資産運用に対する個人の意識は新NISAを機に着実に変わっているようです。けさの日本経済新聞の企画記事を読んでそう思いました。折しも金融庁のNISA拡充策もまとまったようなので、NISAの意義について改めて書いてみます(2024.8.22)
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けさの日経記事とは1面肩「急落・急騰 日本株の真相・下」です。見出しが「動じぬ個人 3000億円買い/「割安」判断、老後へ備え」というもの。
過去の相場急落時、個人は決まって売りを急いだ。(略)今回は信用取引は3581億円を売り越す一方、現金取引では3027億円を買い越した。相場の急変に動じない個人の新たな投資行動が垣間見える。
(略)
若い世代が買い向かう様子は、ネット証券の売買状況に明確に表れている。楽天証券では急落を受けてNISAの成長投資枠での買いが急増。5日の買い付け額は1~7月平均の約2倍に膨らんだ。
ブラックマンデー越えの暴落の日(8月5日)、わたしは特定口座の方でも売買を一切していないので、あの日に買付額がそんなに大きかったのだと知ると、さすが!と思うと同時に、ちょっとくやしい気持ちになります(言い訳になりますが、その前週金曜の8月2日にいくつか物色買いしてしまい、手元の余裕資金がなかったのです)
将来への不安が底流に
日経の企画記事は「個人が投資に目を向けるのは、将来への不安が大きい」と指摘します。
金融庁が19年に示した老後の生活に2000万円が必要との試算は、大きな物議を醸した。物価高の長期化で円の価値は低下。多くの人が投資について真剣に考え始めた。
確かに、新NISAの生涯枠が政治決着で1800万円まで拡大したのも「2000万円」問題が念頭にあったため…と当時の記事で書いてありました。公的年金で不足する分は個人を補ってもらおう…という政府の判断が、新NISA創設の底流にあるのは間違いないでしょう。
だとすれば、先日の暴落で狼狽売りしたり「投資は無理」と及び腰になったりするのは、「だったら老後資金の不足分はどうやって補うか」ということとセットで考えるようにしないといけません。
ある著名な経済評論家が「自分は暴落前にすべて売った」と”自慢”しつつ、投資から逃避するよう推奨する記事を書いていて、それを読んだ時はとても残念な気持ちになりましたが、けさの日経記事を読むと、「どっこい個人はしっかりしてるな!」と安心しました。
配当収入は老後資金の柱
我が家も夫婦そろってアラカン(でも年金受給開始年齢はまだ先)なので、たまたま今朝は老後資金のことが話題になりました(以下、ちょっと私的な話題になりますが、ご容赦ください)
来年と再来年がいちばん資金的に薄くなるよね。年金受給開始はどうする?
いや、65歳からでいいよ。そのために不動産収入や配当金収入を増やしてきたんだから
わたしが昨年仕事をやめたため、資金的に薄くなるのが今年から来年、再来年というのは、妻の言うとおりです。
でもそのために、わたしと妻のiDeCo(個人型確定拠出年金)、妻のDB年金(確定給付年金)の受け取りを、この時期に合わせたのです。そして65歳以降、公的年金を受け取れば、不動産収入と配当金収入と合わせて、死ぬまで相応の年収が入る仕組みを築いています。
我が家の例をひもとくまでもなく、公的年金の不足分は個人個人が工夫を凝らしていくしかない…そんな時代になっているのは確かでしょう。
だとすると、不動産よりもリスクが低く、現物買いで試しながらやるにはちょうどいい株や投資信託の売買、そしてその入り口となる新NISAは、とても重要な仕組みなのではないでしょうか。
新NISAの意義もっとPRを
その新NISAですが、けさの日経記事(9面)を読むと、来年度税制改正要望に向けた金融庁の方針が出ていました(記事の見出しは「NISA利便性向上を」)
エッセンスを箇条書きにすると、
- つみたて投資枠の最低取引単位の引き下げ
- NISA口座を開く金融機関を変更した場合の運用改善
- 口座開設後10年の国内居住確認のデジタル化
ということだそうです。
1は、投資信託は100円以上なのに対してETF(上場投資信託)は現行1000円以上と決められているところを、投資信託に揃えて100円以上にしようというもの。2は変更期間中に新たな買付ができない現状を、すぐに買付できるようにする、というものだそうです。
どれをみても、ごくごく小さなマイナーチェンジですね。
やはり大事なのは、「投資は怖い」と思って及び腰になる投資初心者に対して、新NISAが長期保有に適した制度であることや、長期保有であれば複利効果が期待できる、といった新NISAの基本的な仕組みや意義をもっともっとPRすることではないでしょうか。
以下は、わたしが(旧NISAの経験を踏まえて)新NISAについて1年前に書いた記事です。読み返しても、まちがったことは書いていないと思います。新NISAの仕組みを踏まえての資産運用の参考にして頂けたら幸いです。
優良銘柄なら回復も早い
なお、わたしのNISA口座(8月21日終値)は現状こうなっています。
ブラックマンデー越えの暴落直後はこうでした。
一時は100万円の大台に乗った含み益は、あの暴落で19万円台まで落ち込みましたが、いまは79万円台まで回復しています。
成長投資枠で保有する国内株(ETF、J-REITを含む)は下記のとおりです。
成長が期待できる企業の銘柄であればきちんと回復する、ということが見て取れるでしょう。
新NISAは将来の不安に備えるうえで有用な仕組みです。今回の暴落に臆することなく利用してほしいと思います。
(いしばしわたる)
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