラピストで、数年前から高齢者施設でフットケア講師を務めています。私が介護予防に携わりお年寄りの皆さんと接して思うことは、

一に足腰!
二に足腰!
三、四がなくて…
五に足腰!
です。お年寄りの皆さんと話していると、こんな声をよく耳にします。

少し前はこんなんじゃなかったのに、いつのまにか歩くのがおっくうになっちゃって…

いつのまにか大好きな温泉にも行けなくなってねぇ…

前は毎日お散歩していたのに、今は転ぶのが怖くてお散歩も行けなくなっちゃって…
当たり前にできていたことができなくなる…そういう切実な声を耳にすると、とにかく足腰を丈夫に保つことがいかに大切さであるかをひしひしと感じます。
若い人も他人事ではない
でも、筋力アップは一日にしてならず!なんです。
実は、これはお年寄りに限った話ではありません。
世の中が便利になり過ぎて、20代や30代でも筋力不足ですぐ転んでしまう、骨粗鬆症と診断されるケースが増えた…というような話もあるほどです。
健康増進法という法律に、こういう条文があるのをご存知でしょうか。
国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない(第2条)
国民一人ひとりが自分の健康を自分で増進していく責務を担っているんです。「足腰が大切? それってお年寄りの話だろう?」なんて、ゆめゆめ思わないでください。
椅子に座りながら4つの運動
さて、前置きが長くなりました。私が皆さんにお伝えしたい、

若い方から高齢者までどなたでも!
椅子に座りながらできる!
たった4つの筋力アップ運動!
これなら毎日続けられる!
というセルフケア運動を紹介します。
【① つま先あげ】
椅子に座り、手は太もももしくは座面に添える
1・2、でつま先を上げ
3・4・5・6、ですねのほうに引き寄せる
7・8、で元の位置に戻す
※10回×1〜3セット
ポイント:つま先を上げる角度で強度を調整できるイラスト:kana129さん(イラストAC)
【② ひざ伸ばし】
椅子に座り、手は太もももしくは座面に添える
1・2、で、かかとを突き出すようにひざを伸ばし
3・4・5・6、で太ももに力を入れたままキープ
7・8、で元の位置に戻す
※左右10回×1〜3セット
ポイント:つま先をすねの方に引き寄せると強度アップイラスト:kana129さん(イラストAC)
【③ もも上げ】
椅子に座り、手はすねもしくは座面のふちに添える
1・2、で太ももを上げ
3・4・5・6、で胸に引き寄せる
7・8、で元の位置に戻す
※左右10回×1〜3セット
ポイント:脚を上げる高さで強度を調整
図のようにすねに手を添えると楽ですが、添えずにトライすると負荷がかかり腹筋も鍛えられますイラスト:kana129さん(イラストAC)
【④ もも上げバージョンアップ】
椅子に座り、手は座面に添える
1・2、で太ももを上げ
3・4、で太ももを上げたまま開脚し、横に着地
5・6・7・8、で同じ動線で元の位置戻す
※左右10回×1〜3セット
ポイント:開脚することで股関節周りの筋肉を柔らかくする
いかがですか。簡単そうでしょう?そう!簡単なのに脚全体の筋肉に効いているのが感じられるのがとても良いのです。
なので、私が介護予防の一環でお教えしている高齢者施設の皆様はもちろん、友人たちにもおせっかい承知で教えると、ほとんどの方に「これはいいね!」とお褒めのお言葉を頂くセルフケア法なんです。
ひとつ付け加えると、運動中は数を声に出して数えながらやると、自然な呼吸ができますよ。
力を入れる時に息をこらえてしまうと、血圧が上がってしまい、心臓や血管に負担がかかる場合があります。筋力アップ運動は、負荷が軽すぎると効果が得られにくいため、ややきついと感じる程度を目安にトライすると効果が得られますから、その点だけは意識してもらえるとよろしいかなと思います。
夫の両親と一緒に運動
先ほど「お褒めのお言葉を頂く」と書きましたが、実はいちばん嬉しかったのは夫の両親(80歳代)にとても感謝されたことです。
最初は嫌がられるかなぁ…と思ってドキドキしながら「ぜひ一緒にやりましょう」と提案したのですが、「こんなふうに身体のことを考えて提案してくれて嬉しい!」と喜ばれたのです。
「椅子に座りながらできるのがいいね」
「加減を自分で調整できるところがいい」
「これなら続けられそう…」
そんなふうに素直に喜んでもらえて胸が熱くなりました。今では夫の実家に行くたびに、夫も加わって4人で楽しく筋力アップ運動を行うようになりました。
繰り返しになりますが、足腰を丈夫に保つのは若い時から! ぜひ皆さんも参考にしてみてくださいね。
(さとりえいじゅ)
〈PR〉

