「金利ある世界」は家計を意識するきっかけに

「金利ある世界」は家計を意識するきっかけに

日銀の政策金利0.25%引き上げ決定を受けて、家計にもさまざまな影響が及びます。いちばん大きいのは住宅ローンの金利がどうなるかでしょうか。普通預金の金利動向も気になります(2024.8.1) 

〈PR〉

楽天モバイルならスマホの料金が超お得!

変動型の住宅ローンどうなる

こういう時は日本経済新聞を熟読玩味してしまいますね。今朝の朝刊で、住宅ローンに関する記述はこうでした。

三菱UFJ銀行は31日、住宅ローン金利(変動型)の指標となる短期プライムレート(短プラ)を年1.475%から1.625%に引き上げると発表した。(略)短プラの引き上げは17年ぶりで、9月2日から適用する。 

三井住友銀行やみずほ銀行も短プラの引き上げを検討している。短プラの上昇により、住宅ローンを借りている家計にとっては負担が増す可能性がある。とりわけ全体の約7割を占めるとされる変動型に与える影響は大きい。 

日本経済新聞8月1日朝刊3面「日銀、政策金利0.25%に」より

わたしはすでに住宅ローンを完済し終えているので、住宅ローン関係の記事は(自分事ではないため)どうしても飛ばし読みしてしまうのですが、これからマイホーム購入を検討する人や、まだローンを払っている人にとっては一大関心事だろうと思います。 

繰上償還を賢く併用して

住宅ローンについては以前の記事で、自分が初めてマンションを購入した90年代半ば、変動金利が4%台だった当時のローン返済表を載せたことがあります。 その記事の一部を再掲します。

わたしは、変動金利はそんなに簡単に上げられないだろうと今も思っています。住信SBIネット銀行が短期プライムレートを引き上げた記事を読んだ時も、「そうは言っても変動金利の見直しは半年に1度だろうし、いきなり上げたら中小企業がバタバタ倒産するから、上げるにしても相当慎重にならざるを得ないだろう」と思って読みました。
しかし、金利の上げ幅は微々たるものでも、「舞台裏でひそかに元金返済額が激減」することは、確かに想定しておく必要があるでしょう。
(略)
榊原氏の著書を読んで最初の住宅ローンのことを思い出し、

インフレ時代の住宅ローンは、繰上償還こそ最大限活用すべき手法ではないか!

と思いました。わたしはすでに住宅ローンは完済し終えています。でも、もし残っていたとしたら、榊原氏のアドバイス(固定金利への借り換え)ではなく、ふたたび繰上償還を再開しただろうと思います。

デフレの常識、インフレの非常識…住宅ローンで考える

住宅ローンに対する考えは、この記事で書いた認識とそんなに変わっていません。 

  • 固定金利よりは変動金利の方が有利な状況はまだしばらく続く 
  • 新規で住宅ローンを組む場合も変動金利を選択したほうがいい 
  • ただし金利上昇に備えて繰上償還もできるように手元資金を残しておくべき 

ということだろうと思います。それにしても、不動産の価格は依然として高止まりしていますし、そこに加えて変動型の住宅ローンも金利がじりじり上がってきそう…となると、これからマイホームを買おうとする人は、悩ましい時代に入ったと言わざるを得ません。 

ネット銀の優遇金利どうなる

もうひとつ、日銀の追加利上げの家計への影響は、普通預金の金利引き上げです。今朝の日経記事から該当部分を引用します。 

追加利上げを受けて三菱UFJ、三井住友、みずほ、三井住友信託の各銀行は8月から9月にかけ普通預金の金利を現在の5倍にあたる0.10%に引き上げると発表した。 

りそな銀行やソニー銀行、横浜銀行といったネット銀・地銀も預金金利の引き上げを検討する。 

日本経済新聞8月1日朝刊3面「日銀、政策金利0.25%に」より

いよいよ普通預金の金利は0.1%がスタンダードになります。今年3月のマイナス金利解除を受けて、普通預金の金利が0.001%から0.02%に引き上げられ、今回さらに0.1%になるわけです。年初から比較すれば100倍の上昇です。 

そうすると気になるのが、0.1%の金利を”売り”にしていたネット銀行の動向です。わたしの場合、メーンバンクにしている楽天銀行です。 

気になる楽天銀行の動向

楽天銀行は、楽天証券とのあいだで「マネーブリッジ連携」すれば、残高300万円までは利息は0.1%でしたが、300万円超は0.04%でした。このままだとスタンダードの金利(0.1%)より劣後してしまいます。 

きょう(8月1日)時点で、楽天銀行の金利は以下のとおりです。 

通常の0.02%は他行と横並びで0.1%に引き上げるだろう。とすると、マネーブリッジ連携の優遇金利の方はどうなる? 

わたしの場合、JRE BANKの金利も関心事です。現在は0.02%ですが、おそらく0.1%に引き上げられるでしょう。 

JRE BANKは運賃4割引券目当てで、わたしと妻の口座に300万円ずつ預けっぱなしにしています。合計600万円預けていても、1年間の利息はたった1200円でしたが、金利が0.1%なら6000円になります。 

ポイ活のほうがずっと貯まるので微々たる変化ですが、それでも運賃4割引券ゲットという事情があって預けっぱなしにせざるを得ない以上、歓迎すべきことです。 

「金利ある世界」に戻りつつある今、金利を通じて家計を意識し、資産運用を意識するようになるといいと思いますし、自分自身はそうあろうと思っています。 

(いしばしわたる) 

〈PR〉

初回31日間0円!6000誌以上の雑誌が読み放題!
【楽天マガジン】初回31日間0円!雑誌読み放題