「二兎」どころか「三兎」を追う…わたしの考える株主優待株

「二兎」どころか「三兎」を追う…わたしの考える株主優待株

楽天マガジンで読んだ「ダイヤモンド・ザイ」最新号は株主優待特集。ちょうど優待品も届いたところなので、わたしの考える株主優待株について書いてみたいと思います(2024.5.25) 

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おうちでトランポリン

優待で全身コーデの桐谷さん

「ダイヤモンド・ザイ」の最新号(24年7月号)は表紙をみてもわかる通り、株主優待特集です。特集の前文はこう書いています。 

楽しく投資できて生活にも役立つ株主優待。新NISAで買うのも大アリだ。達人の個人投資家たちがガチの投票で選んだオススメ株をたっぷり紹介! 桐谷さんが語り尽くす優待の魅力と新NISA活用法も必見! 

株主優待と言えば、元プロ棋士の桐谷広人さんが登場するのは当然ですよね。 

わたしも日本テレビ系列のバラエティ番組「月曜から夜ふかし」はよく観るので、桐谷さんが自転車を漕いで優待チケットを使いまくることはよく承知しています。 

ザイの特集にも、桐谷さんが「優待で手に入れた服で全身コーデ」した写真が載っていて、相変わらずすごいな~と思いました。 

ただ、そこに出てくる銘柄は、わたしはひとつも持っていませんでした。どれも自分が欲しい優待ではないので、きっと今後も買うことはないでしょう。 

シャツやボトムはユニクロかGUで買えば何年も持つから衣類の優待は要らないし、眼鏡も毎年優待でもらっても困るしなあ… 

食事系や日用品の優待株も、なんと!ひとつも持っていませんでした。 

う~ん、どうしてこんなに好みの優待が違うんだろう? 

ふだん使いできるか」が大事

桐谷さんは地銀株の優待を推奨していたことがあって、それで銘柄を揃えたりもしているので、たまたまひとつも合致しなかっただけとは思います。 

でも、株主優待銘柄は、おそらく人の好みが大きく反映するところが、高配当株と異なる点なのでしょう。 

わたしは以前の記事でこう書いたことがあります。 

我が家が持っているのは上記3銘柄の優待カードですが、大事なのは自分の住んでいるところにお店があるか、ふだん使いできるかどうかーーです。イオンが近くにないのにイオンの優待カードをもらっても宝の持ち腐れです。  

ですから、よく使うスーパーや飲食店があれば「もしかして株主優待やってないか?」と調べてみるといいでしょう。  

株主優待で買い物がお得になる:常時3~5%引きの優待カード 

やはり基本は「ふだん使いできるかどうか」の一点です。ちなみに、桐谷さんもザイの記事でこう強調しています。

優待品が自分の生活圏内で使えるかの確認はマスト。たとえば、高額の食事券がもらえても、使える店舗が近くにないと意味がない。自分にとってオトクな優待株を狙おう! 

わたしが選ぶ3つの基準

たまたま桐谷さんのセレクトと合致しませんでしたが、わたしも株主優待目当てで銘柄選びをすることはしょっちゅうあります。 

だったら、わたしの選ぶ基準は何なのだろう? 

ザイの特集を読んで、自分の保有する優待株を見つめ直すと、きっと「こういうことだな…」と思うことがありました。箇条書きにしてみると、以下のようなことです。 

  1. とにかく優待が目当てで永久保有すると決めている銘柄 
  2. カタログギフトのような自分でセレクトできる銘柄 
  3. 会社の成長(≒株価の値上がり)が期待できる優待株 

1の代表格は「オリエンタルランド」(4661=証券コード、以下同)、「U-NEXTホールディングス」(9418)、「東急不動産ホールディングス」(3289)。 2の代表格は地銀株です。 

会社の成長性が一番大事

3は特に大事な点なので、すこしくわしく解説します。 

配当利回りは以下の計算式です。

配当利回り(%) = 1株当たり配当金 ÷ 株価 

配当金(分子)が増えれば利回りは上昇しますが、株価(分母)が下がっても利回りは上昇します。株価が低迷している銘柄は減配リスクがあるので、その種の銘柄には手を出さないようにしないといけません。 

つまり高配当株投資は、会社が成長して売上高や営業利益が増える「増収増益」の企業が、業績の上昇に伴って増配する銘柄を選ぶ「二兎を追う」(株価も上がって、配当金も上がる)のが基本となります。 

ということは、優待株の場合は、株価も上がって、増配もして(利回りがよくて)、優待も維持(あるいは充実)する「三兎を追う」銘柄がベストだということです。 

のちほどわたしの保有する優待株を載せますが、配当利回りが低いオリエンタルランドとU-NEXTホールディングス以外は、きちんと「三兎」を追えている銘柄だと思っています。 

優待株も、業績が低迷すれば優待を廃止するかもしれません。やっぱり銘柄選びの”一丁目一番地”は会社の成長であって、それが株価の上昇に結び付いて、株主還元意識の高い(≒増配が期待できる)銘柄の中で、株主優待があるところを探す…ということではないでしょうか(もちろん、それに加えて「ふだん使いできるかどうか」ということですが) 

クラレのアンデスメロン

折しも「クラレ」(3405)の株主優待が届きました。 

クラレの優待はおもしろくて、国内拠点の所在県の名産グルメから選べるようになっています。西条事業所のある愛媛県なら「スペイン風魚介と肉の小皿料理セット」、三好工場のある愛知県なら「愛知みかわ豚桝塚味噌漬け」という具合です。 

わたしが選んだのは、鹿島事業所のある茨城県の「茨木県産青肉メロン(アンデスメロン)」です。 

クラレの株主優待のアンデスメロン

ギフトカタログに書いてありましたが、アンデスメロンは「名前からよくアンデスが原産地と間違われますが、本当は発売当初の『安心ですメロン』という名前が変化してきたもの」だそうです。知らなかった~。 

わたしの保有する優待株20銘柄

最後に、わたしと妻名義の優待株の中から(この記事の趣旨は企業の成長性重視なので)評価益の高い順に上位20銘柄を抜き出します。「×2」とあるのは私と妻両方で保有している銘柄です(評価益は5月24日終値現在で小数点以下切り捨て。予想配当利回り、企業概要、優待内容はヤフーファイナンスから) 

1.エスリード(8877) 評価益132% 利回り4.24%
カタログギフト3000円相当(100株)
マンション企画開発、販売が柱。近畿圏での供給戸数トップ級

2.U-NEXTHD(9418) 評価益93% 利回り0.72%
U-NEXT利用料1年分+毎月1800円分のポイント(1000株)
旧USENが傘下の持株会社

3.エクセディ(7278) 評価益73% 利回り4.24%
カタログギフト3000円相当(100株、継続保有1年以上)
クラッチ最大手。AT部品が柱。MTも高シェア

4.INPEX(1605)×2 評価益73% 利回り3.21%
クオカード(400株、1年以上保有で1000円分、2年以上2000円分、3年以上3000円分)
原油・ガス開発生産国内最大手

5.大和証券G本社(8601) 評価益69% 利回り-
カタログギフト2000円相当ほか(1000株、年2回)
国内2位の大和証券を核に資産運用、ネット銀行等併営

6.ちゅうぎんFG(5832) 評価益55% 利回り3.34%
カタログギフト5000円相当ほか(500株、継続保有1年以上)
中国銀行を中核に22年10月発足

7.オリエンタルランド(4661)×2 評価益52% 利回り0.31%
ワンデーパスポート1枚(500株、3年以上継続保有で1枚追加)
入園者世界有数の東京ディズニーランド・シー運営

8.ゆうちょ銀行(7182)×2 評価益51% 3.42%
カタログギフト3000円相当(500株)
預貯金額で国内最大。国債主体の運用を近年多様化

9.マースグループ(6419) 評価益47% 利回り5.71%
カタログギフト3000円相当(500株)
パチンコ店向け機器大手。開発に強み

10.山陰合同銀行(8381) 評価益43% 利回り3.35%
カタログギフト5000円相当(1000株、継続保有1年以上)
山陰地盤。鳥取、島根で預金高1位

11.いよぎんHD(5830) 評価益43% 利回り2.99%
カタログギフト5000円相当ほか(1000株)
伊予銀行を中核会社として22年10月発足

12.群馬銀行(8334) 評価益42% 利回り2.73%
カタログギフト2500円相当(1000株)
地銀上位。県内シェアは預金、貸出金とも35%程度で断トツ

13.クラレ(3405) 評価益41% 利回り2.61%
カタログギフト3000円相当(1000株、3年以上継続保有で1万円相当)
高機能樹脂ポバール等とそれを加工した各種フィルムが柱。首位品多い

14.山口FG(8418) 評価益40% 利回り3.37%
カタログギフト5000円相当(1000株)
傘下に山口銀、もみじ銀、北九州銀

15.SBIグローバルアセット(4765) 評価益40% 利回り-
暗号資産XRP2500円相当ほか(500株)
金融機関の有価証券運用受託が柱

16.りそなHD(8308) 評価益39% 利回り2.32%
クラブポイントを毎月進呈(1000株、50ポイント付与)
旧大和・あさひ。傘下にりそな、埼玉りそな、関西みらい、みなとの4行

17.ヒューリック(3003)×2 評価益36% 利回り3.58%
グルメカタログセット3000円相当(300株、3年以上継続保有で商品2点=6000円相当)
旧富士銀行の銀行店舗ビル管理から出発

18.七十七銀行(8341) 評価益35% 利回り2.99%
地元特産品3000円相当ほか(300株、継続保有1年以上)
仙台拠点で東北最大の地銀

19.東急不動産HD(3289)×2 評価益34% 利回り3.08%
ホテルハーヴェスト割引券4枚ほか(1000株、年2回)
東急系の総合不動産大手

20.DIC(4631) 評価益33% 利回り3.04%
DIC川村記念美術館の入館券付絵葉書2枚ほか(100株、年2回)
インキ世界首位。樹脂、電子材料等へ展開

どの銘柄も、わたしはたまたま割安の時に購入しているので、いまは割高なのかもしれません。ですから優待株として「いまが買い時」と言っているわけではありません。 

記事の趣旨は「優待株であっても、会社の成長性、株価上昇が期待できる点を重視すべきではないか」という点にありますので、その点はどうぞお含みおき下さい。 

(いしばしわたる)