日本の最強銘柄…「日経マネー」もグローバルニッチに注目

日本の最強銘柄…「日経マネー」もグローバルニッチに注目

「日経マネー」の最新号を楽天マガジンで読んで驚きました。「日本の最強銘柄」として、先日書いたばかりのグローバルニッチな企業が3社も重なっていたからです。やはりグローバルニッチトップ(GNT)企業は投資先として注視したいと思います(2024.4.7)

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ニュースで学ぶ、生きた英語。「The Japan Times Alpha」

「世界トップ」がゴロゴロ

「日経マネー」24年4月号の特集タイトルは「日本の最強銘柄大解剖」で、副見出しが「小型株でも『世界トップ』がゴロゴロ!」というもの。 

個別株投資では、なるべく競争力が高い銘柄の方が業績悪化リスクが低い。そこで注目したいのが、特定の狭い分野では高い競争力を誇る「ニッチトップ」銘柄だ。 

企業の競争力は、企業規模に比例するわけではない。売上高では数百億円以下の小規模な企業の中にも、大手をしのぐ競争力を持つ「最強銘柄」がゴロゴロあるのだ。多くはニッチな事業領域に経営資源を集中させることで、高いシェアや利益率を確保している。裏方的存在であることが多く、知名度の低さから株価が割安な銘柄が少なくないことも注目点だ。 

もう、この記述を見ただけで、経済産業省が2020年に選定した「グローバルニッチトップ(GNT)企業」が出てくるな…と予想がつきましたが、案の定でした。 

特集が取り上げたのは「特定のビジネスで国内または世界でトップシェアを持つ、ユニークな8社」で、楽天マガジンで読める電子版は以下の5社が紹介されていました(社名の後ろは証券コード) 

  • 古野電気(6814) 
  • エスペック(6859) 
  • マニー(7730) 
  • RS Technologies(3445) 
  • RIZAPグループ(2928)

社名をみて「おや?」と思った方は、わたしが1週間ほど前に書いた「成長株投資としてグローバルニッチな企業に注目」を読まれたのかもしれませんね。 

文中、経産省選定の「グローバルニッチトップ(GNT)企業」で、かつ最新版の「会社四季報プロ厳選の500銘柄」(2024年春号)で「本命銘柄50」に選ばれた企業が3社もかぶっています。 

「日経マネー」の特集は「経営陣を直撃」して「競争力の秘密や今後の経営戦略について詳しく聞いた」という内容です。かぶった3社について、わたしが注目した記述を引用しましょう。 

船搭載電子機器のトップ

最初は「古野電気」です。1948年に世界で初めて魚群探知機を実用化し、 

時を経た現代では、あらゆる「船に搭載する電子機器」について、高い世界シェアを持つトップメーカーとして君臨している。 

当時から続く漁船向けの機器では、実に49%のシェアを維持する。それよりも市場規模が大きい、商戦向けのレーダーや関連機器でも世界シェア41%のトップメーカー 

というのだからすごい。取材に答えているのは取締役副社長執行役員の小池宗之さん。 

「当社の強みは機器の性能だけでなく、現場に何度も足繫く通い、利用動向を把握しニーズを拾う、泥臭い『浜営業』のスタイル。世界80カ国に張り巡らせた拠点網は業界最強です。この人海戦術とも言える体制には他社が追い付けません」 

「商船は20年に1度の新造船ラッシュが始まっており、搭載する電子機器の更新需要も高まっています。造船は日本・中国・韓国の3カ国の寡占構造ですが、日本の造船会社はむしろ苦戦中。しかし当社は中韓向けでもシェアが高い。今後、27年までに完成する船向けの需要は既に押さえました」 

27年以降も修理やメンテナンスなどサービス部門が高収益であるほか、防衛関連株としても追い風とのことです。 

環境試験器で国内シェア6割

続いて、「環境試験器」というニッチジャンルで国内シェア6割を握るトップメーカー「エスペック」です。取材に答えているのは取締役執行役員の西谷淳子さんですが、まず環境試験器の説明に驚きます。 

「例えば湿度85~90度、温度は85±2度という過酷な環境下に家電製品を100時間以上置き、正しく動作するか、故障しないかを見る試験があります」 

環境試験は国際規格や国・業界の規格で義務付けられているものが多く、製品開発会社は必ず行う必要がある。この「目立たないが、幅広い業界で必須の装置」で、エスペックはトップシェアなのだ。

1961年に国内で初めて環境試験器を開発し、折からの家電”三種の神器”ブームでシェアを高めて現在に至っているとのこと。 

「環境試験器を他社の製品に乗り換えれば、データの継続性がなくなるというデメリットもあり、他社から顧客を奪うハードルは高い業界です」

なるほど~。EV(電気自動車)向けのバッテリー試験用の機器が成長を牽引していることや、半導体業界向けの機器も需要が増えているそうです。 

医療機器で世界シェア拡大

3番目は、ニッチな医療機器で高い世界シェアを誇る「マニー」。CEO/COOの齊藤雅彦さん自ら取材に答えています。 

まだ売上高は300億円に満たないが、複数の分野でぐんぐん世界シェアを拡大。2024年8月期は4期連続の2ケタ増収増益を見込み、11期連続の増配に。営業利益率は約3割という高水準で、業績面は、現状、死角が見えない。 

という書きぶりです。この急成長のきっかけは、営業手法の見直しだったそうです。

「以前の当社には『品質さえ良ければいずれ勝手に売れる』という意識があり、海外販売は各国の代理店任せでした」。しかし12年に中国に販社を設立したところ、わずか2年でデンタル関連の売り上げが急増し始めたという。 

「歯科医は意外と、自分が大学で習った製品以外は知らない人が多かったんです」。製品を熟知した社員が提案することで、膨大な潜在需要を喚起できたのだ。この手法はやがて別分野でも効果を発揮し、中国では眼科用ナイフのシェアがトップに浮上。世界トップシェアの原動力となった。 

17年にはインドにも販社を設立し、デンタル分野はすでに同国トップシェアを獲得したそうです。 

強まる”推し”の気持ち

古野電気の「浜営業」、エスペックの顧客ニーズにカスタマイズした装置開発、マニーの現地密着営業……。グローバルニッチの座を維持しているのは、その裏で地道な努力の積み重ねがあるからなんですね。 

経産省の選定企業集も「お薦め」と書きましたが、こういう具体的な記述を読むと”推し”の気持ちがみなぎってきます 

「日経マネー」は以下のように書いています。 

ニッチな最強銘柄の実態を知ることは、あなた自身の銘柄分析力の向上につながるはずだ。 

ますますGNT企業を”推し”たくなりました。 

(いしばしわたる) 

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