AIサービスが活況です。文書作成から画像生成など、あらゆる分野に進出していますが、資産運用の分野でも進出著しいようです。ただ、わたし個人は手数料の高さが気になります(2024.8.26)
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「ラジオライフ」の特集
楽天マガジンで配信中の「ラジオライフ」最新号(24年10月号)の特集は「AIサービス超活用術」というもの。
2022年に登場したChatGPTを皮切りに、誰でも使えるAIサービスが続々と登場している。(略)流行りのサービスを安全かつできるだけ無料で活用するためのヒントを紹介していこう。

特集自体は、ChatGPTやGeminiといった対話型AIの最新状況や、画像生成の各サービスによる生成画像の出来具合の比較といった、AIサービス全般を取り上げています(これ自体とても興味深い内容でした)
この特集の中で、「先端技術を活用して賢く運用する時代! 何となくで判断しないAI投資術」というサブ特集があるのです。
一般的にAIといえば、画像生成や対話型AIをイメージしがちですが、株式投資などの金融分野でも多くのサービスが提供されています。
(略)
新NISAをきっかけに投資を始めたものの、最近の不安定な値動きに苦戦中……という人は、AIの力を利用してみるのもいいかもしれません。
特集がピックアップしたサービスは、
- 銘柄の選定から売買までAIが全自動で行ってくれるタイプ
- 人間の投資判断をサポートしてくれるタイプ
の2種類です。
全自動型が5サービス
1では、具体的なサービス名と見出しを抜き書きすると、
- らくらく投資 最低100円から楽天証券が運用!
- ROBOPRO 40以上の指標でAIが将来を予測!
- WealthNavi ノーベル賞の理論を応用した全自動型
- THEO+docomo 市場心理も分析する独自のAIを搭載
- SBIラップ AI投資コース SBI証券が提供する次世代運用サービス
の5つのサービスです。それぞれの特徴が書いてあり、例えば、WealthNaviなら
「長期・積立・分散」の資産運用を全自動で行ってくれる商品。最低1万円からで、自動で世界約50か国、約1万2000銘柄に分散投資してくれます。運用方針はノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコビッツの「現代ポートフォリオ理論」に基づいており、専門知識がなくても6つの質問に答えるだけで、勝手に最適なポートフォリオを構築。また、ポートフォリオを最適な状態に保ちつつ、リバランスを全自動で行うので、基本的にお金を入れたらほったらかしでOKです。新NISAにも対応しており、長期で資産運用したい場合の選択肢になるでしょう。
という具合です。
手数料は年率1.1%が主流
ただ、この特集はそれぞれの手数料(年率)も書いてあります。
- らくらく投資 年率0.4915%程度
- ROBOPRO 年率1.1%(税込)
- WealthNavi 年率1.1%
- THEO+docomo 年率1.1%
- SBIラップ AI投資コース 年率0.666%
いかがでしょうか。インデックス型投資信託で人気ツートップの信託報酬(年率)と比べてみてください。
- eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー) 0.05775%
- eMAXISSlim米国株式(S&P500) 0.09372%
桁が1つ2つ違います。いかに手数料が高いかわかるでしょう。
頼藤氏は「地雷商品」と警鐘
以前の記事でも紹介しましたが、マネーコンサルタントの頼藤太希氏は「新NISAで絶対買ってはいけない5つの地雷商品」という記事の中で「ファンドラップ」とともに「ロボアド」を挙げています。
お任せで投資できるのは一見よさそうに見えるのですが、やはり手数料が割高なのがネックです。
ファンドラップやロボアドを利用した結果購入する商品は、低コストの商品の場合もあります。ロボアドでは低コストのETF(上場投資信託)やインデックスファンドなどを購入しますし、ファンドラップでも一部そうした商品を購入するのですが、信託報酬が高い商品も紛れ込んでいます。
信託報酬に加えて、ファンドラップやロボアドを利用するときの利用手数料も負担します。
(略)
ロボアドも、ポートフォリオを診断して商品を示すだけの「アドバイス型」は無料ですが、資産配分や投資商品の選定まで行う「運用一任型」は年1%前後の手数料がかかります。
選んだ金融商品の信託報酬に加えて、手数料が上述の「年率0.4915%程度」から「年率1.1%」上乗せされる、ということです。
頼藤氏は続けてこう書いています。
そもそも、ファンドラップやロボアドの運用成績が優れているかといえば、そうでもありません。たとえば、ロボアドの投資は分散投資で、バランス型の投資信託とやっていることは大きく変わりません。それなのに年1%前後の手数料がかかるのはおかしいですよね。
(略)
ロボットだからすごそうとか、証券会社の人がやっているからすごいとか、そういうことはありません。投資をお任せしても、やっていることは一般消費者と同じです。将来のことは誰にも(ロボットにも)わからないので、合理的に考えて低コストの商品・分散された商品を買った方がいい、というわけです。それであれば、低コストのインデックスファンドのほうがいいでしょう。
私も同感です。頼藤氏の表現を借りれば「将来のことは誰にも(AIにも)わからない」のではないでしょうか。
サポート系は5サービス
ラジオライフの特集に戻りましょう。紹介していた2つめのサービスはサポート系で、具体的には6つのサービスを取り上げています。これも見出しだけ抜き出しましょう。
- AI日本マーケット予測 auが提供するAI予測サービス
- milize SimilarChart 米国株にも対応した株価予測ツール
- 高値予測AI 過去のチャートから高値メドを予測
- AI銘柄ナビ 個別銘柄のトレンドを独自に予測
- AI株式ポートフォリオ診断 最適な銘柄の組み合わせを提案!
- AI株価見守りサービス 保有株の売り時をアルゴリズムで判断!
このうち、誰でも無料で利用できるのは2、3、4で、1はauじぶん銀行の口座保有者、5と6はSMBC日興証券「ダイレクトコース」ユーザーに限定したサービスです。
過去のデータから予測するのはAIは得意そうなので、今後、自社サービスへの誘導や囲い込みのツールとして普及していきそうな気もします。
もっとも、「ブラックマンデー越えの暴落をAIが事前に予測していた!」みたいな記事も見かけないので、「保有株の売り時」などは、あくまで参考レベルなのかもしれません(使ってないのでわかりません)
わたしは臆病かつ慎重な性格なので、AIの資産運用への活用について、ややネガティブな書き方をしましたが、AI技術の進歩のスピードは著しいものがあります。はなから否定するのではなく、AIサービスの動向は引き続き注視していたいと思います。
(いしばしわたる)
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