新NISA成長投資枠なら「長期保有優遇」銘柄も候補

新NISA成長投資枠なら「長期保有優遇」銘柄も候補

新NISA(成長投資枠)は長期保有が前提の銘柄を保有することが期待されています。株主優待銘柄の中には、長期保有すると優待の中身がグレードアップする銘柄がありますが、新NISAで購入する際の注意点があります(2024.11.20) 

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新NISAは長期保有が前提

新NISAは基本的に長期保有を前提にした制度です。成長投資枠が損益通算できないのも、枠が復活するのが翌年以降なのも、長期保有を前提にした銘柄を購入することが期待されているためです。 

その前提に立って、新NISAの仕組み・特徴について書いた記事で次のように書きました。 

新NISAの仕組み・特徴を踏まえれば…長期保有が前提ーーつまり、購入したら絶対に売らないと心に決めているような銘柄から選べばよい 

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この「絶対に売らないと心に決めている」銘柄は、わたしも数多くあります。中でも、株主優待が気に入っている銘柄は「絶対に売らない」典型です。 

OLC、東急不、JR東、F&LC

いくつか例を挙げれば、オリエンタルランド(OLC、証券コード:4661)は、わたしと妻名義で500株ずつ保有していますが、「絶対に売らない」と決めています。500株保有していると東京ディズニーランド(TDL)または東京ディズニーシー(TDS)で利用できる「1デーパスポート」が毎年1回送られてきます。これで年1回、夫婦でTDLかTDSに遊びに行くことを楽しみにしています。 

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東急不動産HD(3289)も「絶対に売らない」と決めています。わたしと妻名義で1000株ずつ保有していて、ここの優待は高級リゾート「ホテルハーヴェスト」の割引券が半年に4枚ずつ貰えます。 

JR東日本(9020)はいったんは売却したものの、わたしと妻名義で400株ずつ改めて買い直したのは、JR東日本管内の新幹線にも使える運賃4割引券が年2枚ずつ貰えるからです。今後は「絶対に売らない」と決めています。

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9月に購入したばかりのFOOD & LIFE COMPANIES(F&LC、3563)も、わたしと妻名義で200株ずつ購入したことで、徒歩圏内にある回転ずし「スシロー」で使える割引券(550円引)が半年に4枚ずつ貰えます。 近所のスシローが撤退しない限り保有し続けるつもりです。

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長期保有でグレードアップ

ここで挙げたOLC、東急不動産HD、JR東日本、F&LCは、いずれも長期保有すると優待の中身がグレードアップします。 

OLCは、100株以上の保有で、3年以上継続保有すると「1デーパスポート」が1枚付与されるので、500株保有だと3年目以降は年2枚貰えるようになります。 

東急不動産HDは、500株以上かつ3年以上継続保有している株主は「株主さま向けウェブサイト」で利用できる株主優待ポイント(1ポイント=1円)が付与され、5年以上継続保有すると付与されるポイントが増えます。1000株の場合、3年目から年間5000ポイント、5年目から7500ポイント付与されます。 

JR東日本は、2年以上継続保有で4割運賃割引券が1枚追加されます。 

F&LCは、200株を3年以上保有すると割引券の枚数が4枚から6枚に増えます。 

株主優待銘柄には、このような長期保有の株主を優遇する銘柄があるのです。 

利回りが低い銘柄は避ける

新NISA(成長投資枠)で購入する銘柄は、 

  1. 配当利回りが高い高配当株である  
  2. 増配が期待できる  
  3. 減配リスクを避ける  

が基本です(理由は「新NISA成長投資枠…2年目はどうする?」を読んでください) 

株主優待のある銘柄は、優待がある代わりに配当利回りが低いものが少なくありません。前述の4つの銘柄の配当利回りは以下の通りです。 

  • OLC:0.90% 
  • 東急不動産HD:3.52% 
  • JR東日本:1.77% 
  • F&LC:0.90% 

株主優待は事実上非課税なので、特定口座で保有してもNISA口座で保有しても一緒であることを考慮すると、NISA口座では配当利回りに着目して銘柄選びをするのが基本です。 

それでも、上述の4銘柄でも東急不動産HDのように配当利回りが高いものもあります。高利回りで長期保有を優遇している銘柄なら、NISAで持ってもよい「絶対に売らない」銘柄になるでしょう。 

株主番号の連続性に注意

ただし、長期保有優遇の銘柄をNISAで買う場合、ひとつだけ注意点があります。それが前回記事で書いた、 

株主優待で長期保有優遇制度を採用している銘柄の場合は「NISA口座で購入⇒特定口座で売却」の手順である必要がある 

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の部分なのです。 

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その理由は、売却を先にすると株主番号が変わってしまい、長期保有でなくなってしまうからです。 

このことは以前に記事で書きました。該当部分を再掲します。 

長期保有優遇の株主優待がある銘柄の場合、必ず新NISA口座で買うのが最初のアクションです。  

このことは「ダイヤモンド・ザイ」23年12月号の特集記事「すでに株をやってる人の新NISAのギモン32連発」にも出てきて、記事はauカブコム証券の人のコメントを載せています。 

「(長期保有優遇の株主優待がある銘柄を)課税口座で100株保有している場合、先に新NISA口座で買い増してから、課税口座の100株を売却します。この順番なら100株以上をキープできるので、継続保有が途切れることはありません」  

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この点に気をつけさえすれば、長期保有を優遇する株主優待銘柄は、NISA(成長投資枠)で購入するのに適した銘柄だろうと思います。 

わたしの「長期保有優遇」10銘柄

以下、わたしが保有する「長期保有優遇」銘柄を配当利回り順に列記します(企業概要等はヤフーファイナンスより。配当利回りは11月19日現在。SBIHDの配当利回りのみ会社四季報ONLINEより) 

1.キャリアリンク(6070) 500株保有
企業概要:官公庁関連や大手企業向けビジネスプロセスの業務請負、人材派遣が柱
配当利回り:4.70%
株主優待:クオカード2000円分(3年以上継続保有で5000円分)

2.ジーテクト(5970) 500株保有
企業概要:ホンダ系の自動車骨格プレス部品メーカー。海外積極展開
配当利回り:4.65%
株主優待:クオカード3000円分(1年以上)、4000円分(2年以上)、5000円分(3年以上)

3.AndDoHD(3457) 2000株保有
企業概要:自宅売却後も住み続けられるハウス・リースバック事業で成長。FC網が基盤
配当利回り:4.49%
株主優待:株主優待ポイント(1ポイント≒1円)4万ポイント。1年以上継続保有で4万4000ポイント

AndDoHDの株主優待は下記記事をごらんください。

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久々に充実した株主優待の商品選びでしたので記事にまとめます。不動産事業で多角経営を営む「AndDoホールディングス」(証券コード=3457)です。はじめての優待…
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4.SBIHD(8473) 1000株保有
企業概要:国内外ベンチャー企業投資、ネット証券、保険、銀行など総合金融業を志向。証券口座数首位
配当利回り:4.47%
株主優待:暗号資産XRPを受け取れるクーポンコード券2000円相当。1年以上継続保有で8000円相当(ほか健康補助食品など選択可)

5.INPEX(1605) 夫婦で400株ずつ保有
企業概要:原油・ガス開発生産国内最大手。政府が黄金株保有
配当利回り:4.19%
株主優待:クオカード1000円分(1年以上)、2000円分(2年以上)、3000円分(3年以上)

6.ゲームカード・ジョイコHD(6249) 100株保有
企業概要:遊技機用プリペイドカードシステム大手
配当利回り:4.11%
株主優待:カタログギフト3000円相当(1年以上で4000円相当、3年以上で5000円相当)

7.NECキャピタルソリューション(8793) 100株保有
企業概要:10月からSBI新生銀の持分会社。リース取り扱いは情報通信機器約8割
配当利回り:4.02%
株主優待:カタログギフト2000円相当(1年以上で3000円相当)

8.CARTAHD(3688) 夫婦で100株ずつ保有
企業概要:電通グループ傘下。メディアプランニングや広告配信システムが柱
配当利回り:3.83%
株主優待:デジタルギフトコード1000円相当(3年以上で1500円相当)

9.ヒューリック(3003) 夫婦で300数ずつ保有
企業概要:都区内の駅近接ビル中心に好物件所有、物件多角化へ
配当利回り:3.74%
株主優待:カタログギフト3000円相当(3年以上で6000円相当)

10.稲畑産業(8098) 300株保有
企業概要:化学専門商社。情報電子、合成樹脂が柱。アジア広域展開
配当利回り:3.73%
株主優待:クオカード500円分(6か月以上で3000円分、3年以上で5000円分)

いかがですか。ここで挙げた銘柄なら配当利回りもよく、かつ長期保有でグレードアップする株主優待がついてきます。NISAの成長投資枠で持つにふさわしい銘柄ではないでしょうか。 

もっとも、銘柄選びでいちばん大事なのは「減配リスクを避ける」ことです。業績データのチェックは入念に行って購入の可否は判断するようにしてください。 

(いしばしわたる) 

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