SBI証券の銀行パートナーはどこですか?

SBI証券の銀行パートナーはどこですか?

ネット証券のツートップがSBI証券楽天証券であるのは衆目の一致するところです。楽天証券の銀行パートナーが楽天銀行なのは明白ですが、SBI証券の場合はよくわかりません。そこがSBI証券の強みでもあり、弱みでもあるような気がします(2024.12.8) 

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住信SBIのハイブリッド預金

わたしは楽天証券をメーンで使い、SBI証券にも口座を開いています。といっても、国内株は単元未満株をわずかに保有するだけで、積立投資信託も、クレカ積立の改悪を機に停止し、積み立て分はすべて売却済みです(マンション購入資金に充当するためです) 

銀行はSBI証券開設に合わせて住信SBIネット銀行を開設し、出入金口座も住信EBIネット銀行を選び、ハイブリッド預金の連携も行っていました。 

ハイブリッド預金とは、預金残高がSBI証券の買付余力に自動的に反映される預り金自動スィープサービスです。 

証券口座の残高は利息がつきませんが、ハイブリッド預金の残高は、通常の普通預金よりも利息が優遇されます(普通預金が年利0.1%に対してハイブリッド預金は0.11%) 

とはいえ、楽天証券と楽天銀行にも「マネーブリッジ連携」という同様の仕組みがあり、優遇金利は、預金残高が300万円までは年利0.18%、300万円を超える分は0.12%ですから、SBI証券×住信SBIネット銀行のほうが負けている状態です。

両さんも「最適解」と推す

ハイブリッド預金の仕組みに着目すれば、SBI証券の銀行パートナーは住信SBIネット銀行のように見えます。

両さん@リベ大学長の改訂版「お金の大学」(朝日新聞出版社)も「これが最適解!結論リスト」の中で、 

SBI系列か楽天系列のどちらかで揃えよう。銀行と証券の口座間の連携がしやすくなって、家計管理と投資が捗るぞ! 

と書いて、SBI証券と並んで挙げているのは住信SBIネット銀行です(楽天系列はもちろん楽天証券と楽天銀行) 

三井住友銀行との連携

しかし、積立投資信託でクレカ積立ができるのは三井住友銀行(Olive)グループの三井住友カードです。 

SBI証券でのクレカ積立に利用できるカードは7社あり(2024/10/09現在)、三井住友カード(Olive含む)、アプラスカード、高島屋カードなどのカード会社が対象です。 

この中でもSBI証券でのクレカ積立におすすめは、ポイント付与率が高い三井住友カードです。 

かぶたん- SBI証券でのクレカ積立の対象カードは?ポイント付与や設定方法を紹介 

ポイント連携でも、もっとも充実しているのはVポイントで、ほかのポイントは連携して貯めることはできますが、クレカ積立に対応しているのはVポイントだけですし、ポイントを使って株や投資信託を購入できるのはVポイントとPontaだけです。 

こうやってクレカ積立やポイント連携に着目すれば、銀行のパートナーは住信SBIネット銀行ではなく、三井住友銀行のように見えもします(三井住友FGは、SBIホールディングと包括的資本業務提携を結び、9.9%の出資も行っています) 

SBI新生銀は年利0.3%

でも、SBIホールディングスの傘下にある銀行は、TOBによって連結化したSBI新生銀行です。 

SBI新生銀行は、12月1日から満28歳以下の個人を対象に「U28 Zero世代」と名付けた新サービスを打ち出しました。満28歳以下であれば、自動的に最上位のダイヤモンドステージが適用され、普通預金の優遇金利が年利0.3%になる、という破格のサービスです。 

銀行口座はこれ1つでOK!0歳から28歳以下が口座開設するだけで、どなたでも最優遇特典
www.sbishinseibank.co.jp

しかも、29歳以降もSBI証券に口座を開設して連携させれば、ダイヤモンドステージを継続する(つまり、年利0.3%を維持する)という仕組みです。 

SBI証券の口座を持っている人がSBI新生銀行に口座を開設して連携させれば、SBI新生銀行の預金残高は年利0.3%になる、ということを意味します。下記ページをみればそう書いてあります。 

SBI新生銀行の円普通預金は、年0.30%の高金利!(税引前・ダイヤモンドステージ)お金を預けるだけで毎月増える、魅力的な銀行口座です。
www.sbishinseibank.co.jp

う~ん、普通預金で年利0.3%かあ。これなら、SBI証券といちばん相性のよい銀行はSBI新生銀行ってことになるな… 

というのが、わたしの結論ですが、いかがでしょうか。 

バラバラな印象はぬぐえない

それにしても、楽天銀行/楽天証券/楽天カード/楽天ペイの組み合わせをふだん使いしている身からすると、なんともバラバラな印象はぬぐえません。 

わたしはSBI証券の口座は継続して持ち続けますが、冒頭書いたとおり、Vポイントの連携は維持したものの、クレカ積立をすでにやめてしまいました。そのタイミングで住信SBIネット銀行も解約して、SBI証券の入出金口座は楽天銀行に変更してしまいました。 

SBI新生銀行の年利0.3%にはとても心惹かれますが、 

SBI新生銀行の動きに刺激されて、楽天銀行も利息引き上げに動かないかなあ… 

と期待するところまでで、年利0.3%だけのために新たに銀行口座を増やそうとは思いません。 

オープン戦略は強みだが

住信SBIネット銀行に口座を持っている人は、楽天証券を選ぶことはないでしょうし、三井住友Oliveと三井住友カードでVポイント連携やクレカ積立を行う人もSBI証券の一択です。SBI新生銀行に口座を開設した人も、特に29歳以降はSBI証券に口座を開設しようとするでしょう。ポイント連携も、Vポイント以外も選べるので、dポイントやPontaを熱心に集めている人は、楽天証券よりSBI証券に惹かれるでしょう。 

そこがSBI証券の強みです。誘客の窓がオープンに開いています。 

でも、それはサービスの強固さという点では疑問符がつきます。 

ハイブリッド預金はいまも住信SBIネット銀行だけです。クレカ積立やポイント連携で選べるのは三井住友銀行だけです。年利0.3%と破格の優遇があるのもSBI新生銀行だけです。 

これでは、楽天証券と楽天銀行、楽天カードを紐づけた使い方に慣れた人まで引っぺがすのは容易ではないでしょう。 

将来、SBI新生銀行でもハイブリッド預金の仕組みができるとか、Vポイントや三井住友カードとの連携が始まるとか、まだまだ発展途上なのかもしれませんが、現状はまだ楽天陣営の強固さのほうが勝っているように思います。 

楽天陣営に刺激となるか

とはいえ、SBI陣営のサービスーー特に年利0.3%で28歳以下を強力にSBI陣営に引き込む動きは、楽天グループにもいい刺激になることでしょう。 

PayPay陣営でも、PayPay銀行に円とドルの普通預金を開設すれば年利2%という超破格のサービス「預金革命」をスタートさせました。

PayPay銀行は、円普通預金と米ドル普通預金の両方に預け入れると、それぞれに特別金利年2%(税引後年1.59%)が適用される定常プログラム「預金革命」を開始し…
www.watch.impress.co.jp

PayPay銀行とPayPay証券も利用者を急拡大させています。キャッシュレス決済でPayPayの地歩を固めているだけに、スマホに慣れた若い層に「預金革命」という新サービスはかなり刺さるような気がしますし、PayPay証券との連携策もさらに打ち出してきそうな予感がします。

競争こそサービス向上の源泉です。楽天陣営への刺激を期待しつつ、SBI陣営やPayPay陣営の動向にも、引き続き気を配っていたいと思います。 

(いしばしわたる) 

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