含み益の下落は「一喜一憂しない」が正解

含み益の下落は「一喜一憂しない」が正解

日経平均株価が1987年のブラックマンデー以来、史上2番目の下げ幅だったそうです。確かにすごい下げ幅でした。我が家の含み益も1日で700万円以上下げて、前日分も含めれば、わずか2日で1000万円超の含み益が消し飛びました。でも配当所得を意識している人なら「一喜一憂しない」が正解です(2024.8.2) 

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配当意識なら含み益は関係な

国内株を購入する人は、大別するとインカムゲイン狙いとキャピタルゲイン狙いがいます。前者は配当金や分配金、後者は値上がり益です。 

キャピタルゲイン狙いの人にとっては、「しまった! 2日前に売却して利確(利益確定)すればよかった!」という人はいるでしょう。 

でも、インカムゲイン狙いの人にとっては、含み益の上下動は関係ありません。自宅の地価が上がっても下がっても、自宅を売る気がなければ地価の上下動は関係ないのと同じです。 

下記画像は、わたしが使っている「配当管理」アプリのスクショ画面です。 画像1(8月1日終値)と画像2(8月2日終値)を比べれば、保有銘柄の時価総額が1日で700万円以上減っています。 

画像1(8月1日終値)
画像2(8月2日終値)

でも、画像3(8月1日終値)と画像4(8月2日終値)を比べても、年間に受け取る配当金額はまったく変わっていません。

画像3(8月1日終値)
画像4(8月2日終値)

業績悪化による減配や無配はものすごく気にしますが、含み益の下落は関係ないことをわかっていただけたでしょうか。 

株価が下がっても動じない

以前の記事で紹介した資産8億円の元消防士「かんち」さんは、新刊本「ほったらかしで年間2000万円入ってくる超★高配当株投資入門」(ダイヤモンド社刊)でこう書いています。 

私はあまり株価を気にしません。そりゃまぁ本音の本音をいえば、上がれば上がるほどいいのですが、下がったところであまり動じないのです。(略)私の投資手法が株をあまり頻繁に売買せず、持ち続けている”超”長期投資だからです。 

ちょっと株価が上がったところで売ってしまい、その後もっと上がってしまって後悔する……というのは利益を得ているのでまだいいとしても、その成功に味を占め、信用取引で高いレバレッジをかけた結果、資産を失った人も、私はたくさん見てきました。 

株主優待で有名な元棋士の桐谷広人さんは「AERA Money」のインタビューで、かんちさんのいう信用取引の失敗を赤裸々に打ち明けています。 

「さっと血の気が引いたのは(2007年)1月20日のことです。はじめての追い証を入れました」 

*追い証…「追加保証金」の略。信用取引で保有中のポジションが予想と反対方向に動いたとき、追加でお金を入れる。入れなければ一定ラインで強制決済される。 

「午後3時の取引終了後、新宿のスポーツクラブのプールにぷかぷか浮いていました。株価が下がったなぁと心の中で嘆いたあと、午後6時に家に帰って、パソコンでネット証券の取引画面を開くと赤一色でした。まず注意喚起の黄色い画面が出るそうなんですが、僕の場合はそれを飛び越えていきなり真っ赤です。信用取引で買いまくった株が下がったので、2~3日後までに二百数十万円を入金せよと画面に書かれていました。その後、株価が下がるたびに追い証です。大切に持っていた金(ゴールド)もたたき売りました。他の証券会社に置いていた株も、信用取引の担保の足しにするためにネット証券に移しました」 

「AERA Money」2024年春夏号より

わたしは現物買いしかしないので含み益を減らしただけですが、信用取引をなさっている方は、きょうは地獄だったかもしれません……。 

下落は買い増しのチャンス

かんちさんの本に戻りましょう。かんちさんは続けてこう書いています。 

いうなれば、個人投資家は”海に漂うクラゲ”のようなもの。波が高くなれば自分もその波と一緒に浮上しますし、波が落ち着けば自分も落ちつきます。 

その波にあらがっても、ただ体力を消費するだけですし、株価の上下動にいちいち一喜一憂していては、とてもメンタルは持ちません。 

市場の流れに逆らわないことが、メンタルが強くない人でも投資を続けて資産を形成する1つの秘訣です。 

そして、

何度も言っているように、株価が下がったときは、絶好の買い増しチャンス。「株価が下がってしまったから、損切りしよう」ではなく、「株価が下がった!これで買いやすくなった」と喜ぶのです。ですから、暴落時がいちばん燃えます(笑) 

株価が上がれば評価益が膨らんで嬉しいし、株価が下がれば買い増せるから嬉しい。こんなふうに投資をすることが、楽しく投資を続けられる大きな秘訣だと思います。 

わたしもまったく同感です。わたしもきょうはいくつかの株主優待銘柄を新規購入したり、買い増したりしました。 

楽天証券に「緊急」の赤い文字

きょうは久々に楽天証券にアクセスして国内株の買付を行いましたが、目にとまったのが白字赤抜きで「緊急」の2文字がついた「波乱相場、どうすれば?」のバナーです(画像5=外出先でアクセスしたのでスマホ画面です) 

バナーをクリックすると楽天トウシルにジャンプして(画像6)、画面を下にスクロールすると窪田真之氏(楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジスト)の「臨時リポート」などの記事を読むことができます(画像7) 

画像5
画像6
画像7

以前の記事でも書きましたが、このあたりのきめ細やかさが楽天証券が支持される理由だろうとわたしは思います。 

30%近く下がることはある

窪田氏は記事の中で「日本株が割安で、長期的には良い買い場という見方は変わりません。また、日経平均が5年以内に5万円まで上昇するという見通しも変わりません」と書く一方で、「ただし、短期的には米景気悪化が嫌気して弱気局面が続く可能性に注意が必要です」と指摘します。 

そのうえで、アベノミクスで株価が上昇した際の株価の値動きを紹介しています。 

アベノミクスがスタートした2012年末からの12年間で日経平均は約3.5倍となっており、大幅な上昇です。ただし、一本調子で上昇が続いてきたわけではありません。何回も急落・急騰を繰り返しながら、上昇してきました。 

急落局面で、高値から安値までの日経平均のドローダウン(下落率)は10~30%となっています。世界景気が悪化する局面では、30%近く下がることがあります。世界景気が悪化しない局面でのショック安は、10%から20%が多いといえます。 

https://media.rakuten-sec.net/articles/-/46037

きょうの下落率トップは大和証券グループ(証券コード=8601)の18.85%ですから、このぐらいの下落は短期的にはあり得ることです。 

含み益の上下動は一喜一憂しない。その気持ちを大切にしたいと思います。 

(いしばしわたる) 

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