わたしが軟調過ぎるJ-REITを保有し続ける理由

わたしが軟調過ぎるJ-REITを保有し続ける理由

不動産投資信託J-REIT)は「激安な今こそ狙い目」という記事を読みました。わたしも常々「J-REITはどうしてこうも不人気なんだろう?」と不思議に思っていたので、評価損を出してもなおJ-REITを保有している理由と現状を共有します(2024.7.9) 

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「さすがに売られすぎだよ」

その記事は、週プレNEWSの「激安と言われているJ-REIT(不動産投資信託)ってどうなんですか?【坂本慎太郎の街歩き投資ラボ】」という記事です。編集部員が「助手」役として質問して、株式評論家の坂本慎太郎氏が答える形式で書かれています。 

助手 新NISAが始まって半年が過ぎました。僕の周りでは成長投資枠で悩んでる人が多いみたいです。
坂本 どう悩んでるんです?
助手 よく聞くのが、個別株への投資です。年初、手始めに安全そうなNTTに投資したら右肩下がりで20%以上下落。怖くなって損切りしたとか。ただ、高配当株投資をしようにもいい銘柄がないらしいんです。
坂本 手堅い銘柄でも20%くらいの上下はありうる。慌てすぎだよ。高配当株が減ったのはそのとおり。昨年から株価が上昇している影響だね。
助手 今、成長投資枠なら何を?
坂本 価格変動を抑えて高配当を享受したいならJ-REITがいいね。
助手 なんでしたっけ、それ?
坂本 不動産投資信託ですよ。不動産を運用して賃料収入や売却益を分配する。株と同様に取引できます。
助手 なぜ今オススメなんですか?
坂本 激安だからね。J-REIT全体の値動きを表す東証REIT指数は現在2020年と同じ水準。同年は緊急事態宣言でオフィスや商業施設が閉鎖され、ホテルも閑古鳥が鳴いてた不動産の最悪期ですよ。人流が回復して不動産収益が戻りつつある今、J-REITは激安です。分配金利回りも軒並み5%付近ですし。
助手 安い理由は?
坂本 金利が上昇して調達コストが高くなりそう、とか理由はあるけど売られすぎだよ。さすがにここから先は下落リスクは小さいと思う。

激安と言われているJ-REIT(不動産投資信託)ってどうなんですか?【坂本慎太郎の街歩き投資ラボ】

日経平均株価が4万円台を回復して、目をつけている高配当株や優待銘柄は、いま手を出したら高値掴みしそうな気がするだけに、わたしの目にもJ-REITは「激安」と映ります。

評価損を上回る分配金

わたしは2021年頃からちょこちょこJ-REITを増やして、時価評価額で約670万円分保有しています。妻名義でも同じ銘柄・同じ口数で購入しているので、夫婦合わせて約1340万円。金融資産の約1割強というところでしょうか。 

J-REITはずっと評価益が出ていたのですが、今年春にマイナスに沈んで、現在は夫婦合わせて評価損が60万円近くにのぼっています。 

それでも、損切りするつもりはまったくありません。その最大の理由は分配金利回りの高さです。以前の記事から仕組みの部分を再掲しましょう。 

J-REITがなぜ高利回りかと言えば、利益の90%以上を分配金として投資家に還元するという条件で法人税が免除されるため、大半のJ-REITが利益のほぼ100%を分配金に回すからです。  

つまり、J-REITは配当性向(企業が利益の何%を配当に回すかを示す比率)がほぼ100%の金融商品というわけです。  

その結果、J-REITの分配金利回りは、4%台後半や5%台の商品も数多くあります。 

高配当重視ならJ-REITも選択肢

先ほど評価損が夫婦合わせて60万円弱と書きました。ところが、J-REITから得る分配金の年間額は、この評価損を上回っています。

以下の表は、わたしが特定口座で保有するJ-REITの銘柄一覧です(インフラファンドを含む。分配金利回りと分配金額は「配当管理」アプリから加筆) 

いかがですか。7月8日終値時点の評価損が青色、分配金額がオレンジ色です。総額で比較すれば、評価損が28万4720円に対して、年間の分配金額が36万3918円です。同じ銘柄・同じ口数で妻名義でも保有しているので、これを2倍すれば我が家のJ-REITの現状となります。 

同じ分配金利回りが来年以降も維持されると仮定すれば、保有する限り毎年70万円以上の分配金が入ってきます。「さすがにここから先は下落リスクは小さい」(坂本氏)とすれば、割安な金融商品と言えるのではないでしょうか。 

分散投資先としても候補

J-REITについては、わたしは分散投資の観点からも保有銘柄に加えておいてよいと思うのですが、たまたま楽天マガジンで読んだムック「高配当投資ランキング大全」(晋遊舎刊、2024年7月1日発行)にも同趣旨のことが出てきました。 

「高配当投資ランキング大全」(晋遊舎刊)

「高配当株投資の基本戦略5カ条」という特集で、5カ条を箇条書きで書くと、 

  1. 高配当は利回りだけで判断しないようにする 
  2. 投資銘柄の判断基準にしたい4つの指標を覚える 
  3. 利回り以外の情報収集と分散投資でリスク軽減する 
  4. 利回りを狙える高配当株・REIT・優待銘柄に絞る 
  5. 投資銘柄の候補にしたい!高配当銘柄ランキング30位 

というもので、4番目のところでJ-REITが出てきます。 

ちなみに、気になるでしょうから書くと、2番目の「4つの指標」はPBR(株価純資産倍率)、PER(株価収益率)、EPS(1株あたりの純利益)、ROE(自己資本利益率)です。 

J-REITに話を戻して、4カ条目のページをみると、こう書いてあります。 

利回りを重視するなら、高配当株、J-REIT、優待株の3つが有力な選択肢といえる。
(略)
J-REITは、法人税が実質ゼロとなるしくみのため、株式と比べて投資家に分配金を出しやすく、安定的な分配金と高利回りが魅力的といえる。その一方、利益のほとんどを分配するため、長期的な成長や分配金の増加は期待しにくい事実もある。

この記述のとおりです。もともと分配金の高さに着目して保有しているので、「分配金の増加」まで求めなければ、高配当株や株主優待株だけに偏り気味のポートフォリオを分散させるメリットもあるでしょう。 

高分配J-REITランキング25選

同ムックが選んだ「高分配J-REITランキング25選」のJ-REITとムック記載の分配金利回りは次のとおりです(銘柄の後ろの数字は証券コード。「ゴシック・下線あり」はわたしが保有するJ-REIT) 

  1. いちごオフィスリート投資法人(8975) 7.8%
  2. エスコンジャパンリート投資法人(2971) 6.87%
  3. 森トラストリート投資法人(8961) 5.87%
  4. マリモ地方創生リート投資法人(3470) 5.75%
  5. 投資法人みらい(3476) 5.48%
  6. グローバル・ワン不動産投資法人(8958) 5.45%
  7. ザイマックス・リート投資法人(3488) 5.35%
  8. タカラレーベン不動産投資法人(3492) 5.24%
  9. スターアジア不動産投資法人(3468) 5.2%
  10. トーセイ・リート投資法人(3451) 5.13%
  11. サムティ・レジデンシャル投資法人(3459) 5.1%
  12. CREロジスティクスファンド投資法人(3487) 4.94%
  13. 日本リート投資法人(3296) 4.88%
  14. スターツプロシード投資法人(8979) 4.84%
  15. フロンティア不動産投資法人(8964) 4.76%
  16. イオンリート投資法人(3292) 4.76%
  17. 東海道リート投資法人(2989) 4.74%
  18. 産業ファンド投資法人(3249) 4.72%
  19. インヴィンシブル投資法人(8963) 4.56%
  20. SOSiLA物流リート投資法人(2979) 4.44%
  21. ユナイテッド・アーバン投資法人(8960) 4.3%
  22. いちごホテルリート投資法人(3463) 4/29%
  23. 三菱地所物流リート投資法人(3481) 4.03%
  24. ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985) 3.78% 
  25. 日本プロロジスリート投資法人(3283) 3.72%

少なくとも、わたしの保有するJ-REITで評価損を出しているところなら、わたしより損益上の成績はよくなりますよ(涙) 

軟調過ぎるJ-REITを見直すきっかけにして頂ければ幸いです。 

(いしばしわたる) 

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